おさなごも仔犬も猫もみな眠る
夜明けまえのしずけさのなか
辞書にのっていないことばで
この世界に祝福をあたえる
冷蔵庫の扉をひらくと
星のない夜の焚火みたいに
ささやかな光がキッチンに ....
あの日から
降り止まない雨が
心の奥底から言葉を溢れさせ
顕れる魂の穿つ隙間に
零れ落ちるような光滴たち
無数に煌めき散逸する
終わらない旅路の最中
訪れるもの一つさえ
未だ想い描けな ....
だれも居ない大学の構内に
緑だけが 大空を指しておいしげる
私はそれを見るのが好きだった
雑踏の中に居る時には
親しく心に顔をみせるのに
一人になって 悲しい思いの時
....
○「ふれあいの旅」
千葉へは仲間とのふれあい
上高地へは自然とのふれあい
どちらも感謝感激の旅だった
○「ユーモア」
「どちらまで行かれたんですか」
とすれ違った山ガールが
可愛く尋 ....
詩はエレメント
生きる糧
ただようその香
打ち消した昨日
やよい
詩は月だった
暗い裏道の桜は
ノイズ無く咲いた
さつき
詩は多忙だった
梅雨の前に
やること多くて
....
ヨランの情報網は確かなものだった。フランキスたちは、
ヨーゴスラン地区にある旅籠に逗留しているということだった。
アイソニアの騎士はいきり立つ。
「ヨラン、今すぐ乗り込むぞ! 今日こそ決着をつけ ....
アイソニアの騎士は打ちひしがれながら王宮を後にした。
盗賊ヨランが、その横顔を見つめる。
「力を落とされませんように、騎士様」
「いや、俺は力を落としてなどいない。しかし、イリアスはどこにいるの ....
「そのイリアス、今はどこにいるのかな?
この王宮に来たのはフランキスだけだった。
今、イリアスはクールラントに捕らわれているのであろう」
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは遠くを見るような目で言っ ....
微妙に丸く円形保ち
輝く白銀、月か陽か
熱のもんわり夜に流れ溢れ、
私は窓辺に響きの感触 聴き取り
眠る未来の意志に霊性 納める
白蝋病の脳下垂体が午睡の最中に揺蕩う夢は、可視光線の乱舞の中の血の華、難消化性デキストリンが渇いた腸を掻き回す、グリアジンの気紛れな呪詛、五臓六腑で踊り出す、偽造通貨が廃棄物処理場で網膜に焼き付け ....
私は最強の召喚士
DPSだって
史上最高値を叩き出し
バハムートを召喚し
大地を火の海にすれば
オーディンが
お前の首を刎ねる
エンジェルがウィンクして
フレイアが愛を語ると
....
草を刈る
草を刈る
草を憎しと
草を刈る
草を刈る
草を刈る
作物を愛しと
草を刈る
どちらでも力はでるし
同じ作業だ
でも
全然ちがう
身体に蓄積する
疲れが違 ....
ぽっかりひろがる
無限の手触り
虹の根元を逃げていき
あの世と繋がり
あの世に入って
平坦になった魂、
もわんとゆれつつむ
夏の熱気に曝され
夢見がちに目覚め
自らの輪郭整え
....
駄々をこねて
手に入れたものは
すべて行方知れず
罪の数と罰の数が
同じでないと知ったのは
ずいぶん後になってから
誰かのために摘んだ
花の毒に侵されて
薬指を枯らした
....
自作詩「これでいい」
朝は暑くて出勤するのイヤだし
仕事始まったら始まったで酷暑でキツいし
若干気持ち悪くなるし
昼休みなんかもう早退しちゃおうかと思ってた
でも簡単に逃げちゃうのもシャ ....
球
球と私
私は球の上に乗っている
球は宙に浮いている
浮いてぐるぐる回っている
回りながら周回している
私の顔の周りを
うるさくってしようがない
私の乗った球が私の顔の周りを回っ ....
○「人間関係」
先走り、深読み、一人考えは
空回りのもと
○「再び河童橋へ」
五年ぶりに河童橋に立つことができた
実は去年の秋4年ぶりにここに立つ計画を立てていたが
当日の朝いつも ....
夜明けのあほんだら
わたしが眠れるまで待ってほしかった
死んだものたちの魂が集まって/ひとつの声となる/わたしは神を吐き出した/神は罅割れた指先で/日割れた地面を引っ掻いた/川原の石で頭を叩き潰された小魚たち/小魚たち/シジミも/ツブも/死んだものたちの魂 ....
「お前が慌てたとて、何が進展するわけでもあるまい、グーリガン」
「王よ、イリアスはこの度の戦争には関わりありません。
わたしが救い出さなくてはいけないのです」
「それは先ほども聞いた。それが、 ....
しかし、戦いとは根本的に個人の問題なのかもしれない。
盗賊ヨランは、世の中の巡り合わせは、本来人そのものの
生き方によって左右されるものだと思っていた。
ここにアイソニアの騎士がいる、それ以上の ....
アイソニアの騎士は、ヨランを伴って、
アースランテの首都ハンザガルテに次元跳躍をした。
「また再びこの国へと戻ってきたか……。俺はよほど、
この土地にがんじがらめであるらしい」
そんなア ....
夕涼み
風がささやく
お疲れさまと
無音の
白い小部屋に
太陽の昇り、
どす黒く萎びた
紫陽花と
みんみん蝉の
執拗な鳴き声と
燃える夏の熱気に
憂鬱な梅雨蒸発し
無音の
白い小部屋
白いまま
昇 ....
道に迷った鳥たちが憩う屋上庭園は
都市に仕掛けられた田舎風の罠
たまには人間も立ち寄る
ネクタイなんか弛めて
汚穢なんて言われるが
ほんとうに心地よい斜められた大気
....
ここほれ!
と背中がつたえてくる
今のお前の生き方
じじばばに見せてやると
個体発生は系統発生をたどって
夕陽があらぬところに射し込むと
....
○「他生の縁」
登山道で
交わすあいさつも
他生の縁
山小屋で
同室になるも
他生の縁
洋式トイレで
尻つけ合うも
他生の縁
○「下山途中」
冷たい雨に降られて
飛び込んだ ....
あなたの胸は広い
悲しさと 悩みにひしがれていても
あなたの顔をみると
何も言わない内にふと軽くなるのだ
わたしの心は小さい
豊かに 楽しい時でも
あなたの顔に ....
{引用=まなざし}
鉄鋼団地公園の横
線路に突き当たる一本路で車を止めた
遠く路幅いっぱいに電車が駆け抜ける
一枚の幕 昔の映画のフィルムみたいに
時間について考えた
わたしは今という ....
わたしは箸を置いた
箸はわたしを置いた
わたしと箸は同じ置かれたもの同士
夏休みの端に腰掛けて
初めての話をした
眠たい話をした
存在に挨拶をする
挨拶は水のように沈黙する
や ....
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