四次元世界に開いた 暗い穴の底で
壊れかけた 電球が
弱々しく シグナルを放っている
都会の駅ビルのフロアでは 乱雑に人々がすれ違っていく
雑踏のなか立ち尽くす私に 気づく者はない
....
雪が降るとき
音はするのだろうか
恋心が生まれるとき
人は耳を澄ますのだろうか
ついに実らないとき
空は 自分の深さに泣くのだろうか
都会の森林公園には
鳩たちが、いっぱい。
ごめんね…。
森や山を
たくさん
壊してしまって、…。
都会の森林公園には
本来の住み処を失った
鳩たちが、いっぱい。
女神さま、女神さま、
梅やら桜、れんぎょう、ゆきやなぎ
春のうちのまだ早いあたりと
もうそれほどは早くないあたりとの
まんなかあたり
咲き乱れるところの女神さま、女神さま、
ぼくは大きくな ....
24日が給料日なのだけれど、
もし、まったく残業がなければ、
やっと生活できるくらいの、
給料だということは、
もちろん贅沢をいえばきりがないけれど、
だいたい、やっとと言っても、
ほ ....
やみのなか
ふこうではなかった
ひかりこそが
わたしたちをくるしめた
あのひかりを
またみたいのか
いいえ
わたしたちは
採石場に行った
一面が雪に覆われて、水星みたいだった
使われなくなったプレハブの鍵を
壊そうとして指を切った
「絆創膏ならあるよ」と自分で言った
雪はまだ降っていて
すり鉢の底から ....
眠ることでなんとか赦されているように思えて、夜はそ
のために親しい。けれども、眠れない夜はいつもやって
きて、私を不安にさせる。たとえば石のような硬さと冷
たさのなかで、それでもふるえながら眠ろ ....
伝えたい言葉があるんだ
愛しい君だけに
「誰よりも 愛していました」
そして 「これからも」
幾度の 涙を越えて
辿り着いた 約束の場所
Message Dear... 伝えたいの ....
明け方、10人目の被害者が見付かった。
大雪で逃げ場のないホテルで、人々は各々の恐怖と
寒さに震えながら戦っていた。
10人目の被害者の名前は、坂上圭子。
ホテルにスキー合宿で来ていた女子大生 ....
つち
などではない
いのちなのだ
ひとすくいの
つちを
すくうために
きみはいのちに
きがづいた
鈍色の空 見上げ
翔びたいって 想ってた
この空の向こうに 君が
居る気がして ただ ただ
窓の向こう 青と白
そこに君が 居るはず なくて
幻想を見つめて 在るはずもない影 追い ....
私は見つめた
考えているとき 私は
私の体を世界全体として強く見た
きっと それは 見えない 感覚だ
異国に旅立とう いつも
伸ばしていく 私は この指先だ
語ろう 私のことを
....
ころんとひとつ
生まれたときも
生きてるときも
ころんとひとつ
ほっといてくれ
なんていうなよ
ころんとひとつ
あつまれひとつ
みんなはひとつ
見てくれ 秒針と分針が絡み合い
朽ち果てた
世界の果ての大きな滝に立て掛けられた 大時計
ぼくはこんなにも矮小だ
聞いてくれ 鳩時計の断末魔
ロックンロール
血圧の上昇には気をつけろ 入浴 ....
「ぶっとび市」というのがあって
白地に赤の幟旗が何本も
雪の壁に並んでいる
二〇一一年二月十一日
町は風が吹いて
人は四方にかしいで
青空が小さな冬の森を翳らせている
何がいやと言って ....
「当たり前」の皮を剥くと
「ありがたい」の餡が出てきた
わたしはその餡だけ食べた
ある日
わたしは餡をこしらえた
一晩水に浸けて
ゆっくりゆっくり煮て作った
傑作の餡を
「当た ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん
聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする
空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
優しくなんかはないけれど
こんな雪の朝は寒かろう
あなたの心も寒かろう
そう想うからこの心も
なんだかきゅうっとなるのです
優しくなんかはないけれど
私の指の動きでも
あなたの支えに ....
けさ
鶯の声をきいた
まだ うまく鳴けない
チョッピリ ハル
と聞こえた
口笛で春を 呼んでみる
チョッピリ ぼくもぎこちない
花の耳をかたく閉ざして
美しく凍えるひとよ
ホ ....
評価されるのが怖いです
褒められるのも、貶められるのも
若い内から楽なことばかり
苦労をしてこなかったのね、と
私を知らない人は言うけれど
その通りです
どんなに苦しいことがあって ....
美化された日々さ
我なりに主なりに生きた
でも
ばっかだあ
熟れ死にの若さ
寝てちゃだめさ
寝てちゃだめさ
久々の日々さ
夢から覚めた その夢も 君 ....
皆 求めていた
この時間
たおやかな時間
ほっとする空間
言の葉を発することを
開店したばかりの
明るいガラス張りの
こじんまりとした
ポエトリーカフェ ....
季節外れの白い落下傘
寂しがり屋が落ちてきた
懐に六花が染み込む
透き通った空なのに
心の突っかかりに似ている
治る手立ては無限対数か刹那か
閃光は何時でも下ごしらえ
落とし所は ....
日が沈むと駅は
生きるものの
蒸れた匂いで一杯になる
人々はそぞろ歩き
鴉が飛んでゆく
何もかもが
草臥れてしまったようで
それでいて
....
久しぶりの君は髪が白かった
最初は帽子かカチューシャかと
一般的な白髪とは違う
老化ではない白髪
「どうしたの?」と聞いたら
「触ってみる?」と言う
優しく触れたはずなのに
パラパラ ....
浜辺に残った砂山のように
簡単に作られ忘れ去られる。
崩されもせずに置いていかれるから
さよならのない別れは
一度の悲しみでは済まされない。
黒い心臓の中心における永遠の別れは何物も意味しない
お前の涙を虹が貫くときつまりそれはあの鳥たちが死に絶えるときなのだが
今日より五倍ほど膨れ上がった欲望が隠された軌道をめぐる
その先端で眠る透 ....
こわれてゆく街のなかで
こわれてゆく耳になって
ぼくは
通りすぎてゆく乾いた硬い音をきいていた
ビル風に
靴とアスファルトの
靴とデパート通路のリノリュームの
靴 ....
音もない暗がりに横たわって
あらゆる感覚を
シャットダウンしようとしても
無にはなれない
手足の在りか
胃臓の満ちよう
呼吸の往復
感受されざるを得ない事々
意識にともなう ....
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