その工場には
淀むことのなく
エルガーの旋律が流れる
木管を低く震わせる安定した音色
勇壮な大河に抱かれる
誰彼の何気ない表現は
神々しい余韻を含み
小さなアイデアは
淡い発明の光 ....
顎鬚をたくわえた男が
布を手に玉蜀黍を磨いている
小屋の外に置いた籐椅子に座り
一心不乱に
遥か上の方で青空が
ずっと前に動きを止めたことを
....
顔を上げるとそこは晴れ
雲が犇めく青い空
或る者がそれを美しいと尊び
まるで人の心みたいね、と
浅はかなリリックを書き連ねる
それと恰度おんなじ頃
社会生活にあぶれた蛇が
安アパートのポ ....
僕は皮膚の内側が
赤く錆び
その欠片が1つ落ちるまでは何もしないでいたい
そうしたら
透明になってゆく血液と漣の色を覚えて
ひたすら画家になった
気分で文字をカサカサと描いてみる
....
俄かに湧いた嗜欲
降りしきるリビドー
僅かながら煩悶
還元的自慰行為
動じぬか理知
乗らぬか理知
壊えぬか理知
それゆえ理知か
行けど行けども
合致せず飽和
致し方なく
....
さあお座り
夢にまでみたこの旅
熱い岸に
焦がれるまま進む
潮のながれ
追い越せばまたつらなり
阻むものには
かぜのはやさのせて
よくおききよ
笛を吹いてあげよう
白い手を ....
川には黒い雨が降り
それが川底に溜まった黒い川からは
瘴気が漂い
人が欲望のままに踊ったために
生み出された毒が
吹き出す
毒を吸って育った少年たちは
こっそりと蟲を殺す
昔、まだ ....
分け隔て泣く
過去の過ちの過望なる積み重ね、
分け隔て無く
私への頷き、疼き、きさらずがさつきに代わる 取って代わる、、
私の中のきさらず 抜きん出て さつきに 到達される 淘汰、、
どちら ....
初雪草
はつゆきそう、って
読むんだね。
よく見る
葉のような 華のような
一年草なんだね
葉は その下に 君臨していて
何だか ステキ
ゆきんこ って 思い出した ....
風が冷たくなってきた。
クリスマスも近いな。
電飾された家々の
そのむき出しのコードが日本らしくて好きだ。
足早に駅にむかう道、コートの襟を立てる。
何処からきたのか
スーッと北風が ....
なんて幸せで可哀想な子なんだ!タカちゃん
大人用の洋ナシのタルトには
洋酒が効いている
一口もらって『辛い!』と評した
その味覚に驚いた
ひねた舌には
たいした刺激にもならない隠し味を ....
そうだといいな
と思うことは
いつもほんとうにはならないけど
そうだといいな
と思うことが
できたことが
ただうれしい
素麺のはえる大地を買おう
安心したい訳じゃないと付け加えながら
姉の隣にいる人の目をかいくぐって
一ページ目からやり直そう
安心したいわけじゃないけど
公園を見た
絵を描いている人を知った 私は
自分を思うこともなく絵を描く人を見た
人であることを きっと 私は理解した
いびつなかりんとうを
つまんでふりふり明日の行方を占う
未来の予感なんて当てにならないけれど
いびつなかりんとうをふりふりしていると
なんだか可笑しさが込みあげてくる
ど ....
これはいつの面影だろうか
胸にぽかりとあいた穴は
形を変えいつかの面影となって
おぼろげに映す
ぼんやりと映った影は
飼っていた猫の日向ぼっこの面影のような
よくブロック塀の上で気 ....
どこかの{ルビ鄙=ひな}びた温泉宿
床の間
生けた花
花びらは葉っぱは全部毟られ
床に散乱した花びら
茎だけが
剣山に刺さっている
しょうがないからと
....
【届かぬ声】
あなたが嫌いだった。
物心ついた頃からずっとあなたを見てきて
少しずつ大人になりながら色々なことを知り
時には好きになろうと思ってもみたけれ ....
結婚式に出席した
貸切の二次会会場の
一般客席で
若い家族がパスタを食べていた
みな同じパスタを
食べていた
これからいかなる時も
永遠の愛を誓います
盛り ....
自分が自分に戻るために
自分が作った王国を出て行く
そこには真夜中でも
一緒に起きていてくれる駱駝がいて
醜い蛙との生活のことは忘れられる
闊達な老人が
優先席の前で苦虫を潰している
....
羽
日曜日は嫌いだった 友達に会えないから
あのコに会えないから そんなこどもだった
昨日までの知らん顔が 今日にはもう友達で
明日にはもう親友で そんな無邪気なこどもだった
....
しずかに、
嘘へと
そっと染みたいのなら
おしずかに、
優しさは
まもられるもの、です
まもらなければ
すぐにも途絶える
希少な形なのです
傷の起源、 ....
洞窟の中は星が咲き乱れる秋だった。
呼吸を止めて止めて止めて、それでも息を飲んだ。
鳥が一羽また一羽と、架かっていく。破裂を含むように、孕むように。
断層の線を睨んで、暗い夜に、昼に ....
Rickの内訳は
Re-desIgns as a Cosmic King
と言われているが
実は
陸・海・空の3種のうち
陸をつかさどるから
リック
おおまかにいって,入試の偏差値が ....
【青い鳥】
涙はない 思えば おもうほど 青い空しか
浮かばない
人は かならずしも 真正面から むきあうことで
力を その胸に宿すのではなく
同じ方向に そっと居る
そ ....
誰からの便りも途絶えた
朝に、娘が
私の靴をはいて
玄関に座る、
指の間で、
引き伸ばされた
私の髪が
娘の、背中で、
今、息を引き取ろうとして
流れていくのを、
私はとめよう ....
娘の血に混じる
夫の生活が
食卓に上らない
皿の上には
いつものように
サラダがあって
土を落とさずに
拾っている
娘の握る
スプーンが
汗一つかかない
皆しっているだろ ....
娘に生えた生活が
頬を釣り上げた
まま、彼女の顔を崩さない、
町を歩く足に
何も引き止められない
排水溝で鳴る音ばかりが、
私の耳を濡らす
事件は居座ったまま
出来事となって
....
僕の瞳の奥で
針を手に持って微笑む君
それって
拷問と呼べないか
ちゃんと伝えるのが礼儀だから,とか
言ったとおりにできたから,とか
背中を追いかける言い訳が降り積もる
上書きできなかったお前が
お前を上書きできなかったあの人のなかで
幾許残っているも ....
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