冷蔵庫には空腹しか入っていないから
腹いせに近所の自転車をみんなかっぱらって頭の中身をみんな乗せて走っているのに
誰からも電話が掛かって来ない
道は歪んでいるしチェーンは外れかけ
雹が降っ ....
たとえば
犬とか猫でもよかったけれど
いまわたしたちは
人間どうしだね
ちょうどおなじ加減で
人間どうしだね
日曜日の午後だというのに冬の山下公園は閑散としていた
もちろん、どこにでもいるようなカップルの姿は、楕円の芝生に沿って据えられている木製のベンチにチラホラと、見え隠れはしているのだが
....
今日も殺されなった
誰も殺しに来なかった
そう思っているということは
まだ殺されてないということで
今日も殺されなかった
コンセント差さっていない扇風機
ほこりの浮いた麦茶
....
今日も何も落ちていない 遠い日に
また 私自身がそこから落ちていく時
この暗い眠りの中で
この身を風に任せた
私は ひとり
何となく そこに 横たわっている
私の 一人の
暗い この ....
ばかものよ
きみのせかいにだれもいない
ばかものよ
にしのそらにしずみかけている
ばかものよ
そこにいたのはだれなのか
ばかものよ
せかいはもっとひろかった
....
歴史を変える力などない
わたしたちは
ただ愛し合うしかないのです
隣で眠るあなたが
普通ではないうなされ方をしたので
わたしは思わず手を取り
脈をみました
診療の時間は終わりです ....
真っ白な道
どんな足跡も消した
今日と明日の間の道もまた
消されてゆくだろう
生と死の間にはなにがある
失われてゆくだけの時間に
足されてゆく記憶
身は常に 縮まることしかせず
....
おもたいのぅは、案山子のあしだった
うるさい鴉が見守る案山子は穂に囮
「両手一足」誰でもよしなに
たまらんのぅ、と
雀たち吐き出す、米米(まいまい)
(ああ案山子よ 案山子 ....
死は厳粛なものだ
だから死ぬがいい
人の1個が終わる時
連綿たる格闘の歴史が閉じる時
膨大な記憶の書庫が燃え尽きる時
小さな存在の事実が消失する時
肉体はそれでも生きようとする
瀕死の臓 ....
先月の今日 涙をこぼしながら 一人で仕事してた
先々月の今日 涙を我慢しながら 一人で仕事してた
今日も 一人ぼっちで泣いている
一昨年の6月の今日 長い入院から ....
樹木希林を名のる前の
悠木千帆が
身悶えながら叫ぶ
「ジュリイイイイ!」
私はすっかり衰えてしまい
何を見ても
反応しないと泣いた
壊れかけたVHSビデオデッキで
思い出のAV
....
夢しか持たないままで
こんなに遠くまできてしまった
振り返っても昨日は見えなくなっていた
影しか知らない過去を
並べてみたとて
だれもうなずかないなら捨てるしかないだろう
冬のさな ....
施設の中庭のベンチで
ゆっくり日向ぼっこする
老人達の独りが
突然立ち上がって何かを叫ぶ
こんな筈ではなかったと
こんな方向でなかったと
こんな場所に来るはずではなかった
こんな終わ ....
音楽も文学も絵画も幻想
社会も国家も世界も幻想
身の丈を知れ
お前だけを語れ
嘘も誠も曖昧模糊も
すべて
すべて
ひとからげにして
見えたものだけを語れ
感じたものだけを語れ ....
空が高い
ここは関東平野だ
風のない晴れ
ここは関東平野なのだ
この町をぼくは歩いている
つくばエクスプレスで東京から埼玉へはあっという間・・・・でもなく
駅からタ ....
とんぼ
誰にも見せない涙を 僕だけに見せてくれた
君を励ます言葉が 浮かばなくて僕も泣いた
不謹慎だけどその涙を 僕は美しいと思ったんだ
その泣き声が心地よくて とても温かかったんだ
....
暖房もなく、寒いよるには、
ちいさくなって毛布にくるまるのです
毛布はやさしいです
朝の梵鐘の音が聞こえると
お腹も空いてくるのです
やさしい毛布から脱け出して
ずうずうしいエアコンのセカ ....
排気ガスに舞い上げられた
小さな春を吸い込んで
私はこの街に生きている
裁判所前の桜
足繁く通った病院
水面に揺れる手漕ぎ舟
私はこの場所に居る
アスファルトにポ ....
いつか働くと思っていたあの日の少年は
絵描きや物書きに憧れたりしていた
フリーターなんて言葉は知らなかったし
世間と云うものから見下される職業がある事も知らなかった
だってどの本にもそんな事は ....
はずれなしと書かれた頑丈な箱に小さな紙片
くじを引いては一喜一憂しながら
厭きもせず繰り返す男に尋ねる。
あなたはなぜ悲しそうな顔で続けているの?
男は振り返るとにこりとして
予定調和ですか ....
機械を買った。
何の役にも立たない機械
球体を半分に切った形の
透明なガラスケースの中に
小さな羽根のついたモーターと
豆電球だけが配線され
丁寧にハンダ付けされた
小さな機械
....
それとはなしに開いた頁にさえ
俺は持ち前の気難しさでもって憤りめいた落胆を見た
枯渇の森は同時に転用の吹き溜まりでさえあって
足元を、いや脳裏の奥深くを照らすイマジネーションの灯は
既 ....
もろさ隠すような笑顔で「おはよう」を繰り返す2人の瞳は
遠くの景色を映し出したまま
いつか見た夢を叶えたと信じてる
どこか後ろめたさ抱えて信じてる
塗り重ねた甘い日々で見えなく ....
波打ち際は
まるで境界線のように横たわる
砂浜に描かれる風紋も
うねりを繰り返す波も
その姿をとどめることはない
刹那、
わたしはわたしを見るように
視界いっぱいに広がる世界を見 ....
IDとパスワードを決めて
自分だけの小さな場所を手に入れる
自分しか入れない
そこにあるもの
自分が書いた文章
....
{引用=
少年は、真夜中に目が覚めて
自分がベッドでは
眠っていないことに気がついた
ベッドではなく、
床に寝そべって
眠っていたのだ
ゆっくりと
体を起こし
まなこをこすって
....
愛の力で メシ食わせろ
愛の力で 金稼げ
愛の力で クソを出せ
愛の力で 暇つぶし
愛の力で 幸せにしろ
愛の力で 犯罪なくせ
愛の力で ○○殺せ
愛 ....
久しぶりにあったJは
北の都市に住んでいるものとばかり
思っていたが
意外
都内の桟橋に車を止めた
???
はて
この先は海だ
と フェリーのような
車一台の乗る
船が ....
{ルビタイグレス=雌虎}と呼ばれたのだ
その倨傲を無能の輩に膾炙され
あの高音を失い恋人に捨てられ
音楽界からも煙たがられて
「私は用済みなのよ」と
52歳のある日寂しく死んでいた
ディー ....
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