拡がるたびに
笑みは昇る
照らされる土
くちもと
数えます
沈みます
報告する
雨の道
ふちどりが
音になり
閉めても閉めても
吹いている
....
苔生した石の階段を滑らないように注意しながら、八月の名残にべっとりと濡れた九月初旬の山道を僕らは登り続けていた。装着して三ヶ月になる義足の感触にも君はずいぶん慣れてきたみたいで、隙を見つけては ....
途切れた糸
それでも僕は
忘れられない
そのふわっとした笑顔が
でもちょっとシニカルな
途切れた糸
ほつれるなんてないはずだった
無限のさざ波のように
花柄のワンピースが
....
すべてがあなたの声だった
忘れたいってもがいていた
ときどきあなたが
自身のことをよく言わないとき
ぼくはあらゆる悲しみになっていたよ
すべてがあなたの声だった
忘 ....
じゅうしょはしらないけれど
かおはよくしっている
むかししたくだらないはなしの
ないようもよくしっている
きみはだれなのだろう
れんらくさきさえしらないのに
わたし ....
それって国芳だろーエド・ハーディー
浮世絵パクって儲けてるエド・ハーディー
その牡丹は中国だろーエド・ハーディー
南画からもイタダキのエド・ハーディー
刺青の本場から言わせてもらうと
あんた ....
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
乗客も乗務員も置いて
青い列車は海に向かって出発する
座席には誰かが忘れていった
大人用の眼 ....
とんとん ふわり
軽やかに
嘘をついて まわりましょう
さあさあ どうか
鬼さんこちら てのなるほうへ
はるか明日をながれてゆく、あいまいなけむり
大きなくろい灰につつまれてしまって 見えないけど
あたらしいめざめを待っている
無数の とじられた視界のとなりで
あたらしいものがめざめる ....
もう、使わない言葉なら
勇気をもってさ
捨てましょ
ぽいって
昔はよく使ったんだけどな
なんて感傷にひたって
夕日のなかで微笑んで
捨ててしまいましょ
・
....
「明日も雨、降るのかな。」
「綺麗な月が出てたから、きっと晴れるわ。」
5.
黒い服
白い首飾り
海底バスに乗って街を行く
灰色の上空には
ゆっくりと沈み来る夕日がな ....
僕の心からメロディが流れ出て
この世を満たしてしまえ
この世が平和であろうと 戦争であろうと
僕の心からメロディが流れ出て
この世を満たしてしまえ
例え 君が聞いていなく ....
台風がそれて良かったと思うものの
荒れ狂う里川の変わりようを
術もなく見つめる老人の眼差しに寄り添うことは難しい
人様の身の上にふりかかった災禍などと
素知らぬ顔して晴れ上がった台風一過の ....
胸に抱いた
ちいさな逸脱を
きみは、
そっと足もとにこぼして
かなしげな
落ち葉のように重ね
どこか、
もっとかなしげなところへ
....
誰が為に 花は咲く
野の風に 消えゆく涙
こぼれた思いが 君を追って
私の背中を 押した
60cmの足取りは
高さ7cmの靴に変わり
多分 そのうち三点倒立
もうすぐ 木 ....
台風あけて
俺は追憶する
台風の夜を
追憶するのだ
こころは七転八倒していた
傷を唐辛子にすりつけて
俺は七転八倒していたのだ
台風あけて
俺は ....
竹藪は真夜中
地面を這うようにして
皿の破片や
古銭を拾い集めていると
突如として
立派な竹に行き当たる
触ると不思議に温かく
内からはほのかに光が漏れている
これは伐らねばなるまい
....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
....
今日もだめだって
うつむかないでいいよ
許そうよ自分を
甘えるななんて
強がりの
人の真似しないで
どんな人も
どんな性の人も
歳の人も
甘えたいの
許されたいの
許 ....
すべては整合していない
僕と君でさえ
愛は愛と呼べない
そんなの単なる
符号だ
狂気は混沌と宇宙への入口
星間の深い闇を
さらなる哀しみを
ストラトキャスターの
....
ひからびた雨は ふたたび雲にとらわれるのをおそれている
底のない青い穴 弱りきった栄養はもう 吸いつくされた
顔をふせ 膝をかかえて 冷めた今日にうずくまる
部屋の片隅で
こぼれた風 ....
ここにあるかなしみが
貴方をいつも曇らせてきたあのかなしみなら
引き受けよう。
伝染して、僕に移ったなら
引き受けよう。
子供の頃、家出して知らない森で一晩明かした君。怖かったと話してく ....
本当は
私を愛して欲しいのだ
貨物列車の地響きの
圧倒的な質量で
乱暴に
私をかしずかせ
それを私は言い訳にする
それを私は言い訳にする
あなたの今を
もはや問うまい
それ ....
アスファルトの熱に背中をあずけて
気持ちいいとか
舞い散る光と鈍い音が美しいとか
湿気に体をつつまれて
研ぎ澄まされてく、
高音の不快感と震える手。
ど ....
吸い付く肌
薄い、温度
熱い致死のなかで
恍惚として
私の涙膜に映る
自画像を見ている
帰る場所を棄てた
無様なひと
仮新 [21:35:38]
さて、
仮新 [21:39:27]
普通の親子丼と見せかけて
仮新 [21:39:48]
さて、
仮新 [21:40:02]
一 ....
純で
真っ直ぐな
君を想う
だんだん
うちとけてきたね
お酒が好きなのも
一緒だった
今度飲もう
何時になるかな
君と一緒だと
楽しくて
飲みすぎてしまうかも ....
つゆは丸く形をつくって
朝陽を微かに帯びる
土が膨らみ そこから
産毛の生えた芽が覚める
畝を越えて川を走り
山を駆けて峠をとびこえ
叫び声をあげて黙りながら
静かに賑やかに厳かにばかば ....
自然の水はあふれんばかりに、今日も
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ
{ルビ人間=ひと}の哀しみさえも
自然に湧き出ずる水の如く
美しい涙の{ルビ滴=しずく}は
君の瞳から、 ....
今日の入浴介助は
全身をばねにしてバリバリ働くAさんと
一人すろーに働く僕のペアで
一人のお年寄を介助する間に
Aさんは三人位してそうで
天井あたりから
数時間の動きを見ると ....
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