突然、係員はやってくる。季語の整理をはじめますと手招きをして、観覧車をもたつかせない。あー、ちみね。ちみ、季語でいうところの、間抜けなオリオンだわな。だって、空のはなしばかりしてくるもんね。空 ....
やっと、二ヶ月以上、
入院してた彼女が退院して、
来週、
向こうの親に、挨拶に行くことにした。
人間、いつかはいい時代がくると信じないと、
生きて行けないのだろうけれど、
いつもやることは ....
思い出の数を数えてしまう
指を折っている間は
少し幸せだった
両手を握ってまた小指から
ベッドに寝転がったまま
天井に光の帯が回転するんだ
どれだけ時間が経ったっけ
窓の外は雪が降っ ....
無意味な恋をして
無意味な愛を知り
空っぽの器を厚くしていた
失うものもないのに
失うすべを探している
電信柱でほつれた蛾の一匹に
苦痛を
衝動を
僕は押し付けてポケットの中を ....
あなたに刺さるだけの棘
あたいは花の咲かない薔薇だから
花の咲かない紅い薔薇だから
わたしはあなたを殺したかったので
音楽をつくった
わたしはあなたを殺したかったので
いちばん美しい言葉をさがした
わたしはあなたを殺したかったので
台所に立って刃を研いだ
わたしはあな ....
風向きが変わりましたね
この風に乗れば遅くとも明日には着くでしょう
そこには何もないけれど
あなたの心を満たす土と水があり
それを一生懸命耕せば
後に作物が自然に生えてき ....
あなたを知り
死は
いまや
命と
手をつないで
月みたいに
あかるさを
教える
死は
いまや
命のように
命は死のように
ひとつの岸辺に
(互 ....
闇が歌う
しんしん歌う
冷蔵庫のリズム
うさぎおいし
かのやま
腰を
ぐしゃぐしゃにして
生死を混ぜる
君
ぼくたちは
同じだ
待ってろ
いま
してやるから
ぼくたちは
同じだ
同じように
ろくでなしだ
待ってろ
いまし ....
眠気眼のサラリーマンは
今日も大きなあくびをする
長いコートに包まれた
少し猫背なその背中
「いってらっしゃい」と声をかけたら
「いってきます」と言って
背筋をピンとのばした
....
以前は畑であった場所に
蔦に絡まり錆びだらけの
小さなトラクターにエンジンがかかった
ガタゴト ガシャグシャ
ガタゴト ガシャグシャ
寂寥感に覆われた廃屋を進んでいくと
....
山奥の露天風呂から
まるい鏡みたいな月光る
あなたの美しい心だけが
輝きのなかに吸われてる
山奥の露天風呂から
寝そべるオリオン座光る
あなたの切実が七つある
....
草を踏む軽やかな足音。
ストーリーテラァに手を振ってから
ここは動画なのに
いや
動画だからこその一幕か。
巻き紙を垂らしながらのエンドロール
そこから始まる再〇ロール
ロ。では ....
はだざむくなると
はだざむくなってくる
はだもないのに
いたいほど
それがわかる
なぜわかるのだろう
はだもないのに
もうすぐゆきが
わたしのはだを
うめつく ....
こわれる為に
交わした約束が
あるとするならば
それは
しずかに
花の名のなかに
忍ばせておきましょう
生きものはみな
根を持ちます
水を吸い上げて
空にこ ....
太陽が帆をあげて
シャツの内側の漁港を照らした
さえぎる言葉のない純粋な心臓を
切り裂くように 糸を縫うように 流れる光
家々の屋根が風に吹き飛ばされ
海辺のように 透き通る空に 舞 ....
夜空の雲の切れ間に
黄色い月が光る
何も期待せずに
視界に留めておこう
秋の四畳半
ささくれた畳が
ちょっと冷たいね
厚い雲が滑って来て
月の顔を覆うから
....
嫁入り道具に緑黄色野菜
箪笥の中に
新しい郁ができたから
外套を仕立てて
真冬の海を越えよう
汽船は
象の浅い眠りを北上する
腐葉土の寝台の上で
僕らは窓枠を外し
マッチで焼き殺 ....
アクロイド殺し
ストリキニーネ
僕が物心ついた頃にはもう
....
カラオケ行こう
バドミントンしよう
ボウリングに行こう
バッティングセンターに行こう。
旅行に行こう
遊園地に行こう。
食事に行こう。
飲みに行こう。
一緒にマザーグース歌って ....
もう後戻りできないよ
君は僕のもの
今後ともよろしく
コーヒー飲んで
KBQ食べて
タバコ吸って
帰りの切符渡して
キスをした。
君は振り向いた。
手に手をとって
仲良く楽しく生きましょう
弱いもの同士、支え合って
共に生きましょう
人を喜ばせ
人を泣かせ
人を感謝し
人を尊重する
見返りを拒み
隣人愛
神が喜べば
....
ひものついた雪が
首の下で揺れる
残されているのに
しばられて
くずれていく 雑な音声
ふらついて
たてついて
鳴るはず も
ない すずやか
な 声
畑を荒らす娘の、
頬が熱い、
雪が、熱を、奪っていく、
その体温で、
走り抜ける、
足は、まだあたたかいか、
鼓動は いつも我と共にあり
孤独や不安も 共に受け止めた
うごめく感情も すべて
そこにいたんだね
感情ってどこにあるんだろう?
見えやしない心の傷を
どう癒せばいいのだろ ....
幾何学模様の視点から
感情の起伏の凸凹が取り込まれ
次第に次第に
抑圧され削り取られ直線
直線と曲線で囲まれた幾何学模様も様変わり
その視点で見ると美しいものも
グロテスクであったりす ....
丸々眠る母の腹から
黒々丸い烏賊の目が
こちらを見ていた。
ここに
この収まり方はどうだと言わんばかりに
長々
見ていた。
ありがとう
お前も帰ったの?
お母さんも帰りだか ....
書き溜めた理想が
燃やされて、
吹き飛んで、
わたしは扉も満足に閉められない
検体になる
眼球の
背びれ、胸びれ、尾ひれ、の連動がなす
鱗の反射にいち早く気づく若者よ
両肩が雪崩る ....
真っ白い紙が好きだった
四つ折りにして切り離し
たくさん集めて綴じつけて
カバーに布を貼りつけた
憧れを描いて書いた
何十年過ぎても
たとえば生垣のプラン
今は構成中
東の庭は ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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