一枚一枚
念入りに引き寄せてから
そのあと
一枚ずつ丁寧に羽織っていく。
「この蕾の中には、何かいるぞ」
思惑が、どんなに咲き乱れようとも
羽織は既に
この通り
完了し終えてい ....
白妙の開襟シャツを
風が吹き抜け
猪目山には
夏の雲が浮かぶ
ピンで留められた
7月のカレンダーは
はるかな尾瀬の
遠い空
固い凍土に覆われた裏庭で
キャチボールをしよう
....
原さする原
鳴く原に降る
雨の文字
手のひら
火ともし
まぶた うつほ
指ひとつ 空を隠し
ゆらゆらと潜むもの
巨きな 花のかたむき
片目をつ ....
空いてます
ぼくのとなり
とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ
ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
満点の暑さを引き連れて
夏はやってきた
蟻の大行列は
トンネル深く沈み込んで働くことを諦めた
公園の噴水は
温水となってまわりに放出し始めている
花々は枯れ始めた
....
きみという少年時代の秘境について
そこに恐れていたものなど何一つなかった
きみに吹く嵐は去り際をわきまえていたし
きみの森に虎なんかいなかった
過ち達は気前よく十字を切って ....
奥に進めばいいと
席を立ったのはいいが
どこまで行けばいいのか
聞くのを忘れた
暗い明かりの下
行き交う人は
あなたの目的は全部
端から端まで知っているんだ
とでもいうように
意味あ ....
All lives are meaningless. But why we must write our poem?
パスタは絶対にフォークとスプーンで食え
ワンスプーンの上にくるくる巻いたらそれがルール
それが一口の定義だ
....
0:52
実験をする。あなたは床に寝ている。ケットがみあたらない。あなたはとても疲れている。投げ出された足。わたしではないものの足。さてこれは椅子です。脚が四本ありますし、座面もあります。椅 ....
あなたがそっと背中を押してくれる
それはただしい
とてもただしい
わたしは
そのまま
押し出されるだろう
外がわへ
産まれるように
しぬように
愛すべき キミ
キミは
夜が辛いの?
昼を憎んでいる?
か細く
白い透けた肌の キミ
脳の中は
その言葉とは
裏腹の
青い知性と
生命にあふれている
私には
....
その時が来たのならば
全ての窓を開け放しましょう
それが その時であるのならば
まいにち みて いるのだけれど
ひざの上で組まれた指が
互いに爪を立てている
....
悲しみで張り裂けろこのからだ
遠くで雲が泣いている
からだを裂いて雨粒を落としている
悲しみで張り裂けろこのからだ
愛するひとなら耐えてみろ
愛するひとに同苦しろ
....
次から次へと
運ばれてくるお膳に
手をこまねいていたら
古いものから順に
下げられていくので
あれはあとで
女中が手をつけるのだろう
などと静観している
ところが顔役によると
あなた ....
ミンミンゼミを食べた
ツクツクボーシを食べた
アブラゼミは食べてない
口をあけて上をむいたら飛び込んでくるんだやつらは
ばかだから
ミンミンゼミを食べて
ツクツクボーシを食べて
....
ひさしぶりの世界はするどいやいばだった
半透明な空から直線が降りてきて
その一部になった光があまりにもうるさい
電車が通る音と本当に見分けがつかない
放射能の息を浴びた雨粒も
束にな ....
世界中の猫飼いのために四つ足でにゃあとなくいきものたち
世界の不手際なんてお構いなしでにゃあとなくいきものたち
いきものたちはごはんをたべる
いきものたちはひざのうえでねむる
いきもの ....
すきなものはなんですか
あなたがきいた
すきなものは
花
や木や真っ白な雲
どれも口にはだせなかった
あなたはもうそこにいないから
すきなものはなんですか
私もあな ....
金曜の午後4時15分
学校帰り
アメ横手前のマックでコークのラージを買い
UJは
向かいのMODE OFFに入る
『 いらない服お売り下さい 』
コーラほどの肌色が目を引く
全面ガラスの ....
いとしい夜に
枕がふたつ
いい歳をして
ひつじを数える
悩みはつきず
喧嘩はたえない
僕たちの日々に夜が
静かなのはいい
....
白雪の姫がめでたしってなったのは嘘です
白雪の姫がめでたしってなったのは嘘です
灰かぶりが幸福を手にしたのもほんの一瞬
そんな世界
一部上映
だからめでたし
醜い醜態知らないの?あ ....
活きていますか
いつ会えますか
午後6時に何時もの場所で愛を錯覚して帰るだけ
潰れた気持ちを
救った言葉を
不透明なガラスが塞ぐ
信じきらない君を愛おしく想う
....
悲しいことをぼくにください
悲しいことならいくらでもください
ぼくはまだまだ大丈夫だから
まいにちシミュレーションしてきたんだ
いろんな妄想で
たくさんのこころを痛め ....
{引用=「葡萄」
葡萄の皮を
小さな部屋の
ドアをひらくように……
……
そのなかには
何か
静かな音楽を奏でているひとが
椅子に座って
....
「もしかしたら、今は見えない
戦争状態じゃないのか?」
野営地で目を覚ますと
体中が汗ばんでいた
ジッパーをあけると
ナイロンの外は青空だった
すでに日は高く
肌を焼く太陽光 ....
潮風が吹くだけの頁がある
そこまで読むと
少年はいつも眠くなってしまう
少しずつ部屋に隙間ができる
西日とともに
明日、と呼ばれる不安が
部屋を満たし始める
ハエが小さな声で ....
できるかぎりの優しさで
息をおくって
あざやかな
卵のひとつひとつに
そらを託しました
そうして
いかにも幸福そうな
幽閉は
繊細に
消えるのでした
....
僕は長い廊下を
ずっと歩み続けている
あの日、見た夕陽は
今も瞼の裏に焼き付いている
あの日、怒った先生の顔は
可笑しいような悲しいような顔だった
僕を殴った同級生は
....
憎かったりいじらしかったり
醜かったり優しかったり
ありがとうが用無しだと聴こえたり
ただひとつの切実のように聴こえたり
今さ
おまえの手紙を見つめているんだ
....
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