食べきれないものを並べた
わたしたちの食卓は低く、真四角のこたつだった
静かな入江のような天板は
口にするもので溢れかえった

這いまわる視線にフォークが突き立てられると
水がこぼれた
 ....
もうどこへも逃げてゆけない言葉たちが
{ルビ凝=こご}る五月闇
夏の色が濃くなるごとに重くなってゆく空

その空の重みに耐えかねて
虚ろになる意識
否 虚ろを装う意識

綴るご ....
 
 熱帯植物のあでやかな緑生い茂る中に
 消えていった友人の後ろ姿
 
 呼吸の度 緑の香が私の心染めてゆく

 樹々の名前など知らない
 私の身体中が
 心中が
 熱帯樹のしめり ....
 水面を埋める
 蓮の葉が
 大きな葉っぱばかりでなく
 伸びた茎の先々で
 小さな葉も立ちあがり
 陽を透いて
 静かになびいている

 まるで{ルビ摩周湖=カムイトー}の様な水辺に ....
信号待ちで
横に並んだ

君はさりげなく
イヤホンの片方をはずしてくれた

信号が変わった

僕は
とうとう
おはようって言えなかった

君はだまって行ってしまった

 ....
「祭祀クーラスはつくづく間抜けだな。近いうちに命を落とすかもしれんぞ」
「それが、デーモンであるラーディガンと契約した国家ですか?」
「デーモン? 所詮は我々人間とは違う種族。
 契約が身に合う ....
「ところで、お前は馬車何頭で来た?」
「はい。三頭でございます」
「汝、イリアス、そして護衛の者か。だが、
 我が軍はすでにラゴスへと攻め入る準備が出来ている」

ハッジズは続ける。「汝らが ....
「あなたは一体……ラーディガンとどんな盟約を交わしたのですか?」
フランキスはその顔をこわばらせながらハッジズに尋ねた。
「ラーディガンと? それは些細なことだ。この世の人間の、
 半数を葬る。 ....
○「伯母さんの死」
一度は死ななければならない
と口癖のようにいっていた
95歳の伯母さんが急に亡くなった
胸と背中が痛いと朝電話が来て
かかりつけの病院へ僕の車で乗せて行った
早く死にた ....
#文字は独立した

*
私がやっているささやかな試みはオカルトでも
魔術でもなんでもなくて誰でもできるやっ
ているのにたぶん注意してこなかったことを
見えないとこでも有るとわかっている小石 ....
やさしい気もちに
なる夜は
落ち着く場所で
息をする

眠りたくない
夜の明晰
目覚めたくない
夢の混迷

心に影を
頭脳に闇を

日はかならず昇る
月はするどく輝 ....
巡礼の羽
 風を流して、域を犯し、微笑の穂の垂れ下がるは
ひとまず
 公園で錆びるもの腰を下ろして微動だにせず

ゆらぐもの
心に

なれた手付きで花を摘む
顔を振っては堂々たる
 ....
ゆとりがある
こんなに静かで深くてよいのか

時は深く根を下ろし
かぜはなく 電気は通電している

精神の砂時計は脈々と時のなかに砂を落とし

溢れる歓喜の声は静かに躰中をかけ揺ら ....
熱いよ、肉体
熱 私を支え
ロック鼓動、
意識クリア
残された時にて覚醒しろ

努めて
意味という言語、
越え抉り
今宵月明かり鮮やか
躍る魂

ジャイアントコーン
噛み砕き ....
死は必ず来る
だから一日一日を
一瞬一瞬を
惜しむように生きる
全て全てを受けとって
価値創造の一生を生きる
雨の形のまま
わたしたち、地下鉄で
産道を進む
透明に敷き詰められた窓
向こう側に続く暗くて
滑らかな景色
輪郭は線となり
わたしは葉っぱを並べる
あなたは選挙の人にもらった紙が
 ....
タマキンが
五月の風にそよいで
心地好い

梅雨までの短い時間
思う存分
この風を楽しむ
ひとりベランダで

風よ、風
僕のタマキンから
白癬菌をすべて
取り除いておくれ

 ....
鼓動と同じペースで手を叩いたら
どちらか分からなくなった

手を止めた瞬間に崩れ落ちる身体を想像しては
足元を悠々と闊歩する
蟻の行進を眺めた

つま先から少しずつ、食いちぎられるまま
 ....
青い青い空が広がった
完璧な圧倒的な青だ

コンビニの旗がはためいて
涼風が吹き抜け躍動する

歩き始めたばかりの幼子、
風によろけて道に倒れ泣いている

溢れる涙は銀に輝く陽光の糧 ....
カッパ
舟にのって
旅にでた

カッパ
舟にのって
海にでた

カッパよ
カッパよ
それは塩水ですよ

カッパよ
カッパよ
そんなに楽しそうに

ひょうたん
ひょうた ....
子が産まれる、とわかって、
しっかり喜んでみたのだが、
まだ、わからないのよ
そうか、まだわからないのだ
無事に産まれてこない胎児たちもいる

産院の、陽がよく入る待合室
お腹の大きな妊 ....
○「弓道の基本」
弓道はバランスである
上下のバランス
左右のバランス
前後のバランス
一方だけでは
いい射はできない
しかし、未熟者は
一方にこだわって
他方を忘れる

○「両 ....
わざと希釈して言いがかりを演出するなんて
そんな巧みなことを考える人がいるなんて
ちょっとショックです

形見のグラスを見て
「これ割ったら大変ですね」と
笑って言うなんて

あなたの ....
ハッジズのこの提案は、ラゴスと争うにあたっては願ってもないものだった。
しかし、ハッジズの野望はそこにはない。いずれは、
ライランテ大陸のすべてをアースランテの手中に治めるつもりだった。
だから ....
「この戦争を止める、とは申しておりません。
 ただ、我が国は貴国との和睦を願っております」
「人質を取っておいて、よく言う。しかし、
 イリアスは人質の用をなさぬぞ」と、ハッジズの声。

「 ....
フランキスはアースランテに王である、ハッジズとの面会を取り付けた。
アースランテ軍は今、全軍がラゴスへと向かおうとしている。
そんな中、ハッジズはクールラントからの使者を疎ましく思っていた。
( ....
哀しみの刻印、
誰の声?
夢見がちに
辿る旋律、
病んだ苦痛の
肉の彼方の故郷

覚醒しながら
意識保ちながら

垂直の次元に
泳ぎ出す
溢れ出る力、
制御し

刻印され ....
僕の口の中は広い

めっちゃ広くて
歯たくさん並んでて
そう
ドラキュラ伯爵のお城のお庭の墓地
どんどん牛を放りこむ
不思議で不気味な森

すみずみまで歯みがきするの
ちょっと無理 ....
静かさの内懐に入り
高さの緊張、
感じ取る
燃える太陽の 
中に生きて

物質へ感覚へ
傾き過ぎた
この社会で
平衡を真ん中を
取り戻す

ミッキーマウス、
相変わらず笑って ....
校庭でゼリーが息絶えていた
音も無く
オレンジ色の匂いがした
樹木の間から
整体、の看板が見えていた

看板が見えるのは校庭の高さが良いからだ
と、かつてあなた言った
それはここと ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
団欒[group]023/6/1 16:15
五月闇塔野夏子7*23/6/1 11:47
温室リリー5*23/6/1 11:39
蓮の葉3*23/6/1 11:16
落とし物 今もそのまま日朗歩野4*23/6/1 10:35
アースランテとの駆け引き(九)[group]大町綾音1*23/6/1 10:14
アースランテとの駆け引き(八)[group]1*23/6/1 10:13
アースランテとの駆け引き(七)[group]1*23/6/1 10:13
独り言6.1zenyam...4*23/6/1 9:25
#文字は独立した足立らどみ423/6/1 6:22
頭脳に闇をシホ.N323/6/1 1:45
そは、さやけしあらい123/5/31 22:12
魂のアブストラクト1(思索と試作)荒井 修一郎323/5/31 22:00
五行歌、熱ひだかたけし4*23/5/31 20:53
_渡辺亘123/5/31 17:43
閃光たもつ11*23/5/31 17:41
風のタマキン花形新次123/5/31 17:37
解散[group]223/5/31 17:28
青に包まれて(改訂)ひだかたけし3*23/5/31 16:23
カッパよ日朗歩野4*23/5/31 12:40
羊水fujisa...723/5/31 9:58
独り言5.31zenyam...2*23/5/31 8:06
誠に寄るのみりゅうさん223/5/31 5:53
アースランテとの駆け引き(六)[group]大町綾音1*23/5/31 3:02
アースランテとの駆け引き(五)[group]1*23/5/31 3:01
アースランテとの駆け引き(四)[group]1*23/5/31 3:01
夜想57ひだかたけし4*23/5/30 22:15
口の中日朗歩野123/5/30 21:43
ゾーン2ひだかたけし223/5/30 18:24
準備たもつ4*23/5/30 17:41

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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