枝垂れる桜のそれは
たおやかに美しく
雨粒の重みに抗うことができず
うなだれているかのようで
助けてやろうと手を差し伸べることなく
あともう少しこのまま見ていようと
自らの心に潜むマゾヒズ ....
橙の灯りみたいに
優しい君の声は
頭の中では
涼し過ぎるから
心の中で
聴いていよう
音符は黒のはずなのに
君の歌はロウソクみたいに
探し物を照らし続けている
その炎を借りた ....
ひとつ物音が消えてなくなれば、
かき消されていた音が聞こえてきます。
テレビを消してみましょうか。ちょうど今頃
は庭先から、みなさんがよく知ってるものや
そうではない虫 ....
この、
洗練され切った
野蛮な社会にて
貴女の顔に触れられる
初めて、その機会与えられ
独り切りになる
解る ということ
その瞬間 のこと、
言語は他者に伝えるため
只 そのため ....
私は日に日に純粋になっていく
私は日に日に成長していく
当に伸びんとする蒲公英のように
生きれば生きる程
私の周りに興味を持つ
いや私の中にあるものに興味を持つ
輝いているなぁ 世界は ....
かつての仕事の途中の駅
ベンチでうっかり座っている
座れたら座る
座れないからこれまでは座らなかった
煉瓦造りの
イミテーションの屋根
屈んでみたら駐輪場だった
布マスクのおばち ....
自分のことを
認めつつ
変化していく
自分のことも
認めつつ
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
いくら きみをひきよせようとしても
きみは {ルビ水面=みなも}に浮かぶ果実のように
ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
さらに遠くへと きみは ....
燃えている、燃えている、それはいつだったか、砂利道。石炭を運搬する線路のレールで擦りむいた、街街からころげ落ち、ひとり おいてけぼりにされた。それはみなに追いつこうと自転車を必死に漕いでいた、市(まち ....
目に 遠くから 何かが 跳ね返る
ボールは目の前を通り過ぎていく
立てた音を 忘れて 認識する 僕は
目に見たことのなかった鉄球を知る
そんな風に人間は自由であると思う
アパートのベ ....
沼の畔に立った時
私の真下に見知らぬ女が居た
山を 仰いでいる女が居た
水草の花は白く咲き
深いモスグリーンの森は夏なのか
ひんやりと うす暗い
私の真下にいる女は
口角 ....
私は待つ
暗いところでひとり
ではなくて
明るく開けた田舎の畑道で
衆人環視のもと
へんてこに腕を上げたり
無理矢理に腰を伸ばしたり
おかしな具合に首を曲げたりして
私は待つ
....
待ち求め潜心し
ひたすらひたむきに
学問だけ許されて
いた時代は終わり
そんな輩は
草でも石でも喰らってろ!
呪うような声の響き
未だ問わず、
惑わされる肉体の ....
あらかたの全てを飲み込んで
吐き出す時にはもう
溶けだしてしまわないように
飲み込んでいる
六等星
花が咲く
命短く
みずながれ
波紋の月日
とどまるのみと
優しくなでる手
微笑みながら
涙が止まらない
言葉にすると壊れそうな瞬間がとても
心臓の音だけを明確にしていく
色々な事が波を連れてくる
何処にも行けないのではなく
何処にもいか ....
通り掛かる街角で
不思議な三角や五角形
浮かんでは消え浮かんでは
優しく柔らかに瞼くすぐり
遠い夢見の一時を
円かに綴り懐かしむ
清々しい外気、
澄み渡り包み込む
この青空の午後に ....
海は薄く
曇り空
祖父の白目のよう
*
憂鬱 ぬれたシャツ
窓ガラス 溺れる目
切れた唇から飛び降りた
ことばが膝に刺さって赤く咲いている
クジラがしゃべったみたい
....
さくらが流れていると
ぼんやり彼を感じてしまうのは
何故だろう なんて
共にして
また横に
不意に春のふくらみを介して
濃いかすみが
音をあたためる傍らで
陶然と ....
煌々と満月、只 白く
向かいの家、明かり消え眠りにつき
隣家の玄関、僅か灯火 薄黄に開き
煌々と満月、すべて浮き照らす超然
ネットで見かけた
ドクターペッパー
20種類のフルーツフレーバー
お婆さんが毎日飲んで長生きしたって
なんといつものスーパーにあった
飲んでみた
頭が混乱した
しばらくして
正 ....
『鏡よ、鏡?』
と
尋ねつづけたあの女は
実は
《その》衝撃の前日まで
《世界で一番美しい女性》であったし
その、
気も狂うような事実を告げられた日も
実は
《世 ....
春に雪が降るというのは
珍しいかもしれない
けれど降ることはある
そんなことが過去にあったのを
覚えている
ただ覚えているだけで
それ以上に特別なことが
あった訳ではない
春に雪が降っ ....
突き抜け
上昇し沈み込む、
限りなく際限なく
熱に貫かれ 声、
発せるということの
奇跡
歌、うたえることの
有り難さ
意味 以前に 声の言葉の響き在り、
わたしはひたす ....
じぶんの重みに
押しつぶされた日の光が
大地に一度 身を落として
あたりを囲う 同じものたちの
小さくも楽しげな 溢れかえり
そこにある岩肌の
わずかな塩味に
あいさつのように
その明 ....
静かに沸き立つ
底知れぬ欲望在り、
身震いしながら
受容する僕は
未だ生半可な途上の者
内面の旅程は外界のそれと呼応し
水晶の面を滑りながら内部を見通す
日が沈み隣家の明かりが灯 ....
強い南風だった
私は風になど飛ばされたくないから
作文を書いた
父は私が何をしても
優しい様子で褒めてくれたけれど
作文だけは
夜、眠る前に読んでいたようだった
下水道の早期敷設 ....
湖のほとりで 歓送迎会が宴たけなわ
大広間のステージ台へ背もたれ向け座る
センターから外れる円卓、
あなたが 椅子に割り込んできた
別の課へ異動していくあなたとは
正式 ....
むかしはびじんでそれだけで
みせもだいはんじょうして
こいびともよりどりみどりだった
ろじうらのすなっくみたいに
さみしいにぎやかさ
かなざわからきょうとへ
さんだーば ....
夢の街
今夜ひとりで歩くとき
潮風も吹く、桜、散る散る
天使ちゃん
そんなあだ名で呼ぶなんて
考えられない事態だよ?
夜明け前
いただきに立ちみおろせ ....
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