フロントにギターケース。
寒さに凍えた午後9時。
中途半端な時間。
電車の音、ゴォゴォ鳴る。
山手線のアナウンスは時々何言ってんだか解んねぇ時があって。
駅名しか解らん。
黄色 ....
春がくると、みんないっせいに
春の詩を書き出す。
夏がくると、みんないっせいに
夏の詩を書き出す。
くるもの、こばまず。
過ぎてしまった季節のことなんて、
忘れて。
さむい間じゅ ....
棺の風呂で呼吸をする
革命児がうまれた 分娩室
「着床したころが懐かしいね」
「枕もとにクッキーを置いて夢をみた人のことも」
直に循環アダプターと排水溝は痩せるのだろう
タナトス ....
限りなくなっていくのだ
地平っていう足場はもうなくなった
息できるけれどここは水中です、溺れます、泳げます
イメージは身体をさいていく
神様ー
なんて叫んでもだめ
一握りの空を降り ....
小さな虫を追いかけて
少年がどこまでも走っていきます
窓の内側でも外側でもなく
ガラスの中に広がる草むらを
何も持つことなく
私はいったい何時
ガラスの中から出てきたのでし ....
「お花見がしたい」
君がそう言ったから、街へ出たんだ。
四月も半ばなのに風が冷たくて、
いつも薄着の君は、
淡い色のストールを身体に巻きつけて、
細い肩を何度か擦った。
かつか ....
正義面をして
弱い人を決めて、悪い奴を決めて
どちらにも心の底から軽蔑をする。
それでも子供はいつか
名前を持たない悲しみに
追い詰められて、
自分を守ろうとするのだから
もう追い詰 ....
ただぼんやりと
気にもせず
いつもの席の
いつもの光景
手元が止まると
眺めるところ
ただぼんやりと
いつもの人が
声も知らない
いつもの人は
姿勢正しく
画面を見つ ....
原発反対と言うデジタルな絶叫の3分の1は原子力で出来ています
3分の1は恐怖と愛で出来ています
残りの3分の1は何となくと言うノリで出来ています
みたいなだらしない冗談が口から溢れ出る
....
春は車で
微風吹く
春の午後
曇り日なれど
折々に、陽は照りて
車は走る
彼女らは
病人の噂する
野山に緑の木々と畑
幸いなり吾らの日々
共に聖書を学び
見あぐれば
白 ....
生まれながらに海にして
私は誰も待っていない
浮かべて揺れる大きさを
舟も陸もが優しさと
讃えはするけど繋がれず
生まれながらに陸にして
私は誰にも出会えない
在り続けるこの風体 ....
幾重にも重ねられた
朝霞の様に
私は青く塗られた
何かが蠢くカンバスに
薄く薄く白を塗る
決して無理をしては
いけない
分厚く塗り込めば
いずれ割れ、剥がれ落ちる
薄く薄く白を塗 ....
くちびるを貸してください
そらの絵を描いてあげる
そらは
すべての言葉がひびくところ
心臓を貸してください
そらの絵を描いてあげる
そらは
....
少女だった私が 紡いでいた唄は
大人になる私に 届かないで消える
全てをもう何もかも 過去にしてしまいたくて
あの頃握り締めていた 嘘を嘘に返し
踏みしめていたはずの 現実は未だ見えず
....
たとえば 会話はキャッチボールなのに
いきなり暴投されたときのひとの戸惑った瞳
それでもボールをひろいに行って
丁寧に返球するひとの思いやり
....
空白の日々
大地は揺れ、海は押し寄せた
人間達は誰一人、抗う術を持たなかった
空白の日々
誰もが一人で生きる事を認めた
そこには表層的なコミュニケーションしかなかった
空白の日々
....
スクリーンの少女が吐き続けている青いゼリーを唯一の光源とした地下室の底を 全身の血を逆流させるようなシンセサイザーの息づかいが 脈々と這い擦っている 水槽に閉じこめられたおまえは ガラスの壁を両手でひ ....
例えの一つ
それは「きみの手が背中に触れる」こと
二つ
「葉桜の下で覚める、今年のつつじの鮮やかさ」のこと
三つ
「平穏の走る音」のこと
雨宿りをしたくなる季節に
置 ....
君の読んでくれた詩、素敵だったよ。だけど僕の心には響かなかったな。君は「他人」のために読んでいるの?
僕には誰もいなかった
いつもそれは 確かなことだった
だけど いつものことだった
僕は場所を探そうとした 君のために
見ている その 風の中ではないものたちよ
だけど かまわない それが 風 ....
節電ムードの中
いっぱいに
電気の明るい部屋で
うたた寝をして
しまった
少しの罪悪感と
安らぎ。
罪悪感は
安らぎを
与えてくれる
貴方の夢を見た
逢っ ....
一年生になった息子が
おねしょした
小学校には
楽しそうに通ってるけど
子供は子供なりに
新しい環境に緊張してるようだ
昨年
死んだばかりの父も
あの世でゆっくり
....
葬儀場では僧侶がお経を唱え
遺された息子と母親はじっと
額縁から微笑むひとに
何かを、語りかけていた
お焼香の短い列に
思いの他早く僕は腰を上げ
額縁から微笑 ....
http://www.youtube.com/user/melonmaeda#p/a/u/0/-V1WgjuIFu8
愛してるくせに
無視してるんだね
リアルな恋は
素直じゃないと
....
文字は重機のように
深く掘り下げるとしても
埋めなくていいのです
さらさらと戻ってゆくのだから
文字はナイフのように
切り裂いてゆくとしても
応戦しなくていいのです
ぴたりとふさがる ....
冬枯れの畑に立って
鯨色のジャンパーを着込んで
二月の夜空を見上げ
父の書斎で拝借した
古ぼけた万年筆を
夜のインキに そっと
ひたし 流れる雲の
切れ端に綴った
あなたへの手紙です
....
あなたが不幸でありますように
あなたが不幸でありますように
心から笑える日なんてあなたに訪れませんように
胸の奥底にはいつでも深く暗い影がさしておりますように
あなたの細い指先はもう二度と何一 ....
何億の
ひとたちの中心軸で
生産される架空のベッド
おやすみなさい
武装を剥ぎとってねむる子供たちを
今夜は守って、
あすには明け渡す
対岸にだれも待たない橋を
壊れやすいのでひとりで ....
「なんでもないよ」
うそやかくしごとには
必ずしっぽをつけて
手さぐりで
さがすから
許しあえないことが増えないように
いつも気持ちよく居られるように。
....
田原俊彦君は、
ぼくの友達と同姓同名だった。
スターだった。
ぼくらはテトラポットで、
いちご味のポッキーをくわえて、
世のはかなさについて語り合った。
ぼくの友達は、
とてもで ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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