突然降り出した、
ガラス色の雨。
失恋の涙にも似た、
ガラス色の雨。
梅雨の終わりに降り出した、
ガラス細工の雨。
雲というガラスが砕けた、
ガラス細工の雨。
傘を差している背 ....
あんまりがんばり過ぎちゃうと
ぐったり疲れてしまうので
心の中にたった一ヶ所
小さい風の抜け穴がほしい
あんまりまじめに働くと
人々の囁く声が気になって
ろくに寝れなくなる ....
仕事帰りの若いサラリーマンが
夢庵でネクタイを緩めて
しゃぶしゃぶ定食を食べていた
思えば僕にもそんな
寂しさにみたされた夜があった
職場の老人ホームで
お年寄りが喜ん ....
少年の反駁
指の関節に力みが掛かる
苛々するとお腹が痛くなる
文句を垂れるより
先に舌が渇いてしまう
きっと僕の心は
ぶすぶすと焦げたニオイがする
直立の犬
定義に拘る人がいる ....
きみが歩くたびに
胸の地球儀がゆれる
ここにずっと、いてもいいのに
ボコボコにしてくださいよ
ぼく地球の痛みわかりたいんです
どうかおねがいです
もう明日歩けないくらいのちょうどいい感じにボコボコにしてください
あとぼくもう罪でいっぱいなんです
あなたが殴っ ....
夜が落ちてくる
夕闇の秋
空に残る青の名残
雲の陰影
輝き始めた三日月と
まだ小さな一番星
切り取られたような山際に
影絵のような樹木達
光と影の混在は
もう指先まで押し寄せ ....
街の本屋さんで
握手会をした
テーブルを一個出して
ぼくはぽつんと座っていた
なんの垂れ幕もなく
司会者もいない
道行くひとは通り過ぎてゆくばかり
交差点の信号が変わるたびに
秋が ....
髪が青みがかっているようにみえた
だから、
違うと思った
君は違うと思った
道端で
君は猫を撫でている
可愛い猫
君は可愛いいと言う
可愛いと
僕は珈琲を頼んだ
君はクラン ....
耳鳴りがして傘を払った
季節外れに咲いた白い花びらが散った
雨の降る
確率は40パーセント
インフルエンザの予防接種を待つ
病室でプロポーズ
この樹にとって僕は何であり
僕にとってこの樹は何であるのか
と
ポケットの中で問いつめたくなる季節がやってきた
僕が立ち去っても
鳥たちを集め
僕がゼロになっても
無の中で
散り続ける ....
道がある
道が二手にわかれている
どちらにも行きたいし
どちらにも行きたくない
球がある
投げることができる
転がすこともできる
無視する
行く道にはどうか茨を
球にも棘を
....
ふとした瞬間に
シワができたことに気づく
ツルツルだったあのとき
覚えているでしょ
赤ちゃんのようだと
何度も何度も触られた
あの日のように瑞々しい
あなたでいてね
「あきらめない ....
生きている。
笑っている。
不思議なものね。
あなたがいなければ息を吸うことも儘ならないと思っていたのに。
否それは紛れもない事実なのだけれど、
生憎自分に嘘を吐くのは得意科 ....
夜の遊園地で
忘れられたこどもが泣いている
メリーゴーラウンドのうえ
コースターの支柱のかげ
観覧車の箱のなか
夜の遊園地に
忘れられたこどもは
こどもの姿のまま
たそがれ
台所 ....
瑠美子さんは昔から
玉のような麗人だったが
きのう出会って驚かされた
50代にしては白い素肌
それはいい
話しながら顔を見ると
美とはこんなものかと驚かされる
にこりと笑う瞳の
優 ....
昼寝のまどろみの中で、僕は重くなってきたまぶたを少し開けた。
控えめに響いていた足音は不意に立ち止まったけれど、ゆっくりまた歩き出して、やがてそれは僕の目の前でとまった。
....
部屋の電気をつけようと
のばした手に
冷たい手がふれる
目を閉じても聞こえない
排水溝に水が流れていく
無関心なざわめきが街からきこえ
ぼくは窓の外を眺めている
通りを徘徊するばばあの持っている
乳母車の中身はしゃれた靴下が一足で
足音を消すには物足 ....
単純な方法に慣れて親しんでいたおれには、この街の未来がありありと見えていた。ありとあらゆる工場は廃墟と化す前に打ち壊されて、その代わりに実体のない紙幣に踊らされたモラリストたちが残飯を食ったりするレ ....
ラフォーレ原宿を軸として
一羽のカラスがオタクな周期運動………………………………………………………
SF作家のhydeが涎を垂らし
加藤智大のモノマネを破滅クルーに披露すると
ぱみゅぱみゅ ....
春、一斉に花びらひらいて
みんな
死んだ冬のこと
忘れてた
あたしを殊更に
どうかさびしく
絶えずその
可愛いつむじの辺りを
くるくると廻っている
....
「いつの日の事だったか
あたし よくは覚えていないの」
((雨・雨・雨の音))
瞼を潜って沁みてくる光
カーテンを閉じて
もう
睡って仕舞い ....
そのころ
あたしは
すっぱだかになって
ベットにもぐっていた
おなかのビーチ
ちょうしっぱずれの
カセットテープが
へやのすみで
まわっている
おぉーい ....
彼女がたとえ男だったとしても
ゾウだったとしても
ぼくは彼女の存在を愛しています
今朝そう告白して
そういうことだったんだと
はじめて楽になれたような気がしました
....
コーヒーを飲みながら遠い思い出をたどっていた
あの頃 僕は マンハッタンの中で必死でもがいていたっけ
日本では成功できないと思っていた
そして 回りは僕のことなど理解できないと悟って ....
まっしろ、めをとじる
とたんにちっそくする
くるしいくらい
なみだはでない
てつごうし、ちのあじ
こうそくぐのきぬずれ
おふろにはいりたいな
ごはんをくちにながす
くすりはふえたようだ ....
また泣くのか
また泣くのかと
母が問う
今日こそは泣くまいと
幼い私は唇を噛む
妹が隣で笑っている
痩せた身体には
いくつもの痣
それというのは母が
私のことを嫌いだった ....
青、青は都会の海の色ではなくて
映り込んだ半島の空の色だ
水面に浮かぶ彼の名を誰も知らなかった
休日のサラリーマンのぼんやりとした気分と同じように
朝の風景は
彼の思想の輪郭までも
少しず ....
遺影の朝や。
嗄れる
遠雷の
ぴんと空気はしっとりしめり
入道雲の成れの果
あめんぼすいすい
あめんぼすい
いずれいっしょにほほえみ浮かべ
ある冬の先にある ....
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