その部屋には
水いろと黄緑いろのセキセイインコがいた
暖かなてのりだった
鳥にも性格や表情があるようで
水いろのほうが人懐こかった
そのさえずりを聞きながら玄関をでた
....
ひたひたと雨のふる夜の路地に小さな女の子が立っていた
女の子は少し屈んだかと思うと
黒いアスファルトの上でおしっこを始めた
雨とおしっこは混ざりあい低いほうへ流れていった
マンション三階の ....
青灰色のひかり
彼女のマンション
まだ5時だ
九月のセミが鳴いている
秋が混じっている
手を繋いでいた
ぼくよりも孤独を決意した
若くて暖かい手だった
....
どうしてママは
「痛」みを「陣」獲ったりしたの
どうしてパパは
「痛」みに「苦」しんでいるの
年長組の坊やの素朴な問いは続く
「どうして・・ねぇ ....
一杯のバーボンとブルース
煙草と笑い声
マスターの髭
子連れの君
何故だかわからないが
限りなく
幸せなシチュエーション
何も足さない
何も引かないって
このことかな ....
とばしても とばしても
小さな幸福は しゃぼん玉のように溢れては
淡く 脆く
空まで届かず
はじけて消える
けれど
空が水色に晴れた日には
私は 飽きることなく
幸福のしゃぼん玉を ....
午後の風がきみの髪をなぜる
ああ、とてもいいにおい
ぼくは小さな蜂になって
きみの、ひまわりの笑顔にとびこみたい
甘ったるく歌ったり
背伸びして空をかじったり
きみの気まぐれな野性に
....
今日はまあなんとか
明日もやりたくはないけど など
贅沢言って日が落ちる
日が落ちてからの仕事だっても
終わったら明日は明るいから
楽しい
ああ ああ
今日はよかったっすか
....
わたしが うたえるのは
あなたが ここでねむっていてくれるから
その細くあたたかい寝息が
わたしの血を走らせて
うたいたい
うたいたい
気持ちにさせてくれている
東京のはずれ
今日 ....
朝から赤ん坊の泣き声がする
お隣は余震を嫌って帰国かと思いきや
出産を控えて出国していたのらしい
ついこの間その家主から聞いた
つくづく万国共通だなと感心する、
不快の解消を訴える声はまだか ....
小蠅を優しくつぶした
初めての五十匹目です
ひとさしゆびの先端で
薄い壁の向こうがわの
恋人も眠り続けたまま
サンダルの隙間に砂が
ちくっとしたことを思い出す
切腹よりも
....
台風の夜を歩く
俺の傘を貸してやる
孤独を決意した高潔なたましいが
大風をうけて傘にひきずられている
おまえは俺を裏切らない
なつかしい体温のそんなかで
俺の傷 ....
空回りする日々
孤独に怯える日々
現実と理想のギャップ
世界に入り込めずに
また殻に閉じこもって
駄目なやつだと自分責めて
悲劇のヒロイン気取って
自分を否定するのは
もうやめ ....
バナキリンは
サーフィンもする
左腕にまだらのひもを結わえて
サーフィン
どうだい バナキリン
君はサーフィンも
できることになっちまったけど
ちいさい秋見つけたの輪唱は
町の裏路地を通り抜け
いつしか夕日ばかりの
河原の土手へと
手をつないで駆けてゆく
そんな幼い日の幻影が
電信柱の後ろから
にっこりと顔をのぞかせ
むかし聞 ....
バナキリンが
木の上に巣をつくった
というので
見にきてみた
枝の隙間に脚をねじって
後悔の空を見上げて バナキリン
でも 君が
それを望んだんだね
ばななの身に
きりんの形をした
バナキリン
というのが いて
草丈も短いサバンナで
こういつまでも
夏が暑いと
やわらかく 溶けてしまいそうなのを
困ってる
バナキリン
仕事帰りに、
本屋さんへ行って、
「たまごくらぶ」という雑誌を買う。
彼女が、妊娠したのだ。
ためしに、
『膣外射精 妊娠』で検索すると、
膣外射精は、避妊ではありません、と書 ....
道に信号があるように
私達の日常の旅にも、信号がある
「赤」で立ち止まる時があり
「黄」で慎重になる時があり
「青」で迷わずゆく時があり
ゆずること、待つこと
走り出す ....
出産後の妻とゆっくり過ごす為
休みをもらった日の午後
テレビをつけたら
決選投票で選ばれた
次期の首相が熱く語っていた
「政治というのは、坂道を皆で押す雪ダルマ。
あいつ ....
冷蔵庫の炭酸水を飲みながら、太陽をみちづれにして水時計の中身が落ちていくのを見つめていた。むらさき色の部屋が暗くなるまで、シンセサイザーの上でダンスを踊っても、凝り固まった意識が頭蓋骨に当たる反響音で ....
ゆってみなってゆーのはゆー
ゆってみなってゆえばゆーほど
ゆってみることをとおざける
ゆってみなとゆーならなおさら
ゆってみせるようにゆいなさい
ゆってみなってゆってみな、ってゆー
....
海月に刺された女の子が、ひらひらと漂着する砂浜で、ささやき合っていた熟年カップルは、あらわれてはきえていく波の前で石像になっている。
白い波と青い波を残したまま、海は水平線で折り返し、遥か頭上をずっ ....
僕はあなたのことが好きだ
僕はあなたのことが好きだ
誰かを好きなあなたが好きだ
誰かに好かれているあなたが好きだ
僕はあなたのことが好きだ
誰かを嫌っているあなたが好 ....
きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい
いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした
....
{引用=
一 はじまり
夜が
輝きはじめると
色彩は、
狂う
黒く
黒く、
生まれ変わっている
ようにも
見える
月は
今夜も
あかるいけれど ....
わたしのちいさなベランダに
一鉢のばら
その名は『ローズフォーエバー』
この花の
こころ和ませるちからに
わたしはおどろき よろこんだ
この広い広い空間では
時として滅多にない事が起こる
二次元的にも
三次元的にも
重なる部分は考えられなかった
日々の生活の陰にかすんで
うっかり見落とすところ
すれ違いざまに視線 ....
思うことの全ては
何も語られてはいない
きっと この街の中で
目にしてきたものとして
*
私が 捨てた夢を
人が通り過ぎていく
遠くに見えた横断歩道から
一体どこに向かうのだろ ....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ
旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
....
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