いつか僕も額に収まって陽当たりの良い部屋の隅のタンスの上かなんかで、
にっこりと微笑みながら、君の話を聞くのだろうね
そんな頃には、娘達の髪に白い物が混じり始めていれば良いなと思う ....
初めて眼にした君は、光と影の交差する部屋の真ん中で、その境界線の上に静かに佇んでいた
睨みつけるような強い眼差しで世界を覗き、
自身を視線に込めて問いかけるように、促すよう ....
コーヒーがcoffeeでもなく珈琲で
カフェがcafeでもなく喫茶店で
レトロなものがハイカラだった頃
右肩上がりの時代はもう終わってしまったのか
無気力を必死に押し留めようとしながらも
....
人には領域が必要だろう
いきいきと動くには
それぞれの空間が必要だ
それは実はとてもデリケートな空間で
ある人には静寂だし
ある人には喧騒だ
人にはタイミングだって必要だろ ....
どこにでもある平凡な幼稚園に
桃色ペリカンが園庭に降り立った
言葉が話せなくても
心と心が繋がっている
電車の連結のように
桃色の背中に園児の両手が
園児の背中に園児の両手が
ド ....
薪を焚く煙の臭いが開け放たれた窓から侵入する
逃走中の強盗犯は、昔よくいじめた級友の家に匿われていた
時計の針の動きが残酷すぎる午後六時
「せめて終わりから始めようじゃないか」
「小さな眼が点 ....
ーー僕は出かけるようになりましたーー「美ちなる方へ」
僕は出かけるようになりました
いつかやって来た過去から
明日分からぬ未来へと
僕は出かけるようになりました
明日が分からぬから今日が ....
ゲームはおしまい
うちにかえって眠らなきゃ
きめられた腕のなかで
いつも通りに
それがどんなに退屈でも
ゲームはゲームでなきゃならないよ
気になるあの子からもらった
角が二箇所内側に折られた
秘密のお知らせ。
開くのが惜しくて
放課後でもまだ読んでいない。
カラーのポールペンで
まるっこく書かれた ぼくは
色合い綺麗で
....
友人に家まで送り届けてもらった。車から降りると、
ヘッドライトが照らしていたのは
大きな一匹のカニで(近くに水場もないのに)
口から泡を吹いていた。ちょうど二時間前には
男も口から泡を吹くくら ....
日本人は法律や規則で縛られているから自由な発想をすることができないのだ。一度そういったものを粉々にしてから行動を練り直すことができないものだろうかと思う。我々を縛り付けているものは想像しているより ....
今、決めたんだ。
くしゃくしゃ考えて
つもり積もった思いがある。
深い地底の奥底から
突然地上にでてきたようだ。
お日様の力も借りた。
何もかも、決めたんだ ....
俺は今日も理由も目的も展望も持たない野良犬だった
のようだったと書かないのは比喩でないからだ
一生懸命ローソンの駐車場で数十分かけて書いた詩は
肉球でたどたどしく ....
トラックひとつで
このまちにやってきた
そうじきがいるかいらないかで
ちちとははで
もめていた
ははがないて
そうじきは
とどけられた
あのそうじきが
いまは ....
「扇状地の地層が出ました!」土木技師が言う
「へっ?」
「いいですか、そのオタマジャクシのような目をおっぴろげて
向こうの山をよーく見なさい。谷の出口があるでしょう
あそこから溢れた水と砂 ....
今日はお祭りだ
ワッショイワッショイ
ピーヒャラ
トントコ
心も浮き
興奮する
なにか
いい気持ち
時間はゆがみ
異質な感情
疑問が解ける
心がつながる。
花火がき ....
シンデレラ
トンデレラ
シンデイラ
ツンデレだ
カボチャの馬車に
乗って
クリスタルのヒール
履いて
手をとり
噴水に案内する
アトラスは
柱を支えていた。
ドイツ語で
石段を数える
男の子
かわいい
カエデの薫る風
洗濯物は乾き
インクは倒れ
一面真っ黒になる
おべっかつかう
母親
なにもしない
父親
薔薇紫のたそがれに染まる街
六月
ずっとひとり透明な気持ちで過ごしてきたけど
誰かを待ってるような気にさせられる
むかし好きだったうたをうたいながら
誰かを待ってるような ....
拭われた水滴
頬が赤い
水玉の吹きだまり
感染する温度
抑揚の無い
淡々とした温度
冷たさの一歩手前
温もりの失われる時
塊は
いつの間にか
融けている
高鳴りは
いつ ....
前に人から聞いた接客の話
コンビニに行く客は店員に無関心を求めるのだという
だからやたら愛想のいい人よりも
少し無愛想な人を雇う方がいいそうだ
(コンビニバイトの面接で愛想がないと落とされた彼 ....
かれしがいるおんなに
だいすきですと
いって
どうするのか
わかれないのに
たこのさしみ
を
さかなに
じんじゃーえーるを
のんで
高速道路を使って君に会いに行く
制限速度を少しだけオーバーしているこの気持ち
会いたいと思ったら直ぐに会いに行く
お金を払って少しでも一緒にいられる時間を買う
....
{画像=110417071821.jpg}
光りのない浜辺を一人で歩いていた
打ち寄せる波は果てしなく
足下は脆くも流れて行く砂の水際だった
遠くの町の灯りが水面に
煌めきを残し ....
見透かされるわ
欲望を
潜在意識に
秘めてある
自分のための
ためだけの
秘かな遊びを
開いたら
そっとフタして
閉ざしましょ
いつか誰かが
気づくまで
そっと寝かせ ....
日曜日、
くさかんむりの広がる野原で
ピクニックをする
あなたは適当なところに
持ってきたもんがまえを敷いて
ここに座りましょうという
おべんとうよ、と
....
洗濯物を畳む
隣では母が洗濯機を畳んでいる
自分で洗濯物も畳めないほど
すっかり老いてしまった
母は工具等を手にしながら
ここはどうするの
と時々聞いてくる
面倒くさくて ....
女の子がさみしがるのは
しかたない
身体の真ん中に
おおきな空洞があるし
男の子が暴れん坊なのは
しかたない
身体の真ん中に
収まりきらない剣があるし
ふたりが組み合うのは ....
いち、にの、最初の詩人は、最初の主観で書いていたらしく、それは例えば、
「透明できれいなコップが、清潔そうで私は好きです。」
書くことは、つかんだ糸をはなさないように手繰りよせながら、森の中 ....
手を伸ばしても届かない
何万光年も離れた星
手を伸ばせばすぐに届く
ベッドの横の小さなスタンド
必要なのはあかり
光じゃなくあかり
手元が見えればそれでいい
一人きりでス ....
2960 2961 2962 2963 2964 2965 2966 2967 2968 2969 2970 2971 2972 2973 2974 2975 2976 2977 2978 2979 2980 2981 2982 2983 2984 2985 2986 2987 2988 2989 2990 2991 2992 2993 2994 2995 2996 2997 2998 2999 3000
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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