一匹の黒猫が
吹雪きの雪原を
歩いている
あの高くそびえる
杉の木の鋭い切っ先も
どんな美しい雪の結晶も
音もなく融け去ってゆく
深い泉のような
猫の黒い毛皮の中に。
....
あなたを思い切なくなろうとする
そう思えることが気持ちの幸福だ
ときどきみじめになるけれど
星を見つめるみたいな孤独と似て
仕方がないやと名前をつける
あなたを思 ....
彼女が話す
僕が聴く
彼女が 引き続き話す
僕が 引き続き聴く
やがてこの身体は 彼女の声でいっぱいになり
両耳から注ぎ込まれた言葉が
目から 鼻から
(口はまだ 我慢強く結ばれ ....
2人は別れる運命にある。
ハートはちぎれ
血を流している
契りは切れる
もし人生をやり直せるなら
もう一度チャンスを下さい。
全てが無駄になる
全てが言い訳になる
まだ好きなん ....
友達としか思えなくなった
君は言うけど
人の気持ちってそんなに簡単に移り変わるものなの?
あのとき言ってくれた
好きだぜ も
俺らはそんな簡単には終わらねー も
....
枯れ木の路
たそがれの
枯れ木並木に
湖畔の公園
風吹きて
湖しぶき立ち
湖畔のホテル
夕闇の中
食事は進む
ok・ダブル・酒
五人テーブル
久しぶり肉と魚
....
もう一人の男が
頭上にぶらさがった紐を引く
紐は暗闇に続いているから
暗闇が落ちてくる
どさりと一斉に
砂袋から砂が溢れるように
完璧に渇い ....
ほぼ黒に近い深緑と
天抜けに明るい西洋スクウォッシュ。
「奥ゆかしさは、秤にかけないで」
南に曲がった道先の足元では
濃淡のついた、それでも多くは
橙の南瓜を、よく見か(欠)けていた ....
琥珀という石を
手にしたことはないけれど
見つめたことがある
黄昏に凍りついた壁の向こうに
眠る葉や虫たち
....
もう雷鳴しか聞こえない
僕は人混みの中で父親も母親も
兄弟も忘れてしまった
が
誰かの煙草の火が手に触れたときだけ少し
故郷のススキのザワメキを思い出したり
している
雑踏は温かくて ....
ぼくのパジャマに
お母さんが縫い付けてくれた
背番号
ぼくの好きだった数字は
2
曲線と
直線のラインが
きれいだったから
お父さん
お母さん
夢の中の授業参観では
....
口を噤んだ鳥は
項垂れた私の真似をして笑顔を待っていた
どんな顔をすれば満足だ?
どんな顔をすれば許してくれる?
口を噤んだ鳥は
項垂れた私の真似をして笑顔を待っていた
やぶ【×藪】
草木や竹が生い茂っている所。
へび【蛇】
《「へみ」の音変化》有鱗目ヘビ亜目の爬虫類の総称。
やぶ-へび【×藪蛇】
《「藪をつついて蛇を出す」から》よけいなことをして、 ....
コーヒーと砂糖
砂糖とアリ
アリとキリギリス
キリギリスと青草
青草とホルスタイン
ホルスタインと青空
青空と飛行機雲
飛行機雲と夕陽
夕陽と影
....
正門のうちっかわで
踏まれていない雪のグラウンド
光ってる
聖域みたいだね
汚い心だって
もってる子供のくに
ああ残酷だね
なのに守られてるよな門が
閉じられてるのが安心できて
なん ....
ジョ二ィが
ディズニーランドに来たなら伝えてよ
若いのに太り過ぎと
偉く見せるためとか
威圧感出すためとか
取り巻き連中が考えるんだろうけれど
あんたのおとっつぁんも糖尿だったんだろ
気 ....
分かれ道がある
右に左に
ぼくは右に行く
ボクは左に行く
また分かれ道
おれは右に行く
オレは左に行く
また分かれ道
また
また
こ ....
そういうことだったんだ
と
気付くことがある
ものごとは複雑に絡み合っていて
原因があって結果がある
そしてその結果が今度は原因となって
新たな出来事を誘発する
「無間地獄」 ....
幸福とはこういうことを言うのだろう
幸福とは
幸福のようなものが
重ねられてゆくことを言うのだろう
叔父夫婦は熱心なキリスト者だった
はじめてのクリスマスの日
....
気泡のリズムに
揺れる髪が
果物の皮を剥くように
編み物をほどいていくように
積み重ねられた嘘を
聞こえない音を
気づかないふりで
奏でている。
本当の ....
My Favorite Things
※演奏できません。
持っていません。
でも凄く好きで、
気に入っている楽器です。
David Sanborn の St. Louis B ....
淡く霞んだ冬空に白い雲が浮かんでいる
雲には自分の意思はない 
風に吹かれて動いて行くだけだ 
気楽でいいなあ
何時の間にか生まれ 何時の間にか消えて行く 
....
ねぇ
君はいつも
そうやって僕の道をふさぐけど
毎日一生懸命前に進もうとしてる僕の邪魔して楽しいの?
つらい思い出を振り切ろうとするたびに
それを持って僕の前にちらついて
僕を ....
困った
私はどっちを選べばいいのかな?
一つが間違っているからといって
全部間違ってる訳じゃない
逆に
一つが正しいからといって
全部が正しい訳じゃない
困った
私はどっちを ....
荒野を〈アレチ〉と呼ぶ男に
お前は一度だけ出会ったことがある
お前はその時、黄色い帽子を被って
神々を照覧していた
怒りが静かな倦怠に変わる時
俺達の旅が始まる
....
昨日は夫の誕生日だった
なのに彼は出掛けて行った
気持ちを挫かれて
私は不機嫌になった
今朝、夫がドライブに行こうと誘う
久しぶりにふたりで車に乗った
森林の中、滝のある所を散策
....
蛇は己の脆弱さ故に猛毒をもって巨大な敵を倒す
しかし時にみずからの毒で死する
過剰な防御は精神を蝕みこころを荒らす
無防備こそ最大の防御でもあるのです
生きることは ....
振り切れている一本の針。呼吸し心拍を上げて次の打擲を待つ。時の経過は音や光の揺らぎで知れた。繰り返される規則的な動作を目をつむり、静かに受け入れていればいい。
地球の裏側にはキセツ、季節が浮かん ....
何か
を食う
たったった、と
たっ
たっっ
臆面もなしに
揺れる天秤
秤皿の上にあるのは
したたかな
計算
みっみみ
みみが
みぎ
外は氷点下
忘れられ ....
今日、生まれた命と
今日、死ぬ命は
同じ命
起きて
寝て
ご飯食って
うんこして
その一連の流れを
誰かにしてもらわないといけないのは
赤ん坊も老人も同じ
ほら ....
2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816 2817 2818 2819 2820 2821 2822 2823 2824 2825 2826 2827 2828 2829 2830 2831 2832 2833 2834 2835 2836 2837
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