洗面器に彼女は顔をつけたまま
これっぽっちの水で溺死すべきではない
近所に駅が開通し、都心へのアクセスがスムーズになったが
人身事故による遅延の恐怖で外出できない
歴史的な労働力が堕落する ....
切り立った崖から
見下ろす景色は
紅潮した頬を持つ
前途有望な少年の瞳には
どう映るのだろうか
気だるさは
深刻さと無縁だったが
ある一定の速度で
おまえの中心を
確実に蝕んでい ....
ベイビー
あたしのことをそう呼んだのは
最初の飼い主だった
本当の名前はコインロッカーベイビー
長い名前はめんどうなので
いつしかベイビーになっただけ
生まれてすぐ
まだ眼も開い ....
月曜日
突き刺す気嵐の中
若い女が ビールを振る舞う
突き刺す気嵐の中
マネキンの片手に数羽の鳥が止まる
火曜日
隕石が飛び交う真夜中
若い女が アイスを振る舞う
隕石を避けて生き ....
草むしりをする最中
うぐいすが唱える
私は、
この一本に活かされている
むしる事により
今を(ずっと透けているのは闇といっしょ
私は秘密だ
むしって来た千草一本一本に感謝 ....
【整形手術は進化したの会】
(きみは、 豊胸してるね)
)え、なんでわかるの?
(ヒトも動物だからね)
)今度脱毛するわ
全身脱毛よ
(眉毛もかい?)
)ばかね(笑)眉 ....
暗黒鶏冠の羽飾り
土地の人々追われ出て
千の砂地の蜃気楼
駱駝に揺れるカンテラの
古い燈火に点るのは
螺旋模様のアラベスク
鐘楼の夢塔の夢
みな朽ち ....
ふるえるのは
百万の宇宙の
軋み
もつれ
私は言う、還れと
詩を書いた
夢の中を さまよい歩いた
僕は流れた だけど 留まることなく
君との約束を握りしめながら
{画像=111201004459.jpg}
太陽が液状化する
とろけながらも
雲の絹糸を伝い這うように向かう先は
飽きもせず西の空だが
絶望じゃない
繰り返しは絶望じゃない
私は ....
さみしいさみしいが
毛穴という毛穴からにじんで
コンクリートの路地や
木造の二階建てや
塀の上の猫まで
とにかくもろもろのものをさみしいさみしいの中に
沈めていって
やがて太陽がさみ ....
胸のあたりから
ポトリと
白いジグソーパズルの一ピースが
落ちてきた
昨年胸を痛めて以来
何かに心奪われたり
予期しない出来事に遭遇すると
ポトリと
落としてしまう
今落としてし ....
深夜のファミレスはこんなにも賑やかなのか
ドリンクバーやサラダバーではしゃぐひとたち
国道を走る車の音に混じって
「ぎゅぃん ぎゅぃん」
「しゅぃん しゅぃん」
と空間が ....
母の腕はやわらかい卵
そこに抱かれたわたしは
やんちゃなケチャップ味の具
ねぇ かあさん
あの日のわたしたち
オムレツみたいに
やさしく 甘酸っぱく
きゅっ
と 幸せだった ....
死神の舌のような夕暮れのなかを、ひとりの少年が路地の影に向かって歩いてゆく。かれには親が無く、生い立ちが無く、名前が無い。まともな言葉を知らず、まともな服を持たず、まともな道徳を持たない。理由 ....
体重は二百キロを超え
母は
終日をベッドで寝暮らす
半身を起こすのは
朝昼晩の食事だけ
動こうと思えば動ける
膝を痛めて以来は這って行く
息を荒らげ汗を浮かべ
みしみしと座敷を圧し ....
何色でもいい
空の色はみんなに
好かれているから
逆らいたい
だって私だけが
まちがってる
まちがってる
そうおもえるから
自分だけが
認めている自分
ねえどうして
がん ....
遠くからでもわかる黒目が印象的な
小さな女の子たちがそれぞれ発泡スチロールの箱に乗せられ
疎水路をベルトコンベアーのように流されてきます
とても楽しそうで何やらカラフルなおもちゃを振り回していま ....
拳を突きあげて
つきつける
つきつける
息してる
息してる
生きている身
感性を掘りさげて
彫っていく
彫っていく
おごるな
おごるな
おごり多き理性
....
冬の陽ざしは微笑みのよう
内にこもった人にさえ顔を上げさせる
たわわに実ったナナカマドの木の下を
赤いランドセルがかけてゆく
もしも私に娘がいたなら
こんな ....
青紫に霞む浅間山の遠望と
賑わう通りに開かれたテラスには
女がひとり食事している
背中でゆるやかにうねる髪に
藤色のつば広の日除け帽
白地に淡彩の花柄ワンピース
ひざ下の裾は四半円に垂れ
....
机の上に散らばった
散らかしたチョコレート
抹茶と苺とミルクと
たまにラムネ
鞄の中に散らばった
散らかしたキャンディー
ヨーグルトとバニラと
たまにボンタンアメ
ゴミ箱の外に ....
夕闇、空色の風の中に、秋が香る
湿った土を踏みしめて、葉の枯れゆく帰り道を思う
郷愁、夢色の記憶の中に、君が香る
泣いた土を踏みしめて、涙の凍りゆく冬の日を願う
アラジンの石油ストーブを
幾度目かのオーバーホールに出しながら考える
うちらがセックスをしなくなった理由。
笑顔を依頼された
王が
各地を巡って
拮抗する賛成派と反対派の
籤によって定ま ....
あんたと寝たことはないけれど誰とSEXしてもいつも相手はあんたですよ
あんたがわたしとできないせいで誰とSEXしてもいつも相手はあんたなんだよ
パンツを無理やり脱がしたらあんたが泣きじゃくるか ....
なぜおまえは
はなをさかせないのだ
くきをふとくし
はをしげらせて
むしたちを
そだてている
なぜおまえは
はなをさかせないのだ
はなはそこいらじゅうに
....
「これでおしまい」
と、
彼女がガスも魂もこの世からひったくって息を止めたのは、中出し直後の三秒の間、おれが息を吐いたその直後だった。おいどうしたよなに言ってんだと頭の中心が解けた鉄でも ....
ぼくだけが四の段おちた
せんせいが心配した
とぼとぼと家に帰った
まえのひ四の段カードをなくしてしまった
だからお家で練習できなかった
つぎの日は九々のテストがなかった
....
音楽が欲しかった
それでも人生を
鼓舞する音楽が欲しかった
生の最先端で
顔がさびしい表面をしている
みんな去ってゆく
ぼくはまたひとりきりだ
くだらない ....
ひまわりの振りをして
きみが咲いている
太陽の方を向いて
きれいに咲いている
ぼくは影の振りをして
地面に横たわる
こうしていると何だかとっても
時間の無駄だね ....
2776 2777 2778 2779 2780 2781 2782 2783 2784 2785 2786 2787 2788 2789 2790 2791 2792 2793 2794 2795 2796 2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.05sec.