1.
可奈子、
僕たちは罪人だ
はだけた白いシャツ
現れた薄桃の素肌
汚れたのは唇
罪悪に苛まれた視線が交差し
重なり合った手と手
温もりを感じる資格もないほどに
僕らは罪を重ね ....
中途半端な才能
中途半端な実力
中途半端な努力
中途半端な誇り
中途半端な身体
中途半端な不幸
家族関係の悪化
主張しないから孤立した。
何度も話を聞かないフリして
色のない生活 ....
僕の恋心は入道雲のようにむくむくと膨らんで
世界を覆い雨を降らす
あの娘はあいつと相合傘
私は私を
やり直したいとも思うし
捨ててやりたい
とも思う
どちらもできっこないから
安心して悲しめるんだ
君に甘える
そんな夢がみれるんだ
同じ空の下で
なにが起こったのか知っ ....
詩を書いていた
詩人になりたくて
口はうまくないから
ペンを持つ、握る
歌もうまくないから
ペンを持つ、握る
絵は好きだけど、
賞を貰うのは
いつも他の子だったから
....
サル
さぁさぁご覧 世にも珍しいしゃべる猿だよ
ってのはどれだ 回りを見ろよ至るところに
おんなじ動画に釘付け みんなニコニコしてる
著作権なんてのは あっても無くても同じようなも ....
柑橘類が口の中で甘く香っている。心の片隅では炭酸が甘くはじけ飛んでいる。グラスの中のひと欠片の氷を競い合うようにして、夕暮れが喉もとに下りてくる。縁側の置石に手酌するように水をまく。ラムネ色の短い ....
あなたは指で狐を作る
狐の唇が
狐の唇に触れる
百年が過ぎて
そっと離れる
六時の
時報を聞いたからあと300秒で天井が落ちてくる。部屋番号の素数には意味がない。棚に飾られているフィギュアは四肢を切断して並び変えておいたのだが、部屋の上下側面はコンクリートで覆われている。
....
夜の湿り気が
ぬぐいきれずに
わたしのゆりかご
あなたはそっと
うしろむきで
雨を吸った
風が吹いて
胸に空洞
わたしができることは
ただ、毎日をすごすことだけ?
....
用意
は
出来ました
丈夫な紐と
足を乗せる台と
遺書を書くための
紙とペン
紐を
電球の傘にくくり
丸いわっかを
下の方で作る
準備万端
そして
遺書 と言 ....
送れないメール
センスのない文章
わざとらしさだけが鼻をつく
溜め息一つ
膝抱え見上げる
切りとられた夜空は群青
思い通りにならない葛藤
暗中模索
がむしゃらに君を想う
どう ....
赤烏が赤いのには
特に意味は無く
ただ赤いから赤いんだけど
決して黒くは無いのです
赤烏が好んで食べる物は
絶望とか孤独とかって推測する人も多いけど
赤烏の好きなものは
とりあえ ....
はてしなく
広がるものは
絶望、に他ならないから
おねがい、天馬
そのたてがみに
一度でも揺らせて
ぼくの
名を
命中しがたい
銀の矛先
大鷲の
視線
....
貝殻が
閉じたあたりを
ゆびさして
ここが ずれ て、
いるから
もとの世界には
戻れないと
腕のほそい頃の
わたしが
言う
痛みは
嘆くもので
悲しみは
か ....
かみさまのいちびょうをかう
どうせあなたはむげんのときがあるのだから
おれいはぼくがぬぐえたはずのなみだでいいだろ
まぁだだよ、も、もういいよ、も、しらないままで
いまもかくれんぼはつ ....
友人は被災地にボランティアにゆき5キロ太って帰って来た
俺は札束だけを持って被災地から離れた地方都市にゆき1キロ痩せて帰って来た
夏枯れの向日葵が
こころに咲いている
あな ....
遊び仲間と珈琲を飲む
焼肉を食い別れるまえに珈琲を飲む
きょうの苦渋を
あしたの希望を
遊び仲間と珈琲を飲む
焼肉を食い別れるまえに珈琲を飲む
信じることがこわいという
君は月がすき
星をみるのがすき
ひとりにして
と君は言う
空間の端にいる
ことを許して
身じろぎせずに息をする
互いに
影法師のように
心で
....
ふさぎ込んでばかりじゃ
引きこもっちゃうから
窓をあければ
ひととの縁に恵まれるから
愛ってよくわからないけど
情なら大体わかるから
もし私が病気じゃなくても
いつか立ち ....
白いレースは翻り
裸足は茨の道を歩く
少女は笑っていた
何も謂わぬまま
いなくなったのは誰
雫が朝を濡らし
腕から百合が零れる
少女は笑っていた
何も知らぬまま
いな ....
ここはでんわのくに
でんわのくにではきょうもみんながくらしています
....
カンパリ飲んで
忘れよう
ハイボール飲んで
忘れよう
煙草は吸わない
酒もやらない
女も抱かない
たまにはいいか?
道端の雑草のように
享楽を知らない。
また勉学の道に
....
楽しいな
苦しいな
嬉しいな
悲しいな
音楽が全てを
忘れさせてくれる。
愉快にダンス
可憐にシャウト
負けない
恨まない
挫けない
我道を行く
苦しむべし
悲しむべし
反省すべし
良心持つべし
EASY COME, EASY GO!
悪銭身につかず
ギャンブルはするな。
損して得取れ!
笑顔を忘れずに
いつもいい気持 ....
あぶらぜみ 8年かけてうまれなく
蝉がなく
なかないなかない
喚くのは
我慢強い北国の
魂ひきつれ
泣けば気持ちが晴れるのに
喚くのは
どこかの ....
ひそかに尊敬していたS先輩は
アマチュア天文界では有名人
小惑星に名前もついている
「先輩その小惑星って軌道外れて地球に落下してくるんじゃないすか〜」
ああ たぶんいい女がいればな〜
....
母が滑り台で遊んでいる
すぐに、つまらない、と言い出して
妹のあきよさんと裏山の藪に入っていった
インターホンが鳴る
野口さんが玄関に立っている
タッパの中身は手作りの牛乳羮 ....
影をどこかに落としてしまった
はだかで銭も持たずに
どこで何をしているのだろう
夜になればお腹をすかせて
この騒がしいあしもとに帰ってくると
淡い希望をよそに
よその影と交わり合い
自立 ....
切迫した最期の
夏の到来は
記憶の中でぶよぶよしつつあって
ゆっくり弛緩しつづける
こよりみたい
つづく夏を重ねるたび
もはや静止でも
昂ぶりでもなく
無為のまま指先にふれ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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