◇小魚

雨の後は
小川の土手が増水し
小魚たちの遊戯場になっている

水圧に押されて
寝てしまった青草を
小魚がしきりにつついて
運び去ろうとする

一本の草とて
そうはさせ ....
例えばさっき君がくしゃくしゃに丸めた書道作品の返却物は
それは確かにいまここに在るのだが
それは一体誰のものなのかと
問いを立ててみようじゃないか

君にとっては持ち帰るのが面倒くさいものと ....
おやすみなさい
わたしたち
しんだいしゃにのる

とおいどこかから
とおいどこかへ
たびだつため

ねむりのなか
たびがある
とまることなく
しんだいしゃはどこまでも ....
夕日が傾いて
深い青と橙が混ざりあうなか
身体を持っていかれるような風に吹かれ
僕はひたすら自転車をこぐ
混みあう交差点
細い並木道

今日も
疲れはてた人々が
ふらふらと家 ....
 
 
自転車のか細いペダルが
今日は博物館の
涼しい庭にまで届く
始まったばかりの夕暮れの中
まぶたの絵を描き終えて
少年は柔らかな繊維になる
 
 
コイントスで

絞首刑か電気椅子か無罪かを決める

若い裁判官は

早く家に帰りたい

可愛いワイフが

彼を待っているから

手を翳すだけで

治癒できるとは限らない
 ....
 
丸くて小さい
カラフルなチョコレート
 
1つ1つ食べる度
これは?と訪ねる小さな子供
 
赤だよ
 あか?
 
黄色だよ
 きいろ?
 
橙だよ
 だいだい?
 
 ....
あなたのこと
なんにも知らないの

待ち合わせはいつも
小高い丘の上の
大きな木の下で
空はどこまでも高く
きっと私のことなんて
忘れられてしまう予感

あなたは風に吹かれ
 ....
あの世に朝陽があるのならば
俺はそいつを見てみたい
例えこの眼を失っても
俺はそいつを見てみたい

俺はこの世には十分飽いた
もう何一つやりたくはない
人々の愚痴は聞き飽きたし
俺の口 ....
何もかもを失った
夕べの酒ほど旨いものはない
その日、月は煌々と輝き
僕の酒に反射する
何もかもを失った
夕べの酒ほど旨いものはない
サラリーマンが傍らを通り過ぎていく中で
僕は一人旨い ....
ぼくは沸騰するスープである
ジャガイモが崩れていく
ぼくは真っ赤に茹で上がる毛蟹である
苦しさに前脚を伸ばして泡を吹く

底から熱せられていて
二重の蓋がかぶさる
重くてもちあがらないで ....
人魚

海の底にいるみたい ならば私が見上げている光は
ただ海面に映った ニセモノの月の光なんだろうか
靴をなくした踊り子 気付いたら私は裸足で
真っ暗なステージに 浮かぶように立っていた
 ....
堪えきれなくて
上の奥歯を三本抜いた
ピーひょろろ
小鳥の鳴き声になって
(あなた だあれ?
わき水を飲んだら
鼻からこぼれて
時計の針が鼓膜に穴を空けた
しばら ....
すきをひとさじほおばると
苦味が走るのはなぜ
甘い香りがするのに

君の言葉がいつか
カラダじゅうにまわって
まるで毒のように私を
狂わせてゆく

いけないと知ってて
道を間違えて ....
さよならと
手をふる時は
指と指の間を
すこし開けて
すきまを作る

かなしみが
そこから
上手に
逃げていくように

美しい水を
手にためる時は
指と指の間を
ぴたりと閉 ....
新聞を旅して
自分に出会う
出られない領域は
私の住まい
悲しみ
前向き
ドラマはあって
私の今をまた照らす
私の後ろで待ちかまえている
私の後ろでこちらを見ている

声をかけてくることもなく、
馴れ馴れしく触ることもなく、

私の後ろでこちらを見ている
わたしの後ろで座って見ている


 ....
賑やかな風景が今も見えてきそうだ
昭和のレジャーは大移動
小さなゲレンデ一つに
休みともなれば
がやがや人が集まり
きちんと並んで
リフトに揺られ
ゆっくり滑っていく

帰りの電車も ....
            横たわる男のひげは春を待つ
            閉じられた青白いまぶたの奥で
            なにを夢にみるのだろうか
            弥 ....
君に言うべきだった言葉が
僕の病的な恐怖心の中に消えていく
お寒うございます
お元気でしょうか

でもわたしはあなたより
もっと寒さを感じています

息もできません
私は鰓呼吸はできませんので

それと云うのも
あなたが私を冬の海に

 ....
胸の中央の縫合痕から
たらたらと零れるなまぬるい銀の水
銀色のバケツにそれを掬いだして
部屋中に並べたら 足の踏み場もなくなった。

音もなく流れ続ける温い銀の水
部屋中に並べられた純銀バ ....
たむろする自意識に飲まれ自暴自棄自爆寸前

シラナイシラナイアンタナンテシラナイ

シラナイシラナイアンタナンテシラナイ

ついついトリガー弾いちゃって

腐乱する死体にさっそく虫が湧 ....
忘れた夢の方角へ
偽りの指を 手のひらを置く
のりしろ 空白
潮の熱さ


ふかみどり
喉の奥の
ふかみどり
車輪の行方
消えてゆく影


象亀から 布に落ち ....
斜陽のひと
小さな名前を繰り返す
夏の日が
あんなにも眩しい
真剣な寝顔へ
薬指の紅を
つうっと撫でる
暖かさは直ぐ其処
着地だけは任せて
まるで死刑台
こぼれちまえば良かったんだ
叶わぬ 夢なんて

紫煙と 共に 湧き上がる 私怨
昇ったままで 立ち消えること 知らず

かき集めた 思い 胸に
無念だね なんて
何て 上手いこと 言っ ....
嗚呼 やさしい日々よ
夢のように 幸せな毎日よ

どうか 崩れないまま
私も共に連れていっておくれよ

現の世に もはや何も望まぬ
身動きのとれぬ私のからだ

嗚呼 やさしい日々よ
 ....
飽きずに  また立ち上がってくる

慄然たる毎日に

立ちむかうための{ルビ剣=ツルギー}が欲しいんだ

青くさい青くさい?なんて  言われてもわからないんだ

わからないわからない  ....
毒のない棘
蜜のない花
種のない実

罪ですか


咎のない嘘
咎がない故
咎でない
のは
悪なのか


情状酌量
情状酌量

情を量るにゃ
何が要る


 ....
煮つめられた、ような
まよなかのにおいを
くたびれた寝床で嗅ぐ、遠いこめかみの痛み、ディスプレイの照明を、受けとめ続けたせい
おとなしい雨の日の
波打ちぎわみたいな間隔で  ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
波打つ草原杉菜 晃11*12/3/15 22:39
丸めた紙くずの存在論N.K.3*12/3/15 21:40
寝台車小川 葉412/3/15 21:17
ジュリエット112/3/15 20:09
age22たもつ612/3/15 19:21
運命花形新次212/3/15 19:13
カラフルなチョコレート次元☆★412/3/15 19:13
ずっと待ち合わせRT012/3/15 18:44
あの世の朝陽yamada...112/3/15 18:27
旨い酒512/3/15 18:18
二重蓋の圧力鍋殿岡秀秋912/3/15 17:43
人魚itukam...012/3/15 12:23
耐芯鳥アラガイs13*12/3/15 11:56
違法な薬朧月312/3/15 10:19
手のかたちそらの珊瑚14*12/3/15 10:11
紙面の旅朧月412/3/15 8:08
終わり始まりさいらと112/3/15 4:14
スキー場跡灰泥軽茶9*12/3/15 2:47
春とひげ石田とわ6*12/3/15 2:23
ホワイトデーの朝番田 112/3/15 1:59
寒中お見舞いHAL4*12/3/15 1:57
銀色の時つむ1*12/3/15 1:52
deleteボトルシップ112/3/15 1:40
7月、8月、9月(黒)木立 悟312/3/15 0:36
薄皮112/3/15 0:28
最初で 最後の ラヴソング藤鈴呼1*12/3/15 0:26
ゆめとまぼろし112/3/15 0:22
バカノウワゴト/歌詞高原漣012/3/14 23:42
またまたそんな、ご冗談を。faik10*12/3/14 23:35
1/2 A Loafホロウ・シカ...7*12/3/14 23:23

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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