真っ暗闇にひとりぼっち
真っ白けの霧にひとりぼっち
真っ赤な傷口にひとりぼっち
真っ青な空のしたにひとりぼっち
いちばん辛いのは
真っ暗闇にひとりぼっち
真 ....
部分を分けているのに
使いすぎた輪郭が火照りました。
(森は緑と言う人)
そうです
私は眺めていました。
緑の部分は、私にとっては森なのに
誰かが入ってきて
たまに緑が赤らむのです。 ....
窓からさぁと風が入ってきて
部屋を黄金色でいっぱいにしたと思ったら
すぐに出ていってしまって
空気が嫌に肌にまとわりついた
自分独りの空間が息苦しい
これが黄昏と ....
痛いくらいに綺麗な満月の夜に
私の心は蒼い魚になって
涙の海を泳いでいく
いつになったら 追いつけるのかしら
ゆらゆら映った満月を
手のひらですくって思う
今朝、
僕が目覚めたところは
朝靄に包まれていた
どこだろう
鳥の声ははるか向こう
身じろぎもせず
大きなかいぶつが立っていた
僕の体 ....
例えばこの手が動かせなくなった時
わたしはあなたに触れたくなる
例えばこの足が動かせなくなった時
わたしはあなたに会いたくなる
例えばこの耳が聞こえなくなった時
わたしはあな ....
二進数のボールペンを壁に突き刺して男は唸り続けていた。
網笠を被り書こうとした想い人の名を「まままままままままままままま」で消し去る。漆喰の、ユーラシア、ベツヘレムが蜃気楼する。吐息は荒くはない ....
まっしろなひかりと
吐く血の赤の
混じりあうところに
のみこまれるようにして消えたい
16グラムの毒を
透明な真空に溶かして飲みほしたら
色褪せてしまうことばは
もう必要ないから
....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ
出窓からは朝の港町の風景が広が ....
紅鶴をご存知だろうか
災厄という災厄を一気に引き受け
苦笑いをしている
あの嫌な鳥である
この鳥はしかしなかなかに美しい
羽など一枚も生えていないし
尾もない
何よりこの鳥には頭部が ....
真上には晴れ
薄い薄い屋根に薄い薄い体で
平和の雲が空に浮いていた
それをつかむことができた
こっちにある
こっちにある
熱い熱い屋根に熱い熱い体で
あからさまな光にふてくされな ....
白兎は視界から消える
羞恥にまみれ、しかも無防備に
何も見ていない兎の目
盲目の充血が痛ましく雪原に消える
去った後に残されたもの
汚された雪
汚らしい食い残し
おびただしい丸い糞
....
素晴らしく良い物を見た時の
今なら何にだって感動出来そうな
道端の花にも 空の雲にも
花に止まる虫にも 夕立にも
体が欲している 涙を 動きを 震えを
....
納豆を食べる
納豆を残す
納豆を生ゴミへ捨てる
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆の容器を洗う
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆を拾う
こびりついた葱を捨てられる ....
もし彼が待ってくれ
と言われても
私は旅立つ
もううんざりなの
安い香水をつけて
安いイヤリングして
安いバーボン片手に
安い高速バスに乗る
信じた私が馬鹿だった
のんびりし ....
はやる気持ち
中身を空けてみたい
食うか食われるか
開いてみないと分らない
引っかっかっている
命綱が頼りである。
もし綱が切れたら
一巻の終わりである。
言えない言葉
言え ....
電車に揺られ
煙草を吸い
ワインを飲み
つまみを食う
旅は長い
リュックを背負い
遠き道を行く
映画のようだ
信じる事を
諦めないで
愛する事を
止めないで
震える
この心で
大地を包めたら
どんなだろうか
犠牲者の思いを
碑に刻んで
心に刻むには
重すぎる
痛すぎる
抱えきれないから
祈り
鶴
祈り
....
きのうは
鯛や牛肉をたべ
上等の酒をのみ
なめらかな衣服で
わらっていた
わたしが
三秒に一回
情事を思い出すことが
いけなかったとは
思わないけど
その考えが
救済のように思え ....
おどろくほど小さな空間におさめられているわたしの心臓
鞄ひとつの荷物も滑稽におもえるほどに
それが
あなたの腕のうちにあって
はじめて機能するなんて
わたしがいつでも捨ててもいい ....
整列する人の群れ
視線を避け動き回る目とうつむくつむじ
肩車に疲れた身体を寄せ合い、互いを委ねているのか。汗を擦り付けているのか。
手を垂直に伸ばしたところで、いまだ雲すら掴めない。
地平 ....
? 目覚め
「いい加減にしろよ田中。そんなお前見たくねぇぞ」
今朝も俺を説諭する友人、工藤の夢で目が覚めた。
俺は田中じゃない。
? 山本または山室
「ゴゥ、ゴゥ、ヤマモロ! ....
俺達のことを誰も知らない
俺達は誰よりも弱い
俺が蹴っているこれよりも弱い
生きているか死んでいるかはどうでもいい
他人なら尚のこと
俺達は過呼吸すぎる
もっとひっそりと静かに佇むべき ....
希望の光だった
僕は それを ああ 流れる 何かを 見た
遠くに光り輝く太陽の風の中で
僕は それを 見た
だけどそんなものなど わからなかった
僕は女にされてしまうのかもしれない
....
「私」のことを誰も知らない。
植物になった私のことを誰も知らない。
金属になった私のことを誰も知らない。
空気になった私のことを誰も知らない。
階段の二段目に落ちていた写真。
溶解炉からゆっくりと流れだしてくる
ついさっきまでなにかであったさまざまなもの
強い熱が視界をうねらせて
喉を焼く臭いは断末魔さえサイレントに踊らせる
きみの手を取り世界の線路の上 ....
炎天下を汗だくで歩いて
デパートに入ったら
ひんやりとして、幸せだった
しばらく涼んでTシャツの腕が寒くなり
外へ出たら
暖かくって、幸せだった
人の幸せなんぞというも ....
サロモン氏の邸宅は
六丁目の外れに在って
近ごろ稀な和風建築
サロモン氏はインテリ外人
がえてしてそうであるように
日本人より日本がお好き
それでお宅も純和風
白い土塀の棟瓦、数寄屋の門 ....
少年の頃
食物をせっせと運ぶ蟻さんを
踏んでしまい
何故か無性に、胸が痛んだ
大人になった今
嫁さんは家の中で虫をみつけると
つまんで窓外へ逃がすので
僕も見習い、ある ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって
塀に、張りついていた
通りすがりの僕は
(君は退屈そうだなぁ・・・)
と思ったが
ちょっと待て ....
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