かなしい夢をみて
目覚めた朝は
ああ、夢でよかったと思う
けれど
かなしいことが
なくなった訳ではなくて
心の引き出しを開けたら
別のかなしいことが
そこにある

引き出しをちゃん ....
  灰色の老人が
  灰色の部屋に
  冬晴れの空より蒼い
  バケツを忘れていった



  その、つるりとした底面に
  透明な昆虫がうじゃうじゃ蠢き
  透明な手首を噛 ....
静かな 待合室に響く

早口で話す声
隣りにいる付き添いの人は
慣れているのか
相づちさえ打たない

脈絡もなく
しゃべり続ける婦人

耳を塞ぐ

イライラを通り越して
不安 ....
きのうのよるから
ぼくのねんりょうは
からっぽ

みずがなくなった
さばくのたびびとのよう

きみをもとめて
さまようばかり

ぼくのあたまも
もうからっぽ

ねじが ....
涙一粒 こぼれおちた 
また一粒 こぼれおちた 
寂しさが こぼれおちた 
悲しさも こぼれおちた 
そうやって人は生きていくんですね 
それでも命は続いていくんですね
こぼれおちた涙の数 ....
雨が降っているのかしら、と
君がつぶやく

君のつぶやきは
答えを求めている時と
そうでない時があるので
それを聞き分けるのが
とても微妙であるけれど
肝心なのは
語尾のニュアンスで ....
真実と

事実の

距離は

余りにも

遠い
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく

脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
からからからと
風は吹いて
真っ青な空に
よどんだ雲
冬のにおいに
春の予感もまじっている

さむいなあ
さむいな
からっぽだな
からっぽだ
からから
からと
風は吹いて ....
 
僕の目指す
ドラミングは
 
どっしりとしたリズム
それでいて
軽やかに転がっている
 
隙間に ぴたっ とはまった
かと思えば
メロディーの上で踊っている
 
ビートを刻 ....
川のほとりの

裸の枝の先に片方だけ

手袋がいろとりどり

沢山刺さっている

風が吹くといっせいに

手を振っていて

どこかで探している持ち主に

さようならと別れを ....
僕が悩んでいるのを
僕が泣いているのを

雲の上からあの子は見てる

うまくいったときは手を叩き
うまくいかないときはうなだれる

僕が笑っているのを
僕が喜んでいるのを
 ....
東電さん

マスクを配ってあげなよ

半減期30年とか

風が吹くたび

骨や筋肉や甲状腺に居座るんだろ

ひとを不安にさせまいと

めんどくさいから

みんなマスクをして ....
セレモニーが終わる

家から1マイルほど離れた公園で
タクシーを降りて
ナップサックを開け
鍵をさがした

予想に反して
父親がドアの前で待っていた
「疲れたか?」
私は首をふった ....
容疑者の写真がニュースに流れている

月が北東に隠れようとしている

あれは北西なのかも知れない

月が容疑者のように

どちらの方角にも気配を撒いている

三日月ぐらいの形を見つ ....
オーディオが好きな人はわかるだろうけれど、
まったく同じシステム、
つまり、
同じアンプ、
同じプレーヤー、
同じケーブル、
同じスピーカーを、
Aさんと、Bさんが、同時に買ったとし ....
夕凪

こだわってるもん何て 全部捨てるつもりだったけど
それでも足りなかったのは 何だったんだろうな
同じ未来を見てた二人 けど向かい方が違ってたかな
単純に恨んだりできたら 楽なんだろう ....
御願いです、もっとガラスを下さい。
思い出の中の君をガラスに閉じこめるから……。
僕だけの君を、下さい。
ガラス色した君を。

御願いです、もっともっとガラスを下さい。
思い出の中の君を忘 ....
あなたの隣で関羽が世を憂いている
あなたの隣で横断歩道に並んで
あなたの隣で青信号を待ちながら
青龍偃月刀に鬚髯を搦めている

あなたは彼ほど強くないけれど
今関羽は眩しそうに
隣で生き ....
不思議
深く眠りながら
果てしなく醒めている心地
見えない舟が 横たわる僕を乗せて
透きとおる彼方へと 漂ってゆくよ

夜は青く
あえかな香りが僕を包む
この流れのほとりには 何処まで ....
佐藤ひろ美26歳が

電車の中でたまたま隣に居合わせた後藤洋造56歳の服装を見て

心の中でせせら笑っている時に

僕は死んだ

山田達久43歳が

家賃の振り込みを忘れて焦って
 ....
 
 
同級生がまた一人、先に飛び込んだ
いろいろあったものね
今となっては想像でしかないけれど
今年で四十五歳
空っぽの四十五歳
 
 
きみはスタンダード曲が大好きなんだって
でも何故シナトラやトニー・ベネットばかり聴くんだい

日本にスタンダード曲はないって
スタンダード曲を愛するきみが
それほどに無知だとはね

そん ....
澱粉質は
白くて柔らかい
子持ちのセラミック。

あぁ、割れた卵の保管場所。
ざわめき始めるビニール袋。

カリの偽装が眠りにつく頃
新たな擬装の目覚めを見る。

未完成を刻む台所 ....
ひとりで生きられる
生きられない

それとも、ひとりで生きざるを得ない

わたしってどれなんだろうね




無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
大きなゴミ箱の中で
暮らしている
最近
腐ってしまって
汁が出てきた
犬でも飼おうかな
このままどんどん腐って
いつか雲に乗って
飛べたらいいな
出会ったばかりの頃は
無口な君が
苦手でした

私だって
口下手で
初対面の人となんて
話せるわけないのに

一生懸命話しかけても
君の返事は一言
話が続かなくて

 ....
路地裏石畳の坂道を抜けたら
ちいさな井戸がある

そこから先は
行き止まりになっていて

逆から井戸越しに
坂道を見下ろすと
一気にふもとの海まで見える


風は凪いで

 ....
統計によれば自殺が一番多い月曜日の朝

通勤電車で幸いにも座れた僕は自殺もせずに健気に生きている人々に囲まれていた
電車が駅に着く度に本のページをめくるように目の前に立つ人が入れ替わる
チェス ....
その4人は故郷である奴隷貿易で栄えた街で生まれ
ドイツの或る街で夜通しライブに明け暮れていたクラブで
故郷のレコード店の店主に発掘された

4人は独りの仲間を解雇し新しいメンバーを迎え
再び ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
引き出しそらの珊瑚1012/2/28 14:41
蒼いバケツ草野春心4*12/2/28 12:31
待合室森の猫10*12/2/28 12:29
燃料ジュリエット112/2/28 10:09
「Go」文字綴り屋 ...012/2/28 9:47
弔い雨そらの珊瑚9*12/2/28 9:20
距離HAL112/2/28 8:52
あしあと山人21*12/2/28 8:12
シホ.N412/2/28 1:25
Singer Drums Player次元☆★7*12/2/28 1:08
ろくぶての行方灰泥軽茶512/2/28 0:13
キューピッドジュリエット112/2/27 22:35
北風に想う吉岡ペペロ212/2/27 22:30
逃げるべきだったmizuno...212/2/27 22:10
月の容疑者吉岡ペペロ612/2/27 22:09
スピーカーズ・コーナーはだいろ312/2/27 21:48
夕凪itukam...012/2/27 21:34
ガラス細工の君雅寛112/2/27 21:10
関帝mizuno...012/2/27 20:53
見えない舟塔野夏子7*12/2/27 19:47
僕の死の時yamada...212/2/27 19:45
age5たもつ3+12/2/27 19:45
スタンダード曲HAL312/2/27 19:27
同定の眼褪めyuugao312/2/27 19:08
顔なしのひと恋月 ぴの3012/2/27 19:06
大きなゴミ箱の中でチアーヌ312/2/27 18:55
無口ジュリエット112/2/27 18:28
夢みる井戸Seia312/2/27 16:01
生きててよかったねたにい2+12/2/27 15:51
4人HAL312/2/27 15:07

Home 戻る 最新へ 次へ
2730 2731 2732 2733 2734 2735 2736 2737 2738 2739 2740 2741 2742 2743 2744 2745 2746 2747 2748 2749 2750 2751 2752 2753 2754 2755 2756 2757 2758 2759 2760 2761 2762 2763 2764 2765 2766 2767 2768 2769 2770 

【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.45sec.