陸を泳いでいるのは
Kさんの舟だよね
裏山の崖で逆さになっているのは
Bさんの舟だよね
自慢の大漁旗はどこにもないね
あっという間に飲み込まれて
そして流されて
船体にかすかに残っている ....
朝に堕ちれば山が在り
迎える刻にも海はある
いつまでも生い茂る森のなか
陽射しに誘われ花も咲く
ひとにはとおく
けものには為れず
流れる水を汲み上げる朝に
映る瞳の影はつ ....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ
つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ
のどぼとけがなって和尚さん ....
死はそこにある。いつでも。あるものとして
恐れてはいけない。
おそろしいのは
おびえる心だ。
誰かのために生きられないことは
ぜんぜん悪いことじゃない。
おそろしいのは
生きない心だ。
....
「もう秋だ」
誰に言うでもなく
ただ、ポツリ、一人呟く
風がだんだん冷たくなり
空気が澄んで空が高くなるのが
誰にも言われずにわかる
スーパーでレジ打ちのバイトをしているが
....
室内楽
感銘という
陳腐な言葉で飾り立てられた
フリルとボウのブラウス姿の種馬が行く
題字ばかり大きい
ささやかな詩集を片手に
トム・ジョード役ばりの
理知的気品を醸し出す歩幅を以 ....
海よりも深い青さで恋をして
夕日よりも赤い情熱で愛した
波間を漂う流木に この身を重ねるのは
今もあなたが 愛しいからでしょうか
かもめが水面近くを飛んでいき
やがて白い月が
東の空か ....
あの娘が出て行って一人取り残された僕
スポンジケーキの星が天井にぶらさがっている
悲しみのレールを音もなくビールの泡が走る
だからといって握り締めた携帯電話には雑草が生い茂るだけで何も歌わない
....
いま死ななければいつまでも死ねないきがする。
猫だって花だってかってに死んでくのに
わたしだけいつまでも死ねないきがする
あなたがしんとしてるとき
あなたのことばかり考える
考えすぎるといっぱいになるから
目のまえのするべきことをしてる
どうしてるかなと思いながら
次のレポートの準備をし ....
ばりばり書いたばりばり
「ざんねんながらその話
すでに書かれたものなのです」
ばりばり書いたばりばり
「失礼を承知で申します
あまり面白くありません……」
....
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【 雪花 】
あ
雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
旅ってなんだろう
帰るところあっての旅なんだろうけど
住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく
そんな旅路もあるような気がする
※
....
世界のお外を開ける
マザーグース
お空の星になる
髪飾りに触れた
その手が、
ひきぎわの吐息
魔法が
私の髪を
指を
唇を
帯を
心を
解いた
水槽をおよぐ絵本に
住宅街のパンフレット
駐輪場は閉鎖された
ネクタイがまぶしい
夏の最後の午後に
アスファルトは坂道になり
知らない街へと続く
土のことなら、昨日
す ....
ぼくはほら、
羽根がないから飛べなくて
年中 空を見上げてる
ぼくはほら、
口もないから呼べなくて
風が吹くのを聞いている
ぼくはほら、
....
十月の豊かな光が
いつもの駅前
喫煙所のボックス灰皿のあたりに
私が待たせている
ひとりの女の額のあたりに
しっとりと落ち、
浸食するように広がる
....
手のひらや帽子に降りそそぐ
願われることのない星の色
杯ひとつに痛む片腕
夜を渡し 夜をこぼす
蛾と蝶のはざまの飾り
またたいてまたたいて夜となり
さらにまたたき
....
友達と二人
自分を忘れさせられたのかもしれない
私は そこで
現実を忘れていたんだろう
それとも考えていたのか
私は 一人であることを
いつも考えていた
私の心の中で
人の心は孤独に満ち溢れている
人は人に縛られ
人は人を支配する
孤独を恐れ
人に依存していく
それで良いのかと
心に沸く小さな疑問を
それで良いんだと
かき消し ....
新しくポストを建てました
これで十二本目です
今のところはお手紙はいただいておりません
悲しくはないです
心配は
近所の子供が悪戯に石を詰め込むことです
さきほど七 ....
つながり続けるアールイーから
mon 16:52
「きょうはサイダーとサングリアと いろんなラムネ20錠コースです。明日やすみだからもっと盛大にいきたいところだけど、からだが重くな ....
執念の先に切っ先を置いて
切って切って
思いを切り刻んで般若の形が出来上がった
五臓六腑から噴出す憎悪が
熱く燃えている
刃で無表情に過去を断ち
想像を積み重ねて屍の山を積み上げていく
....
しばらく会えませんが元気ですか
秋が深まりますね
ストーカーは退治しましたか
僕は限りなく透明に拡がって行きます
埼玉古墳群のお店であなたに勾玉を買いました
内勤にな ....
ただ 言葉がないだけで
心の中にはいくつもの思いを抱えながら
砂浜には行けないから
一人 街を歩く
人波の中で
見失ってしまいそうな
人の波の中で
いつか僕にも出会えるだろうか
....
魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリ ....
あとなんど苦しんだら
(苦しんでいるうちに
(洞窟があらわれたら
この洞窟出られるのだ
さびしくて
かなしくて
くやしくて
あとなんど苦しんだら
....
古い摩天楼の傾斜した屋根から
飛び降りようとした時
屋根の上に
傷ついて飛べなくなった
白い鳥を見つけた
微風のように柔らかい羽毛が
ところどころ血に染まっている
しだいに弱ってゆく ....
じゃあほかに
なんて言えばよかったんだろう
帰るひとのいるあなたに
帰るひとのいるわたしに
はじまってさえいない二人に
終わりにするためには
なんて言えばよかったんだろう
....
執行猶予のついた
罪を背負った
運命の明日
判決が下りる。
白か黒か微妙だ
余生を楽しむ
タバコをふかし
沈黙の夜
歩道橋から
覗いた景色は
ライトの嵐
世の中は寒い
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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