蛙の大合唱が
消えて久しい
子供のころは
水田から一晩中
蛙の大合唱が聞こえていたのに
満月の深夜
小便に起きると
月の光にこうこうと照らされた水田から
蛙の大合唱がオーケスト ....
5年ぶりに座った
ブランクを感じない座りだった
思えば昭和57年から座っているのだ
ふと和尚の警策を受けてみようという気になった
予想どおり温かい心のこもった警策であった
その後典座担当の作 ....
話をすればそれらは
すべて白紙になる、例えば
真冬の薄暗い水面を航行してきた
一艘の空気自転車が
小さな港に着岸する
凍てつく畑を耕す幼いままの父や
瓶の底に落ちていく身体
擦り ....
煙りのなか、ただ どうしようもなく佇んでいる。
煙り、のなかに、ただ、どうしようもなく
灯りはある、そして機械がある。
機械的に機械するわたしは機械ではない。
....
顧客の正気を失わせろ!
弱ったところが狙い目だ!
欲望羨望焚き付けろ!
enogh じゃない、moreだ!
不安を煽れ!
要らないものを買わせろ!
古いものは捨てさせろ!
ま ....
砲口のまえで、
つねに張りつめている、
灰色のくもり空のした、
まなざしは玉結びのように、つねにかたく、
未開にもひとしい、山道を、
まるで履きなれない軍靴で、
踏みしめて、
ゆくように ....
靴音が恋を追いかける
パダムパダム と
絶え間なく追いかける
その 切なさ
激しさから
逃げようとするのだが
もはや息が切れてしまった
恋はほのぼのと燃 ....
自称詩人が父親と共謀して
ホテルで自称詩人を殺害し
その首を切り落として
自宅に持ち帰り
記念撮影をするという
爽やかな事件が発生しました
自称詩人はその後
自称詩投稿サイトに
一編の ....
立ち現れる
貴女の姿、
美しく毅然と
荒れ狂う嵐、
最中見守る
その眼差し瞳、
うっすら透徹な絹を織り込み
血流波打ちあらゆる色彩の交わり争い毒づき混濁する、
わたしに触れ わたし ....
土の中の箱の中に
しまい込められた
あの頃の未来の絵は
もうとっくに
古くさい世界で
そう
あなたはとっくに
幸せになってるはずだ
風の知らせで ....
いまは夏休みということだ
同じアパートの一年生がアサガオを持ち帰り
朝晩水をやっている
ここ数日の暑さも少しやわらいで
きょう風はさかんに木漏れ日をゆらしている
濃い影から飛び立った 一羽の ....
青みを帯びた夜の溶解
澄んだ孤独の波動に
見知らぬ人が
心の廃墟を弄んでいた
やがて夜が退き
時がひっそり浅瀬を形造ると、
澄んだ孤独は
何事もなかったように眠りに就き
到来す ....
マスクは
顔半分を削ぎ落す
美容整形の一つです
欠けた情報を
人は美しく補正します
人見知りも
表情を半分を削ぎ落す
美容整形の一つです
欠けた情報を
人は美しく補正します
....
未だ 秋は
何処に居るかも解らない季節なのに
あなたが別れよう という
緑と
白と
二色に色分けた水が流れる
橋に立てば
上流にまわる水車
そして
長く流 ....
こわい箇所だけ集めた 試写会のような
夢
夢は ひろい鏡に浮かんだ
あおじろい入れ子
口の中はレトロ
ほの昏く暖色な
どことなく固定された感ただよう炭酸臭
安っぽいシ ....
忘れ物 に なったハンカチ
あわいもも色 うさぎを飼って
駅の向こうから来る
おんなの子を見て
つれていって
と、輪をかいた
石のむれをしずめた 海と
とおい空 かすれた ....
「0」を探す旅は続く
一昨日も今日も
おそらく明後日も
「0」は見つけづらい上に
なかなか手に入らない
排水溝の鉄格子に引っかかっていたり
街路樹の枝先で揺れていたり
さ ....
降りしきる砂に埋もれてゆく
さまざまな過去が現れては消え
羽のない水色の鳥は
ぼんやりとした想いの空をとびつづけた
ここが幻だとしても
今は見ているものが現実だった
砂に埋もれてゆくからだ ....
緑の灯り
セブンイレブン
一緒におでん食べた
さらに夜更けに
あなた飛び降り
わたし観ていて
あなた叫び
わたし聴き
ただただひたすら
静まり静かさに
均衡と調和
包 ....
猛暑とよばれる森のなかで
わたしはいつしか
魚になった
あまりに場違いな
魚になった
だれも皆
自らの汗を拭うことに
気をとられ過ぎているから
辺りはいっそう
潮にま ....
潰れた店のカラッポが
熱風に歪むコンビニの
道向こうに広がっている
イートインにて独り
アイスコーヒーを啜りながら
そのガランドウ見ているじぶん
じぶんの虚ろがガラス越し
ビル一階一室の ....
作業をしていると
体温があがる
汗がどんどんでる
それでもあがる
水道で
手のひらを流す
肘から先も流す
蛇口の下に突っ込んで頭も流す
身体の中には
確かに血が巡っていて
....
夏でも朝は涼しい
この辺りは家が沢山建ち
ラジオ体操やる場所がなくなった
よく見掛けていた朝顔
朝早く外に出ると逢える
淡い色合いが
夏の季節に似ている
涼しさも合わせ持っている ....
ゆれる ぬけがらの重さ
ひとつひとつ 声に彫られた
ふるい幹のこまかな傷と
蝉と烏 青を奪いあう
にぎやかな今日
不意につまづく
日傘をさした子づれの伝道師が
扉 ....
夏の水の力を借りて
包丁を研ぐ
冷たい石の周りで
世界は沸騰し騒騒しい
蝉は
悲しみを
果てまで
追い詰めて鳴く
時折
人差し指で
刃に触れて確かめる
すり減りながら
鈍色 ....
○「有難い話」
猛暑の中
ふだんどおり仕事をしている人たちがいる
先ほどゴミ収集車がいつものように来た
こういう人たちのおかげで
世の中がまわっているのだ
有難い!
有難い!
○「 ....
海からの帰り道
バスの外から照らす 太陽を
いつも見た 海に
今は黒ずんだように
焼けた 肌で
コンビニで弁当と惣菜をひとつ
缶ビールは明日のためにふたつ
あとはテレビをつけっぱなしで眠るだけ
冬には窓のすきま風が冷たく
クーラーをつければ部屋から出れない夏
そんな二階のアパ ....
破壊された誇りと
再建されたハリボテ
壊されて悲しかった気持ち
作り直して悲しかった気持ち
tiny
胸ポケットに入れて
そのまま忘れちまうよ
tiny
体のどこにも
そうい ....
貴女は歩み入り遠去かる
貴女は遠去かり歩み入る
あたたかなほのかな熱おびる私に
夜陰に響く遥かな声 大切なんだ
(闇に暮れゆく空、眺めては
既に別離しあなたを想い)
綴られて行 ....
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