何をするにもやる気が出ないようだった。こんな日には早く寝てしまった方が、懸命だ。疲れているわけではないのだが、ただ家に帰りたいように思える一日だった。常識では計り知れないような思いが、僕の中にはいくつ ....
青空から
おそわった言葉を
思い出せずにいる横顔を
やわらかく演じたら、
気まぐれな風たちの向こうに
緑はあふれて、
揺れている
たいようを
描きつづけるこ ....
土曜日のお昼ゴロ
テレビの前でゴロゴロ
珍しくないから
昆虫図鑑にも載せてもらえず
面白くないから
観察日記にも書いてもらえず
疲れやすいお年ゴロ
リモコン片手にゴロゴロ
....
西明石のレストランの駐車場に
真昼痴女があらわれるのは有名な話だ
うちの会社でも三人が被害にあっている
黒いバンが横付けされて
なかからパツキンの体重80キロがあらわれる
....
わたしの部屋の
わたしのベッドで
わたしが眠っている
だから
何の問題もない
ひとつの矛盾もない
鍵を開けて
知らないひとが入ってくる ....
マリアさまのティーシャツに
刺繍でfuture
no
ってマジックで付けとくかな
なんて言ってる冬毛の猫
あまりにもあつい
季節は夏
タブレットをいくつか
白ワインをすこし
....
いま、
とても大事なことをひとつ思い出したんだけど
それなんだっけ
こんなに晴れた夜の
誰もいない
隠された路地と
その横にだだっ広く広がる運動場の中には
ほったらかしの
ナウマン ....
ろ過していったらどうなるだろう
なにが残るだろう
周りにギトギトした
ヨゴレをつけながら
こされてゆく
わたしという成分
少しぐらい
優しさとか 思いやりとか
あるのだろうか あっ ....
古い絵本は古い本棚の奥にしまい込まれていた。埃を掃ってから古い時代の時間を巻き戻してみた。水が難しそうな顔をして、山奥からからこぼれ落ちてきた木の実と話をしている。木々が立ち姿を気にしな ....
僕は
大切な紙を
無くしてしまった
それには
僕のすべての記録が詰まっている
真っ白な紙なのだ
だれかになにかを
書き込まれて
しまうかも
しれない
コピーに使われたら ....
「序説∧序奏」
*
*
***
****
愛らしい風を
振り撒いて
感傷を仄めかせ
君に入っていく
恐るべ ....
緑は透り
透りは緑
雨の手のひら
うらがえす
斜めへ斜めへ息を吐く
斜めの先には水がある
見えない左
見えない弛緩
碧に翠に黄緑の羽
灰に白に水銀に
....
貴方が
例えば
呼吸の仕方を忘れて
足りない酸素に息苦しくなって、
若しくは
泳ぎ方を忘れて
沈むように光のにじむ水面を見上げて、
あるいは
行きずりの人と会って
口 ....
夏が白い叫びをあげて走る
雲は低く雨粒はトタンに融ける
小さい足にサンダルを履いて
横顔を向けたままの子どもたち
ある朝の瞬きに
影へと消えた子どもたち
知らぬ間にそれは熱 ....
リズムがどこにもみじんもなかった
ぼくはじゃない ぼくはがいらない
切れ込みを入れて言葉をきり捨て
紙の繊維が仮根になるまで
叩き千切り包丁で
かこんかこんか 淡々たん
ぼくはがなけれ ....
汚物は腐敗しない
腐敗しないどころか
浄化されてゆく
浄化されたものは腐敗してゆく
浄化されればされるほど
腐敗は目につき鼻につく
肉体とはなんだろう
百 ....
枯れた空 桜花舞う
散る花びらを辿れば
行き着く 儚き生命(いのち)
目を閉じれば 浮かぶあなたの青空
常夜に変わっても 待っている
澄んだ月に 希う
”どうか無事でいてくださいと ....
院長夫婦に預けられてぼくは病院に住んでいた
病室がぼくの部屋だった
おっとりして真面目ないい子だとおばさんはよくぼくをほめてくれた
その夏、病院に大量の小虫が発生した
ちょうど ....
今日が終わるのに
消えない心模様
明日へ渡る橋は
落ちてはしまわないだろか
資格とか権利とか
問いたくなるけれど
ほんとはそんなもの
どっちだっていいんだ
すきの前では
試す ....
今日も街には
愛のうたがあふれ
恋人たちは
夜のホテルへ急ぐ
阿部さんの提唱した美しい国は
愛国の印刷物を過剰に生産し
鳩山さんの友愛も
この国を
みごとに迷走させ
隣のねー ....
あめはうそだよ
むこうはどうせ晴れている
公園にそなえつけた船でもこいで
地平線にぶざまなきせきを残す
なるほど
もやは信じてもいいのか
それはもう間を隠してくれるから
いきいきとしてし ....
抱き締めて 夕日にかけるように 強い赤になって願う。
線路の向こう
ビルの谷間の三角地
そういう辿り着けない場所に
オレンジ色のコスモスが
揺れている
ささやかな風景は
しかし、すぐに電車の音に
塗りつぶされてしまう
それでも
元気 ....
当たり前の素材。
器を囲んでの食事。
道具を手にした採集。
地割れしない程度に杭を打つ。
大事に至らない躓きを繰り返して
もう杭については、お手のものだと思った矢先の躓き。
(地割 ....
髪を伸ばしたんだね、と聞かれて
「ショートカット」と答える。
不思議そうに私を見つめる
あなたへのショートカット
はしゃいではいない
だべってもいない 街なか
どうしたわけか
申し合わせたように
町内が一斉に半旗を出している
不幸・不運のそれらしき気配もないのに
そん ....
最近、世界どう?
パッとしないヨネ
変わらずの毎日
というか
ダダ漏れの日々
終わったゲームを続けてるみたいな
反現実の海
酔いが覚めないまま歩き続けるのが日課
....
ぼくらがまだ人間になるまえのはなしだ。
うそつきばかりがいるから、みんなだまされるし、だますこともへいきで、
みうしなってしまったのだろう。
とむらう、とむらう。
なぜぼくらは人間にうまれ ....
西向きの窓から
斜光が射す
食器が並べられ
煙草に火が点けられ
いくつかの詩が書かれ
最後に僕が
玄関から入ってくる
....
誰もいない夜明けの街を
少年が黙って自転車をこぐ
真面目に呼吸を続けながら
サルは今も進化と退化の中を
死にそうになりながら
生きているころだろう
エロい身体をした僕は ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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