呼んだりするし
あいしているし
分類はいらなくて
おそらく実在して
手繰り寄せて
撫でる要領で
一見集中しているようで
投げやりにあつかったり
マヨネーズとケチャップが冷蔵庫からやってきた
(こんな時間に何の用か)
マヨネーズは少し考えてから
ケチャップに回答を委ねる
全体的に熱帯夜
開きっぱなしの冷蔵庫から
洩れる冷気が ....
強い日差しが照りつけて
なにもやる気が起こらない
楽しい出来事なんて
人生にはそれほど起こらない
明日のことなんて
大体予想がつく
きのうまでもそうだった
だからあたしのくる ....
頭上を飛び回る一匹の蝿
よく目を凝らすと、その蝿は
小さな俺みたいな姿をしていた
小さな俺みたいな蝿は
耳元に近付くと
自分こそは天球の陥没により
俺という球体の内部に産み落と ....
鼻風邪をひいてしまった
五月の初めのあたりの事だ
なんとなく仕事も落ち着き
明日からの長い休みに
何をしようかという日の事だ
鼻風邪をひいてしまった
ズゴゴ、と鼻を吸う
喉の奥に青っ ....
雨を見て
雨を聞いて
雨を匂って
窓越しに眺めてみたり
傘を差してみたり
雨を受けて
雨に濡れて
雨を感じて
両手いっぱい掬ってみたり
救われてみたり
雨は降る
流れるじ ....
本日は、亡くなったあなた様の誕生日である
(果して何のための希望か
仄暗い空のもとをひっそりと
いきをする私の影は
ただのひとつの影となり、
青果しじょうに
実ってほどない ....
こんな日がくることを
いつから知っていたのだろう
告げねばならない
それがわたしの役目 ....
木よ
おまえは忍耐の結晶だ
じっと季節に身を任せていて
こんな異国に
新緑を散りばめていて
だれもいないだれもいない
こんな愛にありがとうだなんて
もっと ....
そうさ、おれは、いつくたばってもいいように、こんな感じでいつも書きつづっている、どうせ、きっと、まともな死に方は出来ないだろうからね。そんなことどうこう言ったところで仕方ないのさ、おれが選 ....
それから、
と いつも
はじまりは
それから、
おだやかに
火葬された赤子の
骨は小指の
爪ほど小さな
鈍い星の
欠片みたいだった
みたいだった
という
あえかなる比喩が
途 ....
散歩してたら
小石蹴っていたよ
偶然だけど
いつもの道はいつも通りで
だけど昨日と違うね
蹴った小石が右なら右へと
左は左へ続くよ
少し力を入れて飛ばせば
小走りだってしちゃうね
....
うつむきながら帰り道を行く
そして どこにいくのだろう
僕には 確かな言葉もないままに
何もわからなかった
そして 路地裏にたどりつく
立ちつくしている自分を カメラに収めてみたい
長 ....
ゴールデンウイークだ
泊まり込みで
財務をベースにした
事業計画を立てていた
ぼくのこの執念は
だれにも邪魔などできやしない
だれか教えてくれないか
こん ....
少しずつ
剥がれてゆく日常
面の奥に隠した感情は
熟れきった果実
触れてしまえば朽ちる
それを知っていても
進む以外の選択肢は無く
今日も偽物の真っ赤な唇で笑う
....
たんすの中で服達が
牛や熊みたいに押し合っている
それぞれに獣毛をマネた人型の
ウールや化繊の上着達
ラム革合革
色とりどりの
似合いもしないスカート達
無用に増えるコート達
毎年足り ....
白い雨の匂いが
空を泳ぐ
稚魚の群れのように
銀の腹の光るように。
雲のカーテンが
やさしく光を包む
私たちが
眩んでしまうを知って。
今日は雨がいい
少し冷たく
淡く白く ....
あのひとが鏡に向かって化粧をしている
あのひとが見つめているのは
鏡に映るあのひとではなかった
描き直されるのなら
あのひととの歳の差であるべきだった
それが
鏡に ....
かくも罪深い被造物
千の波に洗われ
万の夜を越えてなお
腐敗しきった臓物の臭いを遠くまで漂わせる。
黄ばんだ太陽はデブでよろよろ
側溝に落ちることも出来ないまま
へ ....
{引用=
はりめぐらされた毛細血管をつたい、光の情報になって、
会いにくる恋人と抱き合う。瞳の都市、解読不能の地図
のなか、だれにも秘密の場所に隠れるから、いいってい
うまでぎゅっとしていて。 ....
ある町を歩いていたとき
黒いスーツがアスファルトに
うつぶせのまま倒れていた
暑い日だった
私はすこしためらってから話しかけた
「大丈夫ですか?」と紳士的に
だけど返事はなかった
....
月を見上げる前に自分の胸に右手をあてよ
左手を高く掲げよ
胸の鼓動はビートを刻め
苦しくたって悲しくたって生きてる証を刻め
左手は夜空で輝く星を掴めたか
月はまだ笑っているか
....
ねえ、マトリョーシカ
この世の何処を探したって
貴方ほど馬鹿げた男はいないわ
根っから明るい人間なんて
そんなの、沢山居るほうがおかしいのに
誰かみたいにと躍起になって
自分らしさを台 ....
世界に興味がありません。
私の思うようになってくれない世界には興味がありません。
人に興味がありません。
私を可愛がってくれない人には興味がありません。
見返りだとか、お返しだ ....
おかねは
いのちだ
いちどしかない
じんせいを
いきていくための
いのちだ
なのになぜ
そんなに
ひつようなのだ
いちどしかない
じんせいを
にどもさんど ....
風がふく
風がながれる
風がなく
ぼくらの風は
いつも
風を
探している
ふく風は
たぶん
あなた だろう
ながれるのは
間違いなく
ぼくだろう
なく風は
....
蘇鉄の葉が風圧に揺れる
掃討戦が始まっていた
その夏、ぼくはひたすら
素麺を食べ続けたのだった
想像よりも遠くまで
空は広がり
祖父は二度と
祖国に帰らなかった
....
渡しそびれた手紙
あの日
あの場所で
君の1番の思い出に
なろうとした僕の拙い証
不細工でちっぽけな文字
慣れないことはするもんじゃない
それでも書いた
手紙
何枚も失敗して ....
雨がしとしと
かたつむりつつつ
子供らの傘ららら
君の笑顔うふふ
季節の変わり目に窓の外を眺めている。
外は雨 外出
細い両目から差し込む光の筋だけではイメージの光量が足りない。
そのため、頭蓋骨の内側を照らすプラネタリュームは暗く星の光は毛穴ほどの大きさ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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