馬面の犬が
馬なのか犬なのか
誰にもわからない
郊外をギャロップで
駆けていく
{引用=きみがそうしている間に、またたく間に、陽はおちて闇になる
傷んだ毛先だけをきるように
きみのことも切り落としてしまえたらどんなにいいだろうか
睫毛にかかる前髪がもうすこし伸びたら
....
死ににいく気は無いけれど
だんだんこの身は朽ちていく
日毎にガタつく体を持って
私は少し佇んだ
その折偶然あなたに会った
あなたは障害を持っているのに
生きている事を全身で ....
向こう岸に星が落ちた夜
胸の前で手を合わせて祈る僕に
悲しい報せが届く
さそりの赤い星は
あんなに美しく輝いているのに
ついに君の嘘が
真実になることは無かった
この悲しみを ....
目の前の人は
下ばかり向いている
私は
伸びすぎた爪をいじったり
髪を触ったり
挙句のはてに
することがなくなって
ほろっと涙をこぼしたり
していたけど
目の前の人は
下を ....
空から舞い降りたまま
天使は居眠りをしてしまった
公園の片隅のベンチで
遠い街のざわめきを子守唄にききながら
自分が誰の子供なのか夢のなかで
思い出そうとしていた
噴水のある公園は
なつかしい匂 ....
逃げ場をなくした熱気が
重く澱んでいる夜の底で
線香花火に火をつけると
涼やかな光の飛沫が
覚めやらぬ地面にほとばしる
しつこく素肌に絡みつく
湿り気を含んだ風の端に
弾き出され ....
アスパラに絡まる首飾り
ねぇ ねぇ 構って♪ と
笑いながら 近寄る
少女のよう
近所の住宅地も 昔は空き地で
草ボーボーの 遊び場だった
擦り傷に効く 魔法の葉っぱ
....
{引用= 夏祭りは静かなの。太鼓と囃子と人の声とで、耳
には暑い夜がぎゅうぎゅうと詰まっている。唇の動
きが形づくる。視線だけが傷をつける。夏祭りは映
像的ね。あなたの心 ....
降る傷
金の跡
午後の塵
地に空を作れずに
空の径やはじまりや
辿れないものを辿るとき
警告は来て
河口に置かれる
光の原をゆくものの
隣の闇を歩むと ....
ちーちゃんの誕生日の朝
いつものように洗濯機のスイッチを入れる
昼前には電話をしよう
生まれてきたことをお祝いする日だ。
ぽかんと夏空がおおいかぶさり
蝉は式典に関係なく鳴き ....
きょう、一日
ジャンプを読んでいただけだった
雨が降っていたし
だれかに会いたくなかったし
馬鹿みたいだ
本棚の辞書をひけば
こんなにも近い ....
感情の変化があって
崩れた形が穏やかに丸まる
雲の糸が矢のように走り
ときどき狼などが鳴いたりして
奇抜な明るさだ
刃物のように全身が透けて見える
妖艶さは封印され
風が血の臭いを運 ....
朝がやってきて、俺を食った。俺は神を見上げて呟いた。「お前がこうしたのか?」「お前がこれを指令したのか?」と。神はひとつにやっと笑って「そうだ」と大気に呟きかけた。それは雨となって俺に降りかかった。「 ....
着信音
淡いブルーの光
点灯
はい、もしもし。
駅前の大通りで
時差式の交差点で
地下街へと降りる階段で
すれ違う
たくさんの人たちは知らない
私がこ ....
がらんどうの僕の胸に
柔らかにきみがふくらむから
メールではなく
涼しい便箋の手紙を送ろう
ああ、住所をしらない
しらないから
ギクシャクしちゃう
もっと練習しておくんだった
いろ ....
あなたが
あんまりにも
潔く笑うので
わたしの胸に
轍ができた
そうしてそのうち
深い森になった
ピルキュルと
遠く鳥の飛び交うのを聞く
重ねて飼い犬らの間歇的な
へだてて呼び合う吠え声が
窓は笛の穴ともなって
聞かせるつよい南風
〈なにものでもない耳の人間〉
例 ....
にゅうどうぐもをみて
しょうじょはいった
みんな
しんでしまったんだ
なにとみまちがえたのだろう
しょうじょもまた
そらたかくきえていった
ひつじぐもがうまれるこ ....
かんぜんたいは
ありとあらゆる
条件を
かね備えて
きぜんとしている
が
唯一だから
さみしい
というおもいを
知らないでいる
ふかんぜんたいは
ありとあらゆる
条件が
あり ....
大阪は通り雨が激しかったけれど
折りたたみ傘を持っていた
それを微笑みながら商談していた
あなたにあんな暴言を吐いたのに
あなたからの着信を見つけると
我慢しきれない ....
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく
夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所
朝の優しい静け ....
繰り返される日々の只中で
長い間{ルビ蹲=うずくま}っていた私は立ち上がり
澱みきった自分の姿に
力一杯ひとつの拳を、振り下ろす。
言葉にならない叫びが
青い空の鏡を、震わせる ....
一日の仕事を終えて家に帰り
コンセントの穴から
線をつないで
充電器に、電話を置く
旅先の長崎で出逢った
お爺さんがくれたマリアのメダイを
両手に包み瞳を閉じて
僕はソ ....
目をとじて
しずかにとじて
名前を思い出しなさい
あなたが
その目をあけたとき
そこにいてほしいひとの
名前を思い出しなさい
それが出来たら
独りぼっちはもう終わり
....
またやってしまった
自殺するしかないようなことなんて
そう滅多にあるものでもなかろうに
またやってしまった
心をください
生きていることが
夢見ていたことと
....
馬の背に乗り駆けるは姫か
囚われの君そなたはおのこ
牢獄の窓には月が射し
枷を鳴らしてうずくまる
姫は剣を携えて
光る光る蛍の様に
向かう先には地獄があるか
だが
駆け ....
....
俺よ、この世の汚濁よ
ビルを探せ
階段を見つけろ
屋上にたどり着け
そこから身を投げろ
コンクリートに散れ
俺よ、この宇宙から消滅しろ
神聖な書物
めくり読む君
精霊か聖母か 目に映る
ゆっくりとページを閉じた
僕にほほえみかける
恋に落ちていたことに気付いたけど
手遅れだ
熱い思いに神も人間もない
等しく悩む神聖な感 ....
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