私が初めて感銘を受けた絵はピカソの「ゲルニカ」である。中学のときだった。白と黒だけの焼けつくような不毛さの中に、形体と形体との矛盾が組み敷かれていた。牛や目や人が、本質へと刈り込まれた後の鋭さで、生 ....
巧みな話術
タクラマカン砂漠
ラジオスターの悲劇
リンゴ・スターの打撃
豆腐一丁
一丁目の銀杏
ちょうちょ捕まえて
情緒不安定
束の間の夢
伝う馬の船
つま先立ちの毎日
....
冬に病むひとは夏を惜しむひとだろう
夜明けにみた星たちのきらめきが似ている
片想いのまま誰かに語りかけるそれは(嘘だから)
(嘘)と知りつつ生きている死人だから
試しに一筆で銀紙 ....
君に逢えた事を愛しく思う。思う。愛してるよ!
愛してるからわからなくなる日もある
その度思い出して?歌う意味を
大切なものが何がどうか、何処に向かえばいいんだ?
砂漠を手ぶ ....
あの日から数えて何度目かの地震かわからない
そもそも数えていないのだかから
わかるわけがない
それが余震なのかもわからない
震源地を確認して
津波の心配をしない
東京湾は
そもそも入り口 ....
ピントの合わないこの感じが好き
行っては戻り回り道
落ち葉が綺麗で下ばかり向いて歩いているから
行き過ぎてしまったよ
まだこんな時間なのに
夕焼けが繊細な色合いで空を幾重 ....
ホホノホホホ 秋の穂ホホホ
掌から伝わる 生命の輝き
金色に映る波をかき分けて全身に駆け巡る新しい血
ホホノホホホ 秋の穂ホホホ
瞳に流れ込む 銀色の月
月の穂体中を撫でまわし全 ....
わからない、と君は言う、雨の後、増水した川の性急な流れをじっと見つめながら。俺は、なかなか火がつかないライターにイライラしながら煙草に火をつける。11月最後の日曜日、街はくだらないイベントでそ ....
きみへ
きっと
まだまだ
続くだろう
この永遠は
喪うなんて
ゆるされていないから
きみに
ずっと
咲き続ける
ーー序章ーー
Yが父親の佑司と出会ったのは
三歳ごろだった
「お父ちゃんはどこ?]
「マルシャンスク」
それはソ連のどこかの寒い町だ
木炭バスに初めて乗った
佑司が帰国を許されたので ....
丹念に時間(とき)を運ぶ。
笑い転げたくなるようなティータイムにも
窓の外では
大きく風が吹いている。
絵のように。
通俗的な手法。
辞書には載っていないが、
古い雑誌の付録でよ ....
若葉は青臭くていいと
老いた葉が
羨ましげに
鑑賞している
尖っていた葉は
あなたを守るため
傷つけるためじゃない
でも 遠ざけたのは
青くて頼りない葉だったから
そ ....
気付きもしなかった寒さが
心を貫く
お前
そこに一人で
平気なの
砂漠を凍らした夜風が
鼻をツンとさせた
まだ今日も終わらない
この夜は今
始まったばかり
一人のベ ....
傷だらけの携帯電話を見ながら
明日のことを思いめぐらす
不利な戦いになる
このまま今日が続くなら
偶然とは理由がわからないだけの必然
真夜中に白い氷が降りはじ ....
幼子は俺にとっての
起源にして頂点
願わくば
これからの一日一日の
当たり前のことに
畏敬の念で結ばれていますように
かつては野も森も小川も大地も
目に写るありとあらゆる光景が ....
曇りの空に色を足して
街に少しの明かりを灯して
流れる列車に手を振って
落ちる涙に溜まっていた声
ビルディングの下
片手に触れる風
無意識に「寒いね。」の声
時間を食べて立ち ....
ドは横たわっている音
いつまでも重い音
太りじしのオダリスク
レは小さな女の子
たんぽぽ色で爪先歩き
笑ったね?無邪気なお目目
ミは若草のさざめき
さ緑の丘 駆け下りる若者
涼 ....
どんなに難解な熟語を知っていても、
ムズカしいことを言っているとは限りません。
どんな言葉をどう操っていても、
それが根っからの本心であるとは限りません。
僕にとって僕が僕であるように、
誰 ....
新規事業として計画しているレストランについて
既に上場を果たしているレストラン経営者に話をしたとき
素人が手を出して成功するような甘い業界ではない
僕の名刺を裏返したりしながらそう憎 ....
寝転がってかいだ土の匂い
イチョウのじゅうたんを踏む音
冬を呼ぶにじんだ雲が浮かぶ空
「覚えていますか」
誰かと同じだった歩く早さも
いつの間にかずれて響きだす
”忘れよう”
....
僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 ....
不安は不安として
いつもそこにあった
薬箱の正露丸のように
悪い予兆
紫のカラスが一斉に笑う夢
永遠のレム睡眠
新しい出来事は
新しい傷のはじまり
賑やかなモーメントも
....
マンションの手付け金、
10万円を、払った。
彼女と、手打ちパスタのお店を、
ランチできのう今日と食べくらべた。
なにも、
面白くない。
テロリストにさえなれない。
水天宮に、
戌 ....
メールアドレスを聞かれる人間と聞かれない人間の分類があるとして
聞かれない側に入ったとする
そういうときは
塩辛
つまり塩辛になったらいいのに
むかしの
中国みたいに
やつが
塩辛 ....
信じるって決めたから
そばにいるんじゃないよ
空気にすきも嫌いも
ないよただ風は風だよ
君もあたしも
ニンゲンって呼ばれてる
その責任が重いから
歩くのがこわいよ
足の下にある ....
裸に海の膜を纏う
崖を繋ぐ羽毛の吊橋が足裏を優しくくすぐる
乾いて冷えきった太陽の光に背を押された
橋を辿った先に広がる光景は
眩しい新緑の髪がなびく草原だった
ああ
甘酸っぱい桃色の ....
今週から急に冬になったねって
君とかわした週末朝のメール
今年のクリスマスプレゼントは何にしようって
とつぜん焦る気持ちになったけど
それを考えることがすごくすごく嬉しくて
寒い朝に心が ....
身体と言葉の境界に沿って
路面電車が夜を走る
ミルクをつなぐ、世界はまだ
つぶやきをやめない
みんな季節
みんな瞬間
みんな波、その動き
みんないつか
割れていきたい
....
大切にしてきた
ぬいぐるみの腕がとれていた
20年来の友の腕が
床の上で冷たくなっていた
押し入れから
小学校の頃使っていた裁縫セットを掘り起こして
普段しない縫合を試みる
....
高すぎる体温に
個性と呼べるものは
蒸発した香水の残り香くらいで
くゆらす煙草の煙は
押し黙っていく冬の花みたいに
ただ気だるいだけの眠気を誘う
{引用=
単純な計算
すべ ....
2778 2779 2780 2781 2782 2783 2784 2785 2786 2787 2788 2789 2790 2791 2792 2793 2794 2795 2796 2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816 2817 2818
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.19sec.