黄昏れた真夜中が
雲に紛れてついた
ため息の水蒸気に
ぼんやりと輪郭を滲ませた
水銀灯の下
ぽつんと佇んで
誰かが来るのを待ってる
寂しげで侘しい
心臓の奥底に潜む
....
誰かの誕生歌と
鎮魂歌が同時に流れる車中で
渇いた舌が沈黙で痺れる
硝子を打つ冷たい雨つぶ
凍結に感染したわたしの横顔は
雲の隙間から漏れる薄明かりの中で
蜻蛉のように
透明にしろく ....
正しくとはいわず、強くいきなければ
強くとはいわず、自分らしくいきなければ
腹を据えてあなたと語れない
早く破れ きたないことばが左右をむいている
私のまま私のまま
流れてくる音を軽々と好いてみせる
あなたの肌を流れる毒は誰のものだ
あなたのままあなたのあたま
心喋るぼたん 敵をうて
....
辿りついて
おもうことは
辿りつきたくなんてなかった
行きたい場所に
行きたいときに
自分で行きたかった
流れついて
おもうことは
流れつきたくなんてなかった
おおきなものが
....
君が腕を切った
赤く腫らして痛い痛いと振り回すので油をつけてやった
君が腕を切った
赤黒い血がほんの少しだけ滲んでいた
瓦礫の下からは
今日も顔のわからない人間が出てくる
積み重な ....
そざつな草むら駆けだしている
雨の窓辺にピアノをたたいている
薄曇りの鏡にあたしがうつっている
夕べは花芯をそよいだゆび
朝には枕にもたれているの
肉の夢をむさぼりみ ....
)たまには違う(世界)を見せてやろう‥と
いやがる(猫)を無理矢理車に連れ込んだ 。
ひとつ先の(公園)で放してやると
猫は一目散に逃げ出した 。
(犬)は主と旅をする
)猫は旅を ....
忘れた筈の歌を覚えていた
一斉に点滅を始める交差点の信号と
無表情なクラクション
一瞬の浮遊から引き戻されて
ステレオから流れる本当の
魅力なんてない
満たされているこの夜は
....
この場合
祈り
とは、どういった理学だろうか
願い?
決意?
誓い?
善意?
舌先で呟くマゴコロの言葉で何が動き
誰が癒され、どの患部が摘出されるのだ?
こうした言辞は心霊治療を ....
きっと風だけが流れていた
プールの彼方に
遠い空の向こう側に
多くのものは そこに 見えなかった
見ることができたのは
寂しさのようなものだけ
私は 夢だけを 思い浮かべていた
きっ ....
きみを雨が縁取る
ごめんなさい
物事には理由がない
セイレーン王は水柩から取り出す
私には理由がない
髪を乾かしながら水を飲む
物事はそんなに単純だろうか?
王と私は?
庭先に造花を植えている母は?
ずっと
....
まつたけきのこ
きのこはちんこ
あのこはおぼこ
ちがでたあそこ
しいたけきのこ
ちんこにまんこ
うんこにしっこ
ひらいたあそこ
おおたけゆうこ
きのこのう ....
どこにでも行けるんだよ
お金はあまりないけれど
どこにでも行けるんだよ
足はちゃんとついてんだ
どこにでも行けるんだよ
あんまりばかにするなよ
なんだって出来るんだよ
お金はあまりないけ ....
一歩一歩
今できることから着実に
積み重ねていく
いきなりてっぺんには辿り着けないから
まずは足元から
足場を固めよう
先が見えなくて途方に暮れる時もあるかもしれない
そ ....
仏像はいつも
右の掌をやわらかな皿にして
何かをはかっている
左の掌を崩れない壁にして
邪念を払っている
日々の出来事に惑わされぬように
同じ姿勢で私も、坐る。
....
三月
去りゆく
悲喜こもごも
ひとりひとりの現実
惨状
寂しく
魅かれあっても
日に日に積もる孤独
さんざめく
都会は殺伐
はかなく割れてゆく片々
さらば友よ
....
さくら、
きみは花ひらき
したたかに水面を染めてゆく
さくら、
もうきみの匂いがする
春が運んでくる
忘れかけていたものたちを
そっとひとかか ....
ねずみおとこ
じまんばなしばかり
ねずみおとこ
でっぱで
あたまの頂点が
とがっている
ねずみおとこ
じまんばなしばかり
でっぱ
でっぱ
ねずみおとこ
じまんばなしばかり ....
地獄絵図だと
思っていた
けれども
いらなかった
ものが
思い出が
拡張されすぎた
たくさんの妄想が
命を追い越して
ここにある
瓦礫が
涙が
これ ....
青い少年が星を食べる世界の中心は緑色の電燈だ。銀河に赤い女が投げ込まれる。ああ主よ主よ毒を!魚が歩いている、平均台の上を。地下室で音がしたのは気のせいではない。食塩でできた砂糖菓子は苦しい。ぼくは、ぼ ....
いそぎあしに みちをゆきすぎる
すべてのひとに はなたばをおくりたい
やまあいからこぼれでるあさひの
まっさらなきらめきを
くたびれてすわりこんだきみにも
あかく あかく
さしのべられるひ ....
いま
おもったことを
もう
おもいだしている
はつこいしたとき
それはすでに
おもいでなのだ
きょうがおわれば
あすがはじまる
いや
そのすきまにこそ
....
聖子ちゃんカットの、
中学校時代のあの子に、
公園で、
今日、帰りがけのぼくが、
ブランコのとこで、
つい、
言えなかった、
あの日言えなかったことを、
なんだか今日なら、
言え ....
空から川へ
融け落ちる途中の樹が
水面で動きを止めている
野のむこう
そぞろ歩きの雨曇
穏やかに酷く
匂いのひかり
壁づたいに
曲がりゆく影
川から海 ....
春のそざつな光たち
ハナミズキが揺れている
思い思いの願いごと
そいつを書いた白い紙
それが枝という枝に
くくりつけられている
風車のようだ
その白が揺れてい ....
しぬために
うまれたのか
そうだわたしも
しぬために
いきてるのだ
そのことが
せめてものすくい
あらそうためでは
ないことが
きみがひたひたに
ぼくをみたす
なでて
ゆすって
さがせないのは
そのぬくもり
ちいさくなって
このてにかえれ
人の世のど真ん中で
花は笑う
自信に満ち
私を見よと
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