どこへもゆけない
どこへもゆけなかったんだろう
だれも
いいんだよ
いんだよ
そんなことは
あたしたちに
ゆきどころなんてなかったね
かみさまもしらない
....
空に無軌道の
分光が暗闇を
喰いつぶして前進する
一塊りになったワルツの中を
やつらに圧し拉がれて
ちぢむあたし
舌を打つ
(二倍率)
からだのあちら ....
あの子に、あの人のような遊びを
知らせたくない
知りたくないということは
それが何かを知っているということ
知っていることを知らないことにする
知らないことを知っていることにする
....
小さな器に
どくどく淹れたら
あふれました
それでも どくどく
淹れたなら
器は大きくなりますか
上からの
目線 言葉 錘
重くて 重くて
それで育つもののひとつが
自 ....
図書館の海に
沈んでいく
『決定版 小林カツ代の毎日おかず』
(今日から使えるシリーズ)
外では間の狭い男が
雨のように泣いている
耳の穴から
半透明の小エビが出て ....
暗いフローリングに寝がえる
サザンの古い歌を聞いていた
選択は虚無以外の黒い躊躇を燃やし
十一月のギフトは
途方も無く吸い殻に砕けた
俺はイカれちまったのかもしれない ....
この手から放った
いくつものテープを握りながら
私を見送る人々が
埠頭に小さくなってゆく
船は往く、二度と戻れない国へ
別れのテープは千切れても
消えない人の契りを胸に ....
あの人は病気だったから
あの人はウツ病だったから
そういうレッテルを貼られて
今日も誰かが死に
僕らはその誰かの死を
病気のせいにする。
不安な気持ちを抱えたままの
夜の帳がそっとついた
ため息の白さが
ゆっくりと溶け込んでいった
静けさの宿る公園
街灯の下で一人
薄明るく照らされた足元に
頼りなげに浮かぶ灰色の影 ....
「い、意外に飲みますねえ」なんて
苦笑いする学生横目に
こちとらコールの真っ只中
悔しがるにも冬の晩
ええじゃないかええじゃないか宵 酔い 余威
夢見たアンタが悪いのさ
同じ阿呆なら引くな ....
見つめられると目が泳ぐ 点
嘘をつくとき唇が溺れる 点
滅多に好きなんて言わない 点
温かすぎると慌てて逃げ出す フーテン
笑おうとすると頬が寒がる 点
お世辞を言う ....
とても美しき
海岸の透明ブルー
ああ、女性がポーズして 街 捕まえているよ ギュッと
白い砂浜の 燃え揺れる フライパンの上、 そのノート
とても美しき 祈願の ポセイドンの無礼 面
髪を書 ....
曖昧な空間に出来た亀裂の中に身体を溶かして連続する呼吸はまるで推敲の足りない台本の様に不規則だ、何を言っているのかまるで聞き取れないスピーカーの音量に辟易しながら広告をやり過ごす様な時間ば ....
手乗りして呉れるなら 何でも良いよ
手乗り文鳥 手乗り鴉に 手乗り蜂
手乗りしている間にサ
祈りなんかも 重ねちゃって
カミサマが 存在するなら 大もうけ
ねぇ カミサマって 紙なん ....
きみの腹を
綺麗な
正方形にくりぬいて
そこを通して僕は
桜吹雪が舞うのを眺める
蒼い春にも
暗い冬にも
きみの正方形から
桜吹雪が舞うのを ....
3時間過ごしてしまった
音楽を聴いたりぼっーとしたり
おうちに帰ると屋根のうえに
オリオン、おまえならなんて言うだろう
悪ぶってみたけれど
おまえを放っておくオスなん ....
夕日が
熟した柿の実の中へと
沈んでいく
静寂が生まれる瞬間だ
紅葉は色を落として
深い眠りについた
幾つかの音を拾って
風が遠くからやってきた
心音に重なる
騒がしさが消えて
耳 ....
綿毛の海で泳ぐ
後ろ姿を探す
秋の始まる午後に
あたたかさとつめたさの両側から
等しく守られていることを知った
星の人から届けられる
言葉によらない通信を
言葉に変 ....
人類諸君 諸君らの敵は人類である。
ちきゅうえい】という言葉を 覚えて以来、基本 ご機嫌だ。
地球影とかいて ちきゅうえい。ちきゅうゆうえいとは 関係ない。
澄んだ ....
朝起きて 大地を読み
今日吹く風は西か東か
空気は何色?
お日様は見えるのかと
空に聞いてみた
決まりなどない
どこ吹く風
今決めるのさ 今求めるのさ
風の匂いは ....
あらゆる見世物のなかから、至純をえらびとること
からだにはしる一筋のひびは容赦なくぼくに転移する
からだをいろどる極彩色はしずかににじみだす
こよいも手探り 虚をもてあそび
墨がなが ....
青空のやつ
研ぎ上げたカミソリみたいに 輝いて
今日こそ世界中の 影という影を
断ち落とす 腹づもりらしい
太陽は 白痴みたいに
ただ 笑っているばかり
これからどれだけ 薄暗い血が流 ....
二年前から忘れずに留まっている物語
断片的な言葉が俺を傷つけていく
君に出会えて
「ありがとう」
「愛している」
「君が」
「君を」
続くのだ
酷く冷える夜に限って
君の声で ....
浮浪者らしきお婆さんが
駅の切符売り場で
どこに行こうか思案している
手押しカートには
伸ばして結わえた
スーパーの白い袋が
たくさん詰め込まれている
どこかに遠出して
白い袋にひ ....
二兎
オヤヂは悲しい事が好き
酒と冷え行く白銀の宵
芽吹
少し山なりの丘で
君は燃えている
たぶん黒い棺桶が
炎の色と混ざって
じっと大気を揺らめかす
とても澄んだ空だ
....
いのちまで取られやしない
いのちのお陰で好きでいられる
さあ来いよ
ぼくはあなたのライオンになる
淋しいのも悲しいのも平気
慣れてしまえばこんなもの
胸のしびれ ....
十人十色に間引きされる親子愛。
三尺ほどある択状の端切れの上で
すべてに惑わされながらも
想いの丈を叫びつづけたい
白光沢色の貝柱があった。
伸縮自在には緩んでくれない〇材。
内包 ....
六月に運ばれてきたその娘を
誰からともなく
Juneジュネ、と呼んでいた
体育の授業中に倒れたそうで
ブルーのジャージの上から
医者の武骨な手が
ポンプのように胸を押す
イチ、ニィ、サン ....
ふいに思い立って
ずる休みをした
一日ゆっくりしよう
そう思い
ふかふかのベッドで
真っ昼から寝てやった
勝手きままに寝てやった
まどろみから覚めれば
窓の外は薄やみ
ひょろ ....
ぽつんとひかる
それだけで嬉しくなれた
淋しくもなれた
悲しくもなれたし晴れやかにもなれた
ぽつんとひかる
遠くのマンションが
白いひかりを並べていた
あ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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