雨あがりの夕まぐれ
駅前通りの小路で見かけた
たどたどしい足どりの小さな長靴
ランドセルは背負っていないけれど
スクールスカートを履いて
片手に持つ二つ折りの画用紙
....
習い事をする指
花粉が入ってきて
鉛筆に降り積もる
狭い心房
右と左がある
一時間後バスに乗る
土の上、優しい
柔らかな色彩の
ように息継ぎをする
発熱、発汗、
生きている ....
とある真夏日、とても楽しくじゃれ合いながら、ともに駐車場まで歩いているみたいだ。アスファルトのうえで羽を休めている早生まれの赤とんぼがその過程でおとこの手に選ばれる。それはまるで透明なうすい玻璃で拵え ....
いつからか
私のまわりを古びた影が踊るようになった
冷たい唇を
心臓にぴったりとはりつけて
やがて
血汐をすいとってしまうのではないか
だが
....
陽の光 溢れ
青の天空 遥か高く
鼓動 確かに
己 在り
街道横切る銀輪の輝き、
学生たちの声のさざめき、
母親に抱かれた赤子の眠り、
杖つく老人の覚束ない足取り、
平静な内面 ....
その視線はどこを見るでもなく
誰を みるでもなく
そして何に
留まるでもない
体になじむポロシャツと
洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん
きっとシルバー人材センターか ....
ネズミにかじられた日々
錆びた釘
二階の楽園から逃げ出して来た蝶がテーブルにとまっている
青い翅に書かれた詩
息と息の間の甘い舌のもつれと苦い錠剤の散弾が
古いR&Bのむこうとこちらを煙のよ ....
それじゃ
この活き造りにしようか
あと、この日本酒追加ね
あのいけす
うちの会社みたい
(沈黙)
あっ、網で捕まえたよ
すごい跳ねてるね
えっ、あれを食べるの?
なん ....
○「不幸」
他人の不幸は蜜の味
自分の不幸は地獄の苦しみ
自分を世界で一番の不幸者にしてはならない
○「これからの詩とは」
人工知能がつくる詩と
人間がつくる詩と
どこが違うのだろう ....
いまとなれば
遠いおはなし
うすい膜のなか
半透明の階段をのぼる
(あしおともきこえない)
くうきの浸透圧で
うかぶ猫の蒼い眼が揺れる
水の音が、間隔をおいて、したた ....
どんなに小さな町にも
大きな幸せが育まれている
大きな町に大きな幸せが必ずあるわけではない
大きな心には大きな幸せがやってくる素養がある
大きな心の単位はなんだろ ....
あなたと目が合えば
照れてしまいすぐ赤らむ
見つめれば
何かが見えてくる
あなたの優しさが見える
何をしていても
心の何処かでは
あなたを感じている
毎日は逢えないければ
....
たゆたう大洋の真ん中にて
哀しみのたましいの層 覚醒し露わに
響き渡り届く声の清澄な呪い 天を突き抜け
聳える嘆きの壁 その精緻な構築 木霊し歴史に累々と
この私という一個人の ....
○「心友K君の思い出1」
何でも気軽に相談できる中学時代からの
心友K君が急に亡くなった
結核食道ガン肺ガン咽頭ガンなど数々の大病を乗り越えてきて
「俺はガンでは死なないよ」
と酔うと言 ....
風の中に雨がむせび
雨の中に女がむせぶ
長く長く
細く細く
胸の中に
容赦なく風が吹きこむ度
血潮のいとおしさに女はむせぶ
過ぐる日 ....
凄腕のガンマンが
一線を退いたあとは
殺した相手の供養か
田舎で隠居生活か
しかし赦さない(あなたが)
老骨の手は震え
(あなたが)という弾丸を
最後の仕事として放つ
「ま ....
街では亡者たちがうろついてる
目的を忘れた間抜けたちの群れだ
どんなに掃除をしても街路は汚れ続ける
どんなに愛が溢れても醜い憎悪に変わる
焼き立てのパンにピーナッツバター
幸せの理由なん ....
廃墟から
見える現実、
偽りの世界
*
渦巻く宇宙の岸辺から離れ
静かさの森奥深く歩み入り
この白い小部屋にて
網戸にしたまま
カーテン開き
夜を迎える
灼 ....
夜
月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている
朝
目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した
....
総勢五十名の審問官が横一列に並んだところ
壮観であるとおっしゃった
かの君
ウツボ座の椅子は非常に座り心地が悪く
座り直すたびにずり落ちる王冠はまるで
重力波へくちばしをくりかえし
く ....
アパートの軒下で
猫が雨降りを眺めている
虚ろな無関心な
人間の目をよそに
瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し
遠い海鳴り宇宙のそよぎ
軒下の猫 夢みてい ....
見えない陣が静かに張られ
消せない悔いを学ばされる
通学の青にも馴れた頃
無菌にされてゆく教室で
午後の解答欄をはみだした
もっとひろい紙の方へ
未来をつかうことば達を黙 ....
波がそよいで
靴底に、沁みる
遠い水を{ルビ浚=さら}い
海が伝う。
{引用=あの日}
そっと {ルビ掬=すく}い
手の内にきえる
一瞬、少 ....
わたし
この世界にはこの世の中には凄腕の表現者どもがわんさか居て
彼彼女の評価されない作品がこの何十年だけでも山とあるのに、
何故ネット内の身内でちちくりあってるのかがわからなかった。
今にし ....
フランキスを戸惑わせている事柄がもう一つあった。
それは、ライランテ大陸の東方にあるヤーコンの諸国家群の意向である。
彼らは、アースランテと足並みをそろえようとしていた。
そうして望むものは、も ....
フランキス・ユーランディアは戸惑いの表情を隠せなかった。
それを見て、イリアスが口を開く。
「貴方の面貌を察するに、交渉は上手くいかなかったのですね?」
「ふむん」フランキスは目を上げる。「貴女 ....
世界は僕を賛美する
僕は真っ白な天使ゆえ
人の道の頂点にいる
なのになぜだか
世界は僕を蹴落として独りにする
まるで僕は薄暗い日の当たらない所にいる
人の道の最下層にいる
人はみ ....
光が奏でる
響きの旋律、
雪面に続く
野兎の足跡、
延々と輪舞し跳躍し
今日、隣のおばさんは
今の若者が結婚したがらないこと
嘆いていた
怒涛の波 押し寄せる
その前触れ ....
寝息が包んでいた闇を抜けて
小さな呼吸は
始発電車よりも早かった
眩しいからなのか
朝を薄目で盗んで
それを混ぜるための
パレットが欲しくなる
乗せるものが無くても
軽くて透明 ....
ユー、見せちゃいなよ
ユー、触らせちゃいなよ
ユー、口でされちゃいなよ
ユー、口に出しちゃいなよ
ユー、パンツ脱いじゃいなよ
ユー、クリーム塗られちゃいなよ
ユー、入れられちゃいなよ
ユ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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