当たり前に動く この体も
ずいぶん使い果たしたものだ
これは借り物の器
自分の物であるのは魂だけ
それすら神に与えられた奇跡なら
空気に漂う気配だけが
己自身なのかもしれな ....
敷き詰めた地雷
踏まないように爪先立ちで歩く君
だけども小指が当たってしまって
凄まじい音と共に
私の心に闇が迫る
“ごめん、ごめん”と焦る声
熱くなる目頭
笑いたいのに、笑 ....
酔った足元がふらついて
自分がまだ歩いていたことに気が付いた
鳴り響く音楽は平和と叫ぶ――
――遠くでサイレンが人を運ぶ
クラクションで威嚇するトラック――
....
奇を衒う、という作風は
技才ある方がやるもんです
私のようなあんぽんたんには
到底真似できやしないのです
弁えております
それに及ぶ才がないことも
学に費やす気がないことも
努力 ....
歩道と車道の間にある細長い縁石を
すべからずの谷と呼ぶ男がいる。
「周りに高い建物があればある程、俺は燃えるんだ。」
「この高揚感をあなたにも感じさせてあげたい。」
と道行く人 ....
光が
眼を射抜く
明るさが
全身を焦がす
闇と静寂のうち
それだけが
僕を活かす
空間と時間
夜のサイレンが
耳を衝く
胸騒ぐ
遠いかすかな音
風が空が
笑っ ....
こんなに蒼い夜なんて
マグネシウムが発火して
残像、点滅、浮浪、波紋
ちりぢりなった光の幻がおもいおもいに集まり
光の切り絵でかたちどる街の風景
こんなに蒼い夜なんて
トリケラトプスが ....
高速の事故渋滞のせいで下道も混んでいた
何台かが裏道に抜けてゆくのに付いていった
そしたら知らないふとい道に出た
駅前のように店が沢山あってマンションが並んでいた
なんで今まで ....
空
抜けるような
青いうしろめたさを
雲
ぽっかり浮かんだ
白い嘘でなぞって
花
可憐な
ピンクのあてどなさを
葉
みずみずしい
緑のお節介が抱き ....
膣のないパン屋と
バグだらけの牛乳屋を
定期券片手に往復するだけの日々。
こういう月の見えない夜には
機上の人になりたい。
福引き末等の赤い赤玉を
小枝と一緒に運ぶ小鳥の
白い機上の ....
てのひらに
乗らずじまいの鳥でした
だから
わたしを探すなら
むこうの風の
枝あたり
落ちるともなく
揺られ続ける
木の葉の
ような
ささやかに
確信めいた一枚の ....
あの日は遠かった
今はもうこんなにすぐそばにあるけれど
思い描いた未来とは
ちがっている
私の思い描いた想像のなかにあったのは
小さな灯りの中にある
ささや ....
枯れてしまった微笑み
風も光もない瞳
その手を握ろう 暖めよう
何もなくても 側にいる
なにかあったら その肩に手を置くよ
君と私のいる場所の
次元すら異なってしまったとしても
....
表と裏から
挟み込んで サンドイッチ
そんなゲームが 有ったような
手つなぎ鬼は
一人じゃあ 出来ないの
缶蹴りの 準備くらいなら
あの 自動販売機の前で
カランと音させてか ....
昨夜から彼女の心臓の音が聞こえない。
もしかしたら、彼女の心臓は消えてしまったのかもしれない。
大きな爆発音の後から彼女のパルスは消えてしまっていた。
私は人間の腐った肉に喰らいついて、 ....
夕暮れに
帰りたいような
帰りたくないような
大人の顔で過ぎてゆく
あれはどこ行きの電車なのだろう
オレンジ色のバスの灯に
すいよせられて明日へ行く
斜めの頂点
十二時の山 ....
血が足りない
血が漲ってない
興奮に体が耐えてない
どことなく
全身が乾燥している
三ヶ月よく頑張ったよ
おまえもおれも
飲み干したカップを
静かに ....
想いがまたひとつ
キラリと白髪になる
喜び悲しみ
全て抱えて白髪になる
白髪の老婆になりたい
たくさんの想いを秘めて
思い出がキラキラとひかる老婆になりたい
川沿いを
髪のながい
女が一人
頭骨によく似た
薄赤い花を
五つ
のせて
乳母車を押してゆく
女がひとり
*
( ....
いま、立方体の中で手足を折り曲げている
きっちり蓋を閉めて 一分の隙もないように
それでもはみ出しまう「私」が漏れ出て
側面を綴りながら、ゆっくり滴っていく
シジン、と名乗っているうち ....
詩をよむ
襟をただして 向かい合い
掬いとられた言葉に耳を傾ける
駆けても丁寧にしても捕まえられない
のろまな自分をちょっとま棚に上げて
他人の世界に没頭すると
動き出すはずだ
....
育てる
花を育てる
愛しい我が子を抱くように
育てる
花を育てる
我が子の明日を夢見るように
※
よく見かけるひと
花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
午後の大きな顔が公道の真ん中を通ってずんずんこちらに迫ってくる。何の躊躇も無いその目の色は鳶色だ。逃げ出すことも無く同じ方向に歩きだす。その顔は側面から夕日を受け端正な顔が陰を作って歪み出した。夕日は ....
恐ろしい文字が天井にへばりついている
この地球を彫り上げる彫刻家と
話をする機会があった
「初めまして。僕は日の光のように形を持たないのですが、日の光のように、物の形を影として作り上げます。ですが僕が作り上げるのは影です。影は光を ....
正解を求めて辿りつくのは 正解なんてない、という答
この厄介なことばを呑み込めた時 たぶん僕は自由になれる
自分を信じること
それは自信を
持つというより
自信がない自分も
受け入れるということ
そうすると結構
何が起きても
平気だったりするから
今日も無理をしないで
....
俺の意味は着走している
何度もフライングし、審議に掛けられる
目線はゴムのような地面を貫通し、聖者の
夜と乏しき月夜の夜の雪崩、吸着し、
太ももは痙攣し、就きに出る、栄者の
儚き焦燥未来。唾 ....
彼女は困ったように笑う
道化の僕は困ってしまう
声をたてて笑えばいいのに
必ず彼女は眉尻を下げて
困ったように笑う
どうしてそんなに
困った顔で笑うのかと問えば
人の心を傷つけるから ....
ある静かな夜 かすかな旋律が聞こえてくる
ささやいている美しい音色 何故だか夢を奏でている
いつもいつでも同じメロディ
心に流れるこの歌は どこから聞こえてくるんだろう
誰が奏でている ....
2866 2867 2868 2869 2870 2871 2872 2873 2874 2875 2876 2877 2878 2879 2880 2881 2882 2883 2884 2885 2886 2887 2888 2889 2890 2891 2892 2893 2894 2895 2896 2897 2898 2899 2900 2901 2902 2903 2904 2905 2906
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