いつ植えたかも分からないチューリップが
たった一枚の葉をぺろりと生やして枯れた
抜こうとした
葉だけが千切れた
もはや太らない球根は眠り続けている
外は悲雨だから
いいんだよ、いいんだよ
ぼろぼろ泣いて、いいんだよ
話しかけないでください
静かに
ハサミの音を聞いていたいのです
質問しないでください
今は
答えたくないのです
話しかけないでください
ただ
髪を切りに来ただけ ....
コスモス、小さく咲いた
香る花、美しい白
そっとつまんで顔を寄せた
あなたのような秋が来た今年
穂も色づいている
素敵な時間
わたしのそばに
花がある幸せ
二人占め
hot hot water
わたしの心を濡らす水
髪を洗ったら
明日に向かう
好きな言葉を思い浮かべて
すべての現実に対峙する
わたしの好きな色
わたしの好きな音階
あなたとわたしの間 ....
だれもいない浜辺
雲たれこめる朝
ざらざらの風が
砂を散らし
灰色のながれ木は
憧れの骨のよう
足跡をひとくみ
ためらいながら綴る、
消せないのですね
そうかと思えば ....
あなたが生きているのは
昔わたしと半分こしたから。
今もずっと生きてる、
死んじゃいないよ。
大きな汚れた都会で会いました
ど ....
青い服でとなりにいるけれど
距離は大きい
知らない人みたいなフリで
話さないでよ
お酒を飲むわ 昼間から
早くケリを付けたい
あなたが夫だとして
私は妻かしら?
「いっ ....
横断歩道でフライング渡りする
ビジネスマンらしき人と目が合って
そう、私も指標にしている
あなたをだ
狭い地方都市に
気だるい午後の陽差し
何処にも行けない連帯感
話をした後生き ....
焼けつくような空白に
飛行船の影がおち
焼けつくような空白に
赤いりんごが転げでて
焼けつくような空白で
りんごを拾うほそい腕
焼けつくよ ....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば
いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....
声が重なる教室の中で
重力に負けたコンパスが 滑って手に刺さる
どうしようもない自分の静けさ
急な空洞を埋めるように 自らが流れてきて
小さなかさぶたを作る
わたしのことはもう見 ....
幾千もの電球がその家の周りを照らしていた
そのどれもが小さく弱い光を放ち
それはとても暖かく
そしてよそよそしく個々を消失させ
一つの個をなす静のようだった
緑の芝生は黄 ....
何のために
誰のために?
意味はあるのか
何も無いのか
結局はそう
自己満足なんだ
問いかけた言葉の渦は
濁流となり己に降りかかる
流されまいと踏みとどまる自分が
滑稽に見え ....
憂うつな顔をして目玉焼きを食べているぼくの目の前にも
化粧を落としたきみの寝息が聞こえてくるような気がする
きみの犬を探しはじめて二週間
駅の裏までやって来たけど広すぎて何もみえない
....
きのうあなたの夢を見たんだ
あなたはぼくに冷たかった
ぼくは遠い心でそれを憎んだ
秋の虫が星のように鳴いている
小さな命に割り込んでゆく術を
きょうも眠りにつくまえ見 ....
]
明るく整美されたものは嘘の塊で
誰も知らない永久の、霊園の透過率だけが信じれた、
良いとか悪いとかは馬鹿らしく、定められた性は
根絶すれば良いと思った、その正さえも悪だった、
....
うちの猫 とってもとっても かわいかったよ
うちの猫 摩訶不思議な模様だったよ
うちの猫 色々なしぐさをしてくれたよ
うちの猫 色々な声で鳴いてくれたよ
うちの猫 爪をとぐ ....
雨が静かに降っている。
この悲しみを流せるか
悲しみすべて流せるか
雨がしとしと降っている。
この嘆きを流せるか
嘆きをすべて流せるか
雨がひたひた降っている
この苦しみを流せる ....
晴れた空が見守る 僕らそれぞれの物語
終りはない ただ紡がれる
柔らかい風に乗って 甘いサザンカのにおいがする
生きることは 感じ取ること
君の傷跡が燃えるとき 雨のアスファルトが泣い ....
ちひろ、 居るのかそこに?・・
ちひろ、 どうなんだ。
朝は焼けて くねる体が 解きを刻み、生理盛り上げて 意気、整列す。
DNAの光 妨げて挨拶してる 波の炎屑、輪我に 笑視し ....
忘れてしまえとある人は言う
そう念ずるたびに思い出す
忘れなくてもいいとまたある人が言う
思い出すたびにずっと涙する
ずっと心は揺らぎ続けるだろう
治らない傷は抱えていくしかない
鏡を ....
無数の夢の中で
ひどく 疲れ
街並みを見ていた
無数の思いの中で
手にできそうな感覚
それは 真実なのだろうか
人のことなどわからない
私は 生きていく
....
今夜もまた眠れそうにありません
2時間前に飲んだクスリは一向に効いてくる気配がなく
仕方がないので強いお酒を呷ってみましたが
余計に目が覚めてしまう一方なのです
考えないようにしているつも ....
陸を泳いでいるのは
Kさんの舟だよね
裏山の崖で逆さになっているのは
Bさんの舟だよね
自慢の大漁旗はどこにもないね
あっという間に飲み込まれて
そして流されて
船体にかすかに残っている ....
朝に堕ちれば山が在り
迎える刻にも海はある
いつまでも生い茂る森のなか
陽射しに誘われ花も咲く
ひとにはとおく
けものには為れず
流れる水を汲み上げる朝に
映る瞳の影はつ ....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ
つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ
のどぼとけがなって和尚さん ....
死はそこにある。いつでも。あるものとして
恐れてはいけない。
おそろしいのは
おびえる心だ。
誰かのために生きられないことは
ぜんぜん悪いことじゃない。
おそろしいのは
生きない心だ。
....
「もう秋だ」
誰に言うでもなく
ただ、ポツリ、一人呟く
風がだんだん冷たくなり
空気が澄んで空が高くなるのが
誰にも言われずにわかる
スーパーでレジ打ちのバイトをしているが
....
室内楽
感銘という
陳腐な言葉で飾り立てられた
フリルとボウのブラウス姿の種馬が行く
題字ばかり大きい
ささやかな詩集を片手に
トム・ジョード役ばりの
理知的気品を醸し出す歩幅を以 ....
2827 2828 2829 2830 2831 2832 2833 2834 2835 2836 2837 2838 2839 2840 2841 2842 2843 2844 2845 2846 2847 2848 2849 2850 2851 2852 2853 2854 2855 2856 2857 2858 2859 2860 2861 2862 2863 2864 2865 2866 2867
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.94sec.