黄ばんだ紙
表と裏
その間に
地方都市
雑居ビルの一室から
産声
産まれることの
懐かしい痛み
短い言葉は
短い影をつくり
壁は語られる
曖昧な
理屈 ....
大昔は立派な国で
偉人もたくさん生まれたよ
ソクラテスにアリストテレス
みーんな悩んで
大きくなった
ああ、わかってくれとは言わないが
そんなに俺たちが悪いのか?
(やっぱ、悪いんじゃな ....
君からの
たっての願いだった
僕は右手で黒ボールペンを握り
左手で君の口を開き
頬の内側の
赤く柔らかな肉の上に
文字を刻んでゆく
インクがつくは ....
外側の光を見て
内側を感じよ
今、至る所で楔は打たれて
人々はそれに似た悲鳴を上げる
君が言葉を沈黙させて 跳躍する時
君は自由だ
今、僕の広大な空に
一つの ....
ほら、聴こえるね
あの泉の谷から滲みだす
さまざまな色のことばたち
煌めきながらばらばらに
散っていった無数の肉体 その
かけらのなかを通過していく
衣擦れのような音が。
渇い ....
部屋の壁に
窓からもれた街灯のあかりが
色のない夜を映す時間に
路上で叫ぶ人影は
ざわめく静寂を打ち破り
揺れながら走る鼓動を示す
微かによどみ火照った体は
....
ミスター・ホリディ!
左胸に風穴をあけて
そこから空の碧
突き抜けてる!
なんてチャアミング!
海沿いを奔るだけの
汽車に乗り込んで
あの変な容器に入った
お茶を呑もう ....
電信柱の
路地を抜けて
懐かしい唄は右手に
選べないからだのまま
どこまでゆこうか
どこまでゆこうか
手を振っていた
知らない帰りみち
知らないあたしたちは
....
耳の奥が痛いのは
雪がみんな
音を喰べて仕舞うからなんだ。
って、雪原の真ん中で
ボンボン帽子の男の子が
教えてくれた。
(掌があったかいね。)
(向こ ....
今日も詩を書けばいい
古い恋人との思い出を捨てるように
思ったことをノートに書けばいい
人を殺すように
心を 痛めつけるように
自分を そこで 主張するがいい
家に帰れ ....
触れるものすべて滑り
加速度を与えられ
宇宙の彼方に吹き飛ばされる
滑走した形跡は
反射されながら剥がれ落ち
足元に実体 宙に残像の音を残す
残像の音 溜まり、暴れ
ぶつかり合う ....
くるまのにおい
せかせかと女の人の横を過ぎる
冬になると夜は寒くて
暗くなると星がみえる
風邪をひきそうだな
最初からずっとつめたければ
さわってみたら火傷した
痛むころにはもう ....
おんなはなにでできている
せいしと自尊とよくぼうと
ギャロップかたてに下北沢
ようやくひまをもてあまし
徒歩0分のカラオケあきた
とおりすがりとおりすがり
あなたのおなまえなんてえ ....
小石には刻まれた文字がある
忘れられた形見
鯨の骨の穴三つ
祖父が死んだ日は知らない
祖母が死んだ日は少し悲しかった
花びらのなかに埋もれて
小粒の涙が乾くのも早かった
遠 ....
悪い頭を持った奴の口から出てくる言葉が悪口
だからおまえの話は全部悪口
思ってるよ
いつも頭の悪い器の小さいしょうもない奴だって
でも人には言わないようにしてるんですよ
だってそれは悪口 ....
生きていくのは
老いゆくこと
病む心身ともに
死にゆくこと
愛でたいものとは
いずれ別れる
怨みつらみは
つのるのみ
求めるものは
手に入らず
感覚過剰で
脳の混乱
....
クジラに呑まれて死にたかった。暗い胎内の小高い場所で三角座り。マッチを擦ったらすこし歌って。誰も助けにこないことがちゃんと分かったら。アイスティーの海にくるぶしから溶かされて。人魚として生まれかわ ....
一二(にのまえ したなが)は
つるぺたな子しか愛せない
一人暮らしの専門学生!!
そんなヘンタイ故の
寂しい青春を謳歌する彼の元に、
ある日突然キュートな
「幼女」がやって来た!
....
耳の奥へ向かって
ツンと叫んでいる
胡散臭いと思いつつ
ガチガチの理屈を裏返すと
ぼろっちく縫い合わせてある
どんなに可笑しくて
どんなに正しくても
ほくそ笑んでウフフと笑う
大人にな ....
あなたの書くものに
目を通すのは
もう日常になっている
そして 感じたままを綴ることは
出さない手紙のようだ
返事もなければ
読まれることもない
いつまで続けるのだろう
あ ....
白い部屋で ひとり
夢みたいなことばかり 思い描く
そして 一周すると
今度は 闇みたいなことばかり 溢れ出す
絡み合った糸玉みたいになって
やがてすべてが 消失点へ向かう
そこまで来 ....
とぼとぼと夜をこぼしながら
中途半端に高いビルに挟まれた通りをあるいた
あなたに見つからないように
ぼくだけの空気を吸うために
やさしくなれるような気がしたのは気のせいか
....
目的の無い笑い
今日から目覚めたら
風の強い日に
流されてる気分で
放課後の内緒の話
救急車が五月蝿くて
大事なところだけ
聴こえなかったよ
曖昧な記憶は嫌い
そこだけ分 ....
渋谷で夕食にした
友人はペスカトーレのセットと生
私はアスパラガスとウニのトマトクリームを頼んだ
隣の若いカップルは今しも席を立つところ
突き当たりにはインド系のカップル
パキスタン人かも知 ....
ひとつの指をひたし はじまる
どこまでか語らぬ夜の布
音の氷 青の氷
散らばる
片目の月 鉛の月
色のない筆に暴かれる
空は骨
空は骨
青のどこかに金があり ....
抱き合うより
見つめ合いたい
そんなお年ごろ
まだつたない指先で
あのときの私は私なのよ、と
マフラーをひっぱる少女
きみはまだ生まれてなかったでしょう?
たくさんのことがあった
毎晩 それをノートに綴った
ぼくの家は絵描きだったから
銀色のきれいなカブラペンをよく使った
ろうそくにともす
ぼわっ と
窓が染まり
瓶の中の蒼い影をもちあ ....
ニッカポッカ もっとずっと遠くへ出かけたいな
ニッカポッカ リュックしょって地図を広げて
ニッカポッカ ポッカロバを一頭引き連れて
ニッカポッカ 闊歩闊歩マングローブの森を歩いてゆく
暗闇 ....
かぞえる
今コーヒーカップに落とす角砂糖を
喫茶店のドアで涼やかに鳴ったベルの音(ね)を
雨上がりの街角で曲がった回数を
巻き戻して
振り返って
かぞえる
音がとぶまでCDを回した数 ....
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