いつまでも飛び去らぬ鳥の背に
近づくとそれは雪だった
冬は訪れた方角へ
来るものをただ押し返していた
小春日和の土曜日
住み慣れぬ町を散策に出たアラジンは
ふと
今日は電車から見る一級河川に出てみようと
川辺の高層マンションに見当をつけ歩き出した
バス通りを渡り
古びた団地の中を突っ切り
....
「かなしいね」
わたしの手をとって
あなたは涙する
ねえ
いたいのがわかるの?
ねえ
くるしいのがわかるの?
なんにもわかんないくせに
なんにも、わかんないんでしょう
そ ....
ほくごう君は
今年のドラフトで
どこの球団の指名にも応じると
自宅の四畳半の部屋で宣言した
ぼくの携帯電話で
ただし、
ジャイアンツにだけは行きたくないと
正直に語ってもくれた
そ ....
窓のカーテンが膨らんだ
だれもいない図書室の
午後四時
窓の桟のすぐそばに
白い紙きれを落とした
午後四時
憎まれたことのない私の
憎まれてしまった十月
何も知らず 何も気付か ....
アタシはデリヘル嬢
イカしたデリヘル嬢
アタシを呼ぶには
お金がいるぜ
アタシの代わりに
誰かを呼ぶなら
玄関で「チェンジ」と
言うだけだぜ
アタシはデリヘル嬢
ステキなデリヘル嬢
....
掌を
滑らかにすり抜けて
北風が
秋の香をさらっていくのは
路上ギターの奏でた
奇術の仕業
ほぉら
まぁだ
いーるよ
す ....
夢をみる場所は
少し高い場所がいい
少し暗い時間がいい
空気が澄んでるところがいい
生まれ変わること
それが望みと思いそうな
景色を見つめて誓いたい
がんばるって
真っ ....
やっほー
愛してるよー
いえ
言ってみたかったので
うみ
きらきらしてる
うみ
きらきらしてる
ひかり
ひかりのつぶ
あわ
ああ
ほんとうに
これっきりなんです
....
((あたしたちは
みんな
かみさまのこども
だれひとりとして
ひつようをなくして
だれひとりとして
とどまることをしらない))
ああ、けさも、あたしたちは ....
あなたから
よぉくみえるように
花火うちあげて
あなたから
よぉくみえるように
花火うちあげて
あたしたち きらきら
垂れる
してしまう
景色から零れ続け
抜け ....
ひらひらひら
近づいてくるから
抜刀一閃した
仕留めたはずだと先走る感情の
後から遅れてくるはずの手応えの
すき間できみはひらひらひら
まっ黒な衝動まっ赤な斑点
まっ青なてごたえひらひ ....
こぼれ落ちる言葉は真実
たとえいずれ朽ちようとも
その瞬間の、確かな、真実。
夜の中に透明な線があって
それは「雨」と呼ばれる
あの日、降りしきっていた雨も
今、僕の頭上では収束している
あの日、乾いた言辞を放った僕も
今や湿った男となった
....
パウルス・ポッター
四百年の向こうから牛がしばらく自分を見つめていた
牧草が広がり、緑色から水色に薄い空気が融けていく低い彼方の地平線に建物の塔が棘のように刺さっている
遠く平地から此処まで ....
そう、散らかった部屋。僕の体重に沈むクッション。回転する夜の底から、聞こえてくる羽ばたきの音。反響するサイレンと、赤い光に祀られた地球儀。骨の浮きそうな、肩。世界をデッサンする指先が、背中に子午線を引 ....
予め
蕾は刈り取られていた
頭上を
越えていった
鳥の名前を知らない、
車輪のあとに立ち尽くす
わたしの肩を抱いて
そっと
目を伏せたあなたの
手と、
手を
重ねると
....
小さなころの記憶が
なくてそれは
当たり前のことだのに
問い詰めた先生は血を
責めてわたしはいたたまれない
まま自動ドアに挟まれた
影
が折り重なって
肥大していく樹
を
描いた
....
友達がいつも投稿していた言葉
それは 詩と呼べるものではないのだと気づいた
この世の全てに
意味があるとして
それが何の救いとなろう
泣くことが最初の呼吸であるならば
そこには一滴の悲しみもなかった
暇に溺れ
退屈過ぎて
息ができなくなった時に
泣きた ....
良いのは探究心
心配なのは風のお話
彼等はホント ゆっくりと
じっくり回って 近付くのだから
注意 注意
立看板が 有ったって
注意出来ない 落石注意
そんなコトばっかり 言 ....
子を捨て、親や友を殺し、
死ぬおそれのある人を見捨てております。
また、傷ついた人を助け、明るい自分へ挑戦をし、
珍しくネット越しに人の悩みを聞いてあげたりもしています。
貨幣経済や心理学 ....
パーティーへ乱入して、
新郎新婦の間に分け入って、
わたしがあなたたちの子供だったの!と奇声上げる
過去に生まれた愛さえも、
新しき想像妊娠の前では無力だった、
沈黙の客席、その大広間に ....
殺虫剤のニオイが
指から取れない
何度洗っても
だいっッ嫌いな殺虫剤のニオイが
スプレー缶のボタンを押した指に
染み込んで 汚点ついて
取れない いつまでも
だいたい人の寝ている ....
6つ全ての面に
60と書いてある
拳大の立方体
それにそっと手を触れると
彼は吸い込まれてゆく
ゆっくり
60分かけて
彼がすっかり吸 ....
とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
列車は少年を連れ去った
絵に描いた景色が
車窓に飾られてく度に
少女の声はひび割れていった
小麦色の雲の間で 見えない ....
遠くの向こうから眺めていたら
誰かと思って近寄ったら
案山子だった
今にも動きそうな気配を漂わせているのは
こがねいろした稲穂が風で波打っているからだろうか
生命に溢れた大地に自分だ ....
じごくをたべる、とあなたがてのなかであめをひろいながらわたしのみみのおくでかたるときにわたしたちのあいだにできたあのてんきのことをなんどもことばにだしてからはなしはじめよう。まずあなたはさばくとくちに ....
突然降り出した、
ガラス色の雨。
失恋の涙にも似た、
ガラス色の雨。
梅雨の終わりに降り出した、
ガラス細工の雨。
雲というガラスが砕けた、
ガラス細工の雨。
傘を差している背 ....
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