会社の大会議場のお客様控室に
ちょっとアンティークなドレッサーがある
清掃に入ると鏡を拭くついでに
ヘアスタイルを確認したりしてしまう
くもりない三面鏡が私を映す
一面に ....
君は丸いうさぎ
丸うさ
タヌキみたいでかわいいよって
いっちゃったけど
タヌキを目指すのは違うんだ
お腹を叩いたり
ちょうど良い葉っぱを探したり
キツネに会っても
勝負しち ....
灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で
六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
....
線で満たされていく
形ばかりの電話帳と
電話帳ばかりの形
ただ笑い続けるコップが
羨ましかった
助走
午後に向かって
身体や言葉から
剝がれていく
ちぐりすからの手紙が届く
....
雨上がり、片足の鳥はしっとりとした
青い匂いに近づいてくる
昨日と星を糸に結んで
夢を夜空を浮かべている
爪先には
赤い月が撓んでいて
その下には時が這いつくばっていた
廃線の駅にも ....
こんにちは海の向こうの友達
あなたと手紙を交わした7日間のことを今
考えています
あなたの
妙に説教くさいところ
綺麗事ばかり言うところ
ロマンチックなところ
納得できないことばかり ....
スコーン
スコーン
コイケヤ
スコーン
スコーン
スコーン
コイケヤ
スコーン
カリッと
サクッと
美味しい
スコーン
カリッと
サクッと
小池泰子
速度0から
バスがゆっくりと動き出す。
時間は命だ。
そんなのは嘘だ。
ただ、私は時給0円で待っている。
家につくのを。
景色が展開する
街が離れる。
ごちゃついたものが
夜 ....
夏の昼間の空は
澄んでいて
空っぽの
わたしの頭のようだと思う
どこまでも青くて
遠く冷たい宇宙と
頼りない月に
手を伸ばしている
呼吸も
愛情も
欲望も
暑くて仕方ない ....
「行かないで!」
後ろから抱きついて
俺がリングへ向かうことを
止めようとした
おまえの胸が
あまりに
あまりに
貧乳過ぎたので
リングで俺を待っている
ホセ・メンドーサよりも
....
漲る力よ、
力に潜む自我よ、
私よ。
夢の浜辺に横たわり
黄金の日の出 仰ぐ
あんなに懐かしかった
潮の香り 充満し
炸裂する 瞬間
夢の浜辺に
覚醒の到来し
見開く眼よ、 ....
曲げた躰をハートの形に触れ合わせ
あおく短い空を翅ごとに掴む
(静かに震えながら)
何を見ている
何を感じた
(水と血が滲じむと)
小川に沿って気流が乱れ
深い茂みが盛り上がる度 ....
できそこないのぼく
アールグレイ、アールグレイ、
アールでグレイな気持ちだよ
薄暗くて
すこしかなしい
ここにいちゃいけないのに
ここにしかいられない
すこしかなしい が
膜を張っ ....
君達はすべてのものに、ほんとの社会の窓を
開け放つために生きている。それを抑えつけ
る、真実のない化け物たちに立ち向かい。
ふたつの気持ちが重なって消えてしまうこと
はよくある ....
○「人生」
生きている間は
自分の人生が確定しない
死んで初めて自分の人生が
どういうものであったかが確定する
だから人は
最後の最期まで
しっかり生きなければならない
しかし
人生 ....
空っぽのランドセルに
かなしみをカタコト鳴らしながら
工事現場は夕暮れの渦につつまれる
瞳が裂けた子をひとり
ひかりの膜にとり戻す
想像上の友だちは
会いたい気持ちを反故にさ ....
流れ星が消えるみたいに
僕の言葉は見えなくなった
真っ黒な人の形をした影が
こっちを振り向いたような気がした
遠くの方で爆発音
そして影はあるき出した
夕暮れの中の一瞬の出来事
....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ
どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ
雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ
空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
自称詩人になりたいから
自分の母親を殺して
バラバラにして
その一部を食べたという
女が逮捕された
別に自称詩人には
猿でもなれるのに
何を勘違いしたんだろう
自称詩人の死肉を喰ら ....
勃起しっぱなしだから
ぺニスケースが必要なんだって
だから十代の僕には
ぺニスケースが必要だったんだ
でも今の僕には要らない
もう要らないんだ
どんなにグラマラスな女性を
そ ....
一日の始まりに純白のハンカチーフ
貴女は行ってしまい置き去りの私
名付けることで世界は発見され
名付けられて世界在り当たり前に
奏でられるサウンド謎のノンセンス
なぜ空気の振動サウン ....
午前七時三十七分発の電車に乗りたくて
はや足で のぼる小路
それでも
目の端がとらえてしまう 小さきモノ達よ
短くなったタバコの吸い殻
路面にひろげられたまま貼りつく ....
小さなグラスにウイスキーをなめなめ
夜更けて
行くのを知る
そういえば私の影は何処へいったでしょう。
「探しにでもいったのでしょう。」
あら、何 ....
あっち向いて ホイ
ウチ見て ホイ
なんでそちらを向きはるのかしら、いけず
目の前に一本の道が現われた。
この道を行けば、海に出る。
ほら、かすかに波の音が聞こえる。
見えてきた。
海だ。
だれもいない。
天使の耳が落ちていた。
....
青ぞらの日の、
雑用のつみかさね、
フォークリフトに雑巾をかけ、
ゴミを拾ったり、あるいはホウキで掃いたり、
している、
どこか緩慢な、土ようびのしごと、
けれども思いのほかいそがしい、
....
吾輩は猫ニャンである
親分が
まだ目も開いていにゃい
吾輩を拾ってくれたのである
親分の手のひらよりも
まだ小さかった頃
もうすでに吾輩は
親分の枕で一緒に寝ておった
ある夜
....
すっかり夜だ
カーテン開ければ
満月輝く 白く白く生照らし
円かな輪郭保ち柔らかな光にて
どろんと赤々地平に昇るその巨大忘却させ
(それは死そのもの だった)
死は生に付き纏い
....
いい街だ
いろいろと建て変わったし
交通上便利だし
人は集まるし
美味しそうなお店もあるし
ファッションは溢れてるし
駐車場だけ
あと駐車場がキレイになれば
この街は完璧だ
駐車 ....
小鬼らの足あとに少女もはだしを載せましたら
堪えきれない心が蒼へと染まり
瞳に映らなくなりました
そこから見えますか
少女の唇が呼ぶ雨と
少年の肩を締めつける光
そして間 ....
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