ベンチに腰かけた迷子は
それでも平気な顔をして
赤と黄のうずまきキャンディをなめていた
古ぼけた観覧車が
いくつかの嗚咽を乗せてまわっていて
美しい馬たちはまばたきもせず
ただ同じ無言 ....
君は努力してるよ
それをあたしは知っている
成果がでない努力は無駄じゃない
そんな言葉を呑み込んでいる
丸くなって君は
涙も流さず耐えている
君の努力の足跡が
さらさらと消えてゆくの ....
静寂の中
聞こえぬ音が
漂っている
リアルな凹凸
まだ見ぬ実体
見はなされ
おびやかされ
晒された者の
裏返る脳裡
粘液質のものが痛々しく
外気に触れられてゆく
これ ....
女は黄色が好きだった
あるときなぜかと聞いてみた
黄色はこころを明るくさせるから好き
ゴッホの黄色が目のまえに浮かんだ
黄色はこころを明るくさせるから好き
あなたの黄色に ....
手の中で粉々にした蝶
鱗粉がまとわりついた指
幼児の残虐性が目覚める
自分の手の中での理不尽な死
鱗粉で彩られた指 虹色に染まる
まとわりつくような夏の暑さに
気だるい顔をした少女
....
111005
ちょっとだけ
お知恵を拝借
素直に
πを分け合う時は
いつ訪れるのでしょう
いつでも就職難の記憶だけが残り
さほど期待されることはな ....
千年の紀憂の後
青天の霹靂
四月--最も残酷な月を経て
「日常」のここかしこにぽっかりと穴が開く
....
崖のうえから
叫んだ言葉は
アンナ、
涙の粒が
藍の海へと落ちた
ごめんよ
愛してる
今日もまた
私は心に嘘をついた
自分を苛む気持を誤魔化し
もっともらしい言い訳をする
何も感じてない訳じゃない
本当は
孤独感で一杯なのに
おどけたフリを ....
今朝も そうだった
この夏 初めての 保冷剤を 突っ込んだ
君への お弁当
去年は 半分サイズだった
重たいのを 君が 嫌がるから
こんなに 暑いのに
ペットボトルも 持たずに
....
風に靡く黄金色の原の影
命のバトンが渡されてゆく
円環が不満で逃げ出す者も確かにいるが
伸びた影が同化するまで私は此処に立っていたいと願い続ける
そして
引き継いで何かが ....
降りそそぐのを
右から整列させる
ぼくはもう
だんだん
目が暗くなっている
あかるいテレビから
もれる笑いごえが
喧騒が
壁をつくる
あしもとをぬらす
ぼくは
もう
だんだ ....
大きく翼を広げた烏は
雨を切り裂いて飛んでいった
困難や苦難の先に在る(オマケの)幸福を得るために違いないんだ
与えられた意欲への呼び水を無駄にはするな
そう言い残して
大き ....
田園は
青空の下で完結している
黄金の海の中
細い糸のように老いた
一人の農夫が稲を刈っているのを
私が妨げようとするとき
もう ....
ほんの少しよごされた
ガラスでできたコップに
最初の朝陽がまっすぐに注ぐのを
僕はじっと見つめている
....
合成音声の歌声が響く
ホログラムの彼女
一番身近で 一番遠い
自宅の端末で呼び出し
彼女とキスもする
一番身近で 一番遠い
現実に目を向けろと
親たちの怒鳴る声
一番身近で 一 ....
言葉の切り売り 100g 100円
なぜか夜に
側溝に転がり落ちる指輪の話を
たて続けに聞いた
どうやら別れ話と夜は
思ったより相性がいいらしい
こんなもの!
溝に捨てる価値もない!!
憎しみと ....
生きている意味を知るために
確かなものを探していた
信じたい言葉があった
『 愛 』 『 希望 』 『 約束 』
だけど解っているんだ
そんなものを信じるから
いつも傷つくんだっ ....
暖かい掌 冷たい掌 柔らかい掌 硬い掌
掌には いろんな感触がある
幼子のちっちゃな 紅葉の掌
老人の節くれた 皺だらけの掌
掌には いろんな人生がある
愛し合う恋人たちが 握り ....
そんな老朽化した家屋の
偲ぶ場所
なんて
もうこの世の
どこにもなくっていい
壊れてしまってもかまいはしない
ぼくの
わたしの
想い ....
おさないひと
その頬に
くちびるで 触れたなら
きっと、たちまち酸化して
朽ちてしまう
あなた、おさなさゆえに
子供が鈴なら 親の愛は それを揺らす風
世界が鈴の音で いっぱいになれば いいのに
かみが かわくまでは
はにかみで あいせそう
つきのうらがわの めつぼうのあらすじも
かわいた だいちの のろいのことばすら
そよぐ水草、駿馬のたてがみ かみが かわくまでは
....
信じられるかい?
人間が月に行った事を
信じられるかい?
君と月を眺めてビールを飲んだ
あのビルの屋上は閉鎖されたよ
信じられるかい?
夜中に忍び込んで水面に映った月に
誰もが息 ....
粘土で
象をつくったら
「可愛いきりんね」って
誉められました
たこ風味の
おかしな生きものをつくったら
「足が多いよ」って
注意を受けました
気ままに
まるをみっつ並べ ....
退屈なときだ
光る石がずっと雨に濡れている
こけおどしの証明
君のいない雨の日
しぶきを跳ね上げてもひとりぼっち
さみしいのにはもう飽きた
日干しの洗濯物の匂いが恋しい
だからここで踏ん ....
騒音の中にいた
僕の気に入っている子を目で追う
少しの間ふらふらと部屋を彷徨った後彼女は
裸電球が周りに幾つも並んでいる大きな鏡の前で
化粧を直し始めた
僕がもたれている ....
ネットオークションで
小さな駅を買った
小さな駅には
小さな電車しか停まらなかった
小さな電車には
家族がいっしょに乗ることができない
いつのまにか一人ずつ
だまって家を出ていった
....
宇多田ヒカルが歌うよ
悲しい恋の歌
今、確かに
心が動いている
心が柔らかくなってゆく
音が心に響いてゆく
音楽が僕を素直にしてゆく
考えるのは君のこと
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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