きのうは
鯛や牛肉をたべ
上等の酒をのみ
なめらかな衣服で
わらっていた
わたしが
三秒に一回
情事を思い出すことが
いけなかったとは
思わないけど
その考えが
救済のように思え ....
おどろくほど小さな空間におさめられているわたしの心臓
鞄ひとつの荷物も滑稽におもえるほどに
それが
あなたの腕のうちにあって
はじめて機能するなんて
わたしがいつでも捨ててもいい ....
整列する人の群れ
視線を避け動き回る目とうつむくつむじ
肩車に疲れた身体を寄せ合い、互いを委ねているのか。汗を擦り付けているのか。
手を垂直に伸ばしたところで、いまだ雲すら掴めない。
地平 ....
? 目覚め
「いい加減にしろよ田中。そんなお前見たくねぇぞ」
今朝も俺を説諭する友人、工藤の夢で目が覚めた。
俺は田中じゃない。
? 山本または山室
「ゴゥ、ゴゥ、ヤマモロ! ....
俺達のことを誰も知らない
俺達は誰よりも弱い
俺が蹴っているこれよりも弱い
生きているか死んでいるかはどうでもいい
他人なら尚のこと
俺達は過呼吸すぎる
もっとひっそりと静かに佇むべき ....
希望の光だった
僕は それを ああ 流れる 何かを 見た
遠くに光り輝く太陽の風の中で
僕は それを 見た
だけどそんなものなど わからなかった
僕は女にされてしまうのかもしれない
....
「私」のことを誰も知らない。
植物になった私のことを誰も知らない。
金属になった私のことを誰も知らない。
空気になった私のことを誰も知らない。
階段の二段目に落ちていた写真。
溶解炉からゆっくりと流れだしてくる
ついさっきまでなにかであったさまざまなもの
強い熱が視界をうねらせて
喉を焼く臭いは断末魔さえサイレントに踊らせる
きみの手を取り世界の線路の上 ....
炎天下を汗だくで歩いて
デパートに入ったら
ひんやりとして、幸せだった
しばらく涼んでTシャツの腕が寒くなり
外へ出たら
暖かくって、幸せだった
人の幸せなんぞというも ....
サロモン氏の邸宅は
六丁目の外れに在って
近ごろ稀な和風建築
サロモン氏はインテリ外人
がえてしてそうであるように
日本人より日本がお好き
それでお宅も純和風
白い土塀の棟瓦、数寄屋の門 ....
少年の頃
食物をせっせと運ぶ蟻さんを
踏んでしまい
何故か無性に、胸が痛んだ
大人になった今
嫁さんは家の中で虫をみつけると
つまんで窓外へ逃がすので
僕も見習い、ある ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって
塀に、張りついていた
通りすがりの僕は
(君は退屈そうだなぁ・・・)
と思ったが
ちょっと待て ....
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
身体の中でボタンが押された
大きな力に
選ばれるのを待っている ....
塔
君はまだ
この街の謎に気付いていない
誰かが言った
この街は誰かが見ている夢で
目覚めたら
消えてしまうんだと
途端に
僕の体は透けはじめて
今じゃもう向こう側が見える程
....
素直がいいって言われて
月に相談したけど
かたちを変える月は
黙って去っていった
明るくなれよと言われて
太陽に相談したけど
いっそう強く燃えて
はねのけていった
私の今は
....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める
逃げ出すための
手段としては ....
信じられない
から
始まるモノ語り
名作とか偉大とかが
どうにも理解できずに
誰にもならいたくない
イマ
ココ
の
ココロを
拾う自分は
内側へとすすんでいく
かろうじ ....
汚れている
唾から、
細菌が見つかる
手の平に、
零れ落ちる
ほろほろと役立たずに
いびつな皮膚が、
落っこちている
ふやけて出来た凹凸が
小腸の柔毛のように
吸収している
....
あなたに
会いたいとしたとき
埃にまみれた軌跡は
食卓に
あがるだろうか
聖歌を
子どもが泣くことのない世界を
ぴかぴかの台所と
童謡を
....
むかし虫は友達だった
ダンゴムシ、トンボ、ミノムシ、カブトムシ
モンシロチョウにアゲハチョウ
トノサマバッタにショウリョウバッタ
アマガエルにアカガエル
ミンミンゼミにアブラゼミ
クマゼミ ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
※
男のひとは女性の下着に恋するものらしい
くしゃっとした
小さな布切れなのにね
でもそれは男の ....
いのちにあらわれる
きけんなものはいろにあらわれる
おとに
かなしくなるとねむたくなるねん
すいがらすてるやつ
そうなりたいそうでありたいそうってなに
ねころんで扇 ....
伝えにゆくだけなのに
なんでこんなに悲しいんだろう
たとえば愛人の
ドアノブにぬいぐるみとゼリーをかけた
伝えにゆくだけなのに
なんでこんなに悲しいんだろう
ひとり ....
岩をめぐる路
月もまためぐる
ひとつめぐるたび
消えては現われる
つむぎ 投げ出し
雨が持ち去る
夜が来ても
暮れのままの息
雨の手足
屋根の ....
昼間の影絵を見つめていた
虫が永遠を啼いている
記憶が引きずりこまれてゆく
風が永遠を吹いている
ひかりに熱が溶けてゆく
あなたに会うまえの幸福だった
そう、
不確かなんだよ。
君はそう言って
だから何度だって重ねなきゃいけない。
とつよく呟いた
それが
あの日の夕焼けのように
焼き付いて離れない
きっと
もう
剥がせない
....
平気を装っているだけです
疲れにかまけて弱気を出すと
誰かが慰めてはくれますが
それはそれで尚更惨めです
大丈夫大丈夫まだ若いから
少しくらい眠くても昼休み寝れば
午後も気合いで乗り切れる ....
デブは真実
真実がデブ
デブは汗かくこと
汗かくことデブはきらい
デブは食うこと
肉だけを食い続けること
デブには触らないこと
触るとネチョッとするのがデブ
デブは手を伸ばすこと
....
おとなになればみんなケチになる
だからおれはケチではないおとなになった
だから
こころをゆるしあえるのはケチではないひとたちだ
ケチなおとなとはけっきょくわかれ
ケチでは ....
風が細り
土が痩せる
人の心は落ち葉のように
秋には秋のかなしみ
寄り添いあって焚き火をする
闇が冷え
光がけむる
静かな予感で街は煌 ....
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