中学時代から付き合ってきた
きみはもういない
焼酎が大好きで酔っぱらうと
「ありがとさん!」を連発していた
きみはもういない
何か相談事があると
真っ先に相談に乗ってもらっていた
きみは ....
インスタント闇屋さん
カップのなかで
泣き虫が笑っている
探し続けなきゃいけないものを
かんたんに手に入れようとしたことは
はっきりと罪だったと思うよ
カードは言う、
失う、だが ....
蒼穹の
深い青に
走る無数の
力線、
私を貫く
光の感触
外は熱風吹きつけ
人は誰一人通らず
街道走る疎らな車
草木は光に酸素吐き
天からの力動引き受け
蒼穹の
深い青 ....
風邪をひいた
目がペケになって
じっと寝ている
家族に会いたい
やたら
浮かんでくる感謝
心細い
おじいさんになって
旅立つ時は
朝方にひっそり
がいいかなって思っ ....
ご飯を食べていたければ
パンに変えてみた
同じジャムが続くと
すぐ飽きてしまうので
時々変えながら食べている
入院していたとき
私はいつもご飯だった
隣の患者はパンだった
....
下りに乗ってしまえば
あの日の二人が見える
ような気がする
君が
嘘はつかない
という嘘をつくように
僕は
....
○「今日」
年を取ると
今日が「何日」というのを
言えなくなる
○「人生の季節」
若いときが
さまざまな人との出会いを通して
人生を豊かにしていく季節なら
老いたときは
さまざま ....
俺がお前を信じない理由は
....
生き物たち変態化して浮かぶ地平に
旋律の残響、郷の薫り
内底から呼び起こされ
こんにちは こんばんは
湧出する情動、不動の憧憬
包み込まれ懐かれて
肢体踊らせ
模倣する
....
夏 夕暮れて
逃げ水の空は
ひかりの端から
てのひらに現れる
なんてあざやかな文字盤を濡らす
鎖されて昏く
放たれて赫ぎ
ふりかえれば
くるりくるほそ長い螺旋
胸の人の絵姿にも見 ....
すぼんだ花が
いやにいとしくて
捨てられずに
眺めていた
去年の春 と題して
絵をかいた
いやな女ね あたしって
煙草がいたずらに灰になるのを見ていた
....
蝉の声に讃えられている
誇らしげな 夏
そして 私の傍ら走り去る
一陣の風
人通りない交差点
銀輪またがる その人の姿を目にした途端
足が止まる
肌に まとわりつ ....
失楽園後
マザーグースを
読み終えたばかりの女は
膨れたお腹を撫ぜながら
私ももうすぐお母さんになると
今までのことも忘れて
失楽園後の日々のなか
大変だったことも忘れ ....
私の言葉に振り向いてくれる人
私の言葉に寄り道してくれる人
私の言葉に笑ってくれる人
私の言葉に涙してくれる人
私の言葉に不機嫌になる人
私の言葉に返 ....
チーズケーキなんかなかった
ほんとうはトーフ(チーズのせ)だった
ワインじゃないこぶ茶
テーブルの夜を醤油で食べたくなった
痩せた蝙蝠がいて
壁のすき間で乳離れをはじめた
....
くらげの浮遊 人でなしの内省
穏やかな飛翔 其処離れ在り
*
沈黙の時代の子供たちに
抑えがたい内なる躍動を
降りしきる雨中にキスし
懐かしい里の響き 紡がれ刻まれ
....
在るもの
すべて 透明に
壊れ澄んでしまいそうな瞬間、
ふとおとずれ
ぽっかり白雲浮かぶ 夏の青空、
調和の内に時の粒子は溶け
わたしはすっかり平静なり
やがて穏やか ....
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す
つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
....
あなたを切り分けなくても話せることがあるでしょ、ぼくはそれを待ち望んでいる。点線・面、休憩/スピードと湿度。消えてしまう前に、肌のひとつぶひとつぶから露出した感情をなるべくゆったりとたしかめたい(とめ ....
両面テープの夏
順番が赤ちゃんの指のように
そのままの柔らかさで並ぶ
あなたは何事もなかったかのように
テープを剥し続けている
食べたい冷やし中華に置かれた
名前の無い名札
息の仕方だけ ....
ある女が 酒房に惹かれ
やかましいその片隅に
毎夜坐っていた
沈んだ目が時折光る時
女はカリカリと氷をかみ砕き
強い酒に挑んでいる様に見えた
何日かすぎた頃
....
今日が初めてのように踊れ!
花束と吹雪の舞う中で
蜜の腐った香りに囲まれて!
死者が蘇り
さばえなすベッドを囲んで!
卵黄と清水の間に
一人雫汲みながら
妖精の住処は
わたしの ....
キュウリの青さ、私のアホさ
イメージは鮮烈なのだが水分が多い
こぼしてしまった醤油に漬けて
星の明るさ、私の悪さ
かたじけなかった光線を
分裂する前に結んだ
どぶ川でスイミングする ....
ビーコン
昨日から左腕が痛いので
エルれのおやすみ
たわいもないっこと
うでいて
おやすみ
それまで分からなかったこと
ふと 解る瞬間、
理屈でも理性でもない
閃く直観という能力
知覚即認識、次第に培われ
雪、垂直に降りしきり
街灯に照らされより激しく
愛娘、私の膝枕にひた ....
人間何も言わなきゃ
かかしと同じで
どこ吹く風と知らんぷり
烏と一緒に笑っている
一生懸命生きて
人を守ったりしない人が
いることが理解できない
俺は
かかしに頼るしかない旧い農夫 ....
生きていくのを待って
三年の旅を終え
生命と性をつなぐ目的で
故郷に帰ってきた鮭
ああ僕たちにはこんなにも
鮭が必要なんだろう
塩漬けの目を伏せる
美しい川の中に暮らし
食事と ....
鏡に映る自分
ずっと眺めていると
どっちが本当の自分なのか
分からなくなる
誰もが感じる
そんな感覚
私は目を閉じた
残像だけが残る
闇の世界
その向こうの
鏡の中の私は
....
懐かしの
ファミコンやったら
面白く
家に来る友
欲しいと思う
+++
ファミコンの
シンプルかげん
そのままに
絵だけ綺麗に
なればいいのに
+++
今ならば ....
あゝ後何万年
待てばこの瞬間に
出会えたのか
銀河の端が今爆発する
遠いふるさとのたましいのめまい
熱風吹きつける
暑い荒れ地の井戸のわき
赤い花、真紅の花
ゆったり優雅に咲き誇り ....
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