地球に空いた穴から あまりに巨大な鯨が二頭
海面抜けて 縦に重なって飛んでいる。
キャンプに使うつもりだったカヌーに乗っている僕は
救命胴衣を付けて 海流に巻き込まれないように 逃げつつも
見 ....
わたしに期待するな
と神様は言っている
いるかいないか解らないけど
そんな気がした
考えたってきりがない事
神様お願い
今だけもうちょっとだけ
....
わざとらしく取り落としてみた銀細工の手鏡が
ナノ秒刻みで空をムシャムシャと食べました
さぁ風の音に添って渡ろういずこ
尖り切った指先は動きをやめたがらないし
きっと数多の紙片が舞い ....
強い風が吹く
重みを無くした僕は
途方に暮れて
空間をさまよう
繋ぎ止めてくれていた
君も僕なんかを
もう見向きもしない
落ちた地面で
非力な僕を見上げて
嘲笑うだけ
....
雲は水でできている
空に浮かんでいる
風に流されている
海から来て
山に引っかかる
雨を降らせる
雷を落とす
人間も水でできている
地を歩いている
群れに流されている
子宮か ....
一日忙しく働いた後
たった五分でも本を読めば
のんべんだらりと過ごしつつ
一日一冊本を読むより
開いた頁の一行が輝くかもしれない
毎日なんにも悩まずに
呆けた顔をしてるより ....
古書店で偶然みつけた
昭和二十一年の「 四季 」という詩誌の
頁を開くと、誰かの髪の毛が一本
栞になって挟まれていた
「 すて椅子 」という題の詩の中で
公園に置かれたすて椅子 ....
牛込神楽の夜に帰りたいと思いました
新宿西口から練馬に向かうバスの中でそう思いました
氷屋がアイシーンと言う煙草を吸っていると言う
笑えない冗談を目の当たりにする下らない日常が
右斜線を通 ....
単身赴任の父ちゃんが、
短期休暇を貰って帰ってきている日、
ぽつり ぽつり と温かい犬が降ってくる
灰色の空から降り落ちる黒い雨とは好対照に、
青い、とにかく青い空から、
主に茶色、のコーギ ....
ウッピーヤッピーハッピー
前進あるのみ
困難に立ち向かい
運を味方につける
腹に力を入れて
踏ん張る
背中から炎が
揺らめく
理系は中身で勝負!
若いうちは体育系
中年は文 ....
胸が痛いのに
胸のありかがわからなくて
ところどころに穴のあいた
記憶の袋をさがす
堪忍袋が破れても縫え
破れても縫え
そう書かれたお寺の黒板
ながめてあきれてた
制服の私
....
平野に拓き敷かれた田園を縫う
屏風状の防風林や団子状の間伐林
赤屋根のサイロや家畜小屋
立ち停まって修めなければいけない
長い時間を内包する風景を
すっ飛ばして疾走する旅行者の
過ちの時速 ....
ロッピーありますかロッピーはお持ちですか?って毎朝毎朝うるせぇんだナチュラルローソンの山下(キレイ系かつコワイ系。もし結婚とかしたらこづかいの最後の一円 ....
クラウディ
きみのなをよぶ
ひとのように
いのちのように
あめがふりそうな
そらはいつも
クラウディ
ぼくのなをよぶ
橋の上で兄は星を数えていました
すぐ横で私は橋を数えていました
星は数えきれないほどたくさんありました
橋は私たちのいた橋ひとつだけでした
何度数えてもひとつでした
それが兄と私 ....
最近入店した笑顔の素敵な男のひと
洗い方は丁寧なんだけど
細長い指先からほのかにただようタバコのにおい
最初は気のせいかと思ったんだけど
どうやらそうでもないようで
せっかくのシャンプー ....
ネギのみどりが並んでる
稲の子どもも並んでる
人のつくるものは
やっぱりきちんと並んでる
てんでに生えた
雑草の花は
すきな場所で咲いている
私もすきにみている
今日は晴れの春 ....
人影のない交差点 繋いだ手を静かに離した
黄昏に染まる街の中で 僕は一つ嘘を吐いた
寄り添い歩く二人の影はいつの間に長く伸びて
気付かないふりをしてただけ でも本当は分かっていた
....
あらゆる事象は往々にしてひとつの地平に閉じ込められる。
*
時間に切れ目を入れるようにして生活が綴じてゆく。
*
猿の脳みそを吸いだした。
*
斜視の女が窓のす ....
さいごのロボット
僕は生まれた 世界が終わった次の日に
きっとそう プログラムされてたんだと思う
壊れた研究所で 目を覚ましてすぐ歩き出した
きっとそう プログラムされてたんだと思う
....
アールグレイの薫りが
そこはかとなく漂う部屋に
雨のそぼ降る初夏の午後
「水にならなければいけない、氷になるため、黒い液体の注がれた水槽に、地球は浮かんでいて、回転すると、ぬれた部分が夜になるから、ここで、産んでもいないのに死んでいて、生まれてもいないのに殺されていて、わ ....
きみの投げた小石の波紋は小さい……のかも知れない
ぼくの発したひと声は
きみにとっては不可解……な言葉なのかも知れない
輝ける明日なんか来ない……のかも知れない
きみの涙はたったひ ....
遠くの岸辺を見つめていた
それが美しいと思って
そうやって この岸から かの岸へ
水辺の鳥にまたがって旅人となる
近くの岸辺を歩いていた
ここが息苦しいと思って
そうやって この岸から ....
今はね
ヒトノチカラを
信じてみようと思うの
これまでは違っていたけれど
そうしたら
変わると思うの
この空気の流れも
何かと一緒に
はるのあらしが
ふきあれている
まだなまえのない
そらがつちを
かみなりでおどし
かぜでまきあげても
いのちないものが
なおここに
語り無し
愛想無し
希求無し
まよいご
ちっぽけ
へたくそ
鍵の中に封じ込めたすべて
遠のいた視力では
なかなか捉え得なかったも ....
ブルー!
ブルー!
ブルー!
なんて見事な青一色なのかしら!!
最近では稀なほど
こういう時は
お外に出たくなるわね
何も考えないで
人目も気にせず
走り回ったりなん ....
宵の頃から明け方まで
天の雪が静かに降りて
町ぜんたいが真っ白な
画布(カンバス)でおおわれる
朝になれば
小さな者たちが
家々から画布の上へと
皆いでて 息を吐き
それぞれの絵を ....
手を伸ばしても届かないって識っているからさ
ちょっとだけ黙っててくんない?
頭も良くないし、
難しいことから逃げんの得意だけどさ
とりあえず諦め悪いんだよね
手を伸ば ....
2988 2989 2990 2991 2992 2993 2994 2995 2996 2997 2998 2999 3000 3001 3002 3003 3004 3005 3006 3007 3008 3009 3010 3011 3012 3013 3014 3015 3016 3017 3018 3019 3020 3021 3022 3023 3024 3025 3026 3027 3028
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.69sec.