言葉は空間を引き裂く
街の底の暗がりに
今日もジッと上目遣い
月の光の届かない
煉瓦倉庫の一角で
人を脅す生業(なりわい)の
舌なめずりで誇りもなく
動くことすら億劫で
知性の欠片は今何処
物欲食欲性欲と
....
明滅する赤や緑の光を浴び
暗闇にしまうまは横たわる
静けさの中でざわめきだけが
息 ....
いつまで子どもなのって言われたら
いつまでも子どもだよって答えてやる。
嬰とは本位音より
半音を上げること
ショパンはもっとも多く
嬰を好んだ作曲家だった
でもショパンを聴きながら
ぼくはふっと想ってしまう
ぼくは生き方に嬰をつけて
日々を送って ....
猫がお爪でミモザボンボン
ぷしゅんと割ったら
月がこぼれた
裸足の人に降りかかって
足をびちゃびちゃ言わせながら
彼は森の協会へ
神父さんたらうっかりしてて
黒猫しまい忘れて ....
誰もいない
誰も知らない
みずうみに
さっきまで見つめていた月が
浮かんでいる
そのまぼろしは
自転車で
街道にあらわれた
あなただ
誰も ....
お風呂は真っ赤なゆりかごだ
人の体内からでるものは
赤に決まってるじゃあないか
後悔も溶かし
耳から入る
水入る
菅にみたてた体を
もてあそんで忘れたい
今日の
明日の私の迷 ....
思い出の箱を
春の野に
夏の朝に
秋の鳥に
冬の霰に隠してる
栗鼠のように
大切な食料
びっくり箱のように
色彩が溢れないように
暗証番号つける
秘密のファイルのように ....
あしたプラチナが降ったなら
あたし独りで大金持ち
死をついばむカラスのように
詩をむさぼるガラスの仮面
そうよ、今夜は仮面舞踏会
題 桜吹雪
トロピカル・ウェイブ作
夜まで
桜の木の下で
お花見をしている
とても
大きな
桜の木
風も少し吹いている
夜空に舞う
桜吹雪
休日のオフィスでひとり
コピーをとってる
何度とり直しても
文字や記号は
羽をはやし逃げてしまうから
白い紙だけが高く積まれていく
明日までに終えなければ、
と思う
明日が ....
さくらの歌が
眠りにつくころ
駅がわたしを呼びにくる
路線図上の
きれいな文字は
すっかり古く、穏やかで
長く対峙することが
むずかしい
線路脇には
意味のあるものた ....
桜のつぼみが口をひらいた3月27日は
遠藤周作先生の誕生日で、奇遇にも
結婚前の僕等が恋人になった日なので
府中の遠藤先生のお墓参りに行った
生後7ヶ月の周の、旅の始まり
....
死ぬ前にいっぺんぐらいは良い詩を書いてみたい
....
つまらぬことで口げんかをして
下の階にいた嫁さん・子供を呼んできて
布団の上に座らせて
ごめん、ごめん、と育児にこった肩をゆっくり揉んだ
布団の上にひとりあぐらをかいて腕を組む、午 ....
葉は寄り 毛の尾に嗅がれる
伏せる喉 痩せた土 はぎ
噛みすする 親不知
木の根に うずくまり
こごと と舐める
石の蜜
左ポケットに穴を開けた
ゆったりとしたズボンを履いて
黄金の左手を突っ込めばいつでも
直接触れられるようにしておく
朝の渋谷センター街
行き交うOLやギャルのなかで
これは、という娘を ....
ひねくれて咲いた花は
つまらない冗談を浴び
触れない風潮にそよぎ
良く肥えた嘘に根を張った
罌粟より見開いて
月よりもあぶなくて
桃よりも貪欲で
嘘のようにやわらかい
....
花火に行った
明るいうちに待ち合わせをして、商店街を歩いた
明日のお祭りの準備をする人たち
今夜の花火の場所とりをする人たち
古本屋に寄ってみる私たち
数百の単様な飾り
「シーモア序章 ....
風に
正義を負わせるな
風に
味方を尋ねるな
雨に
慈悲など求めるな
雨に
素顔を尋ねるな
真っすぐに立て
力の限り
言い訳の一切を
支えにかえて
....
駅近くの喫茶の壁に
抽象画が貼ってある
焦点の合わない
橙色の幾何学模様
隅に小さく署名がある
さいたりる
若い女主人に聞くと
以前よくきていたが
最近はまったくこないという
....
蜃気楼、と名のつく国へ
ゆびさきに力を込めて
風をおくる
かろやかに静止する
すべてのリズムは雨に流れて
つい、空を見上げる
何もないということが
両手のうえに確かにあっ ....
風伯の寝息 漂う 夕暮れ時
初夏から紅 瞬き 繰り重なる あの色に
今は今宵は 主に朱を ためておく
いづれ 朱く染める 染め上げ称える
終わり良ければ 酔いしれる
....
低気圧にやられてしまった
ランドリーとカントリーのはざまで
祖母は
おぼつかない
見当もつかない
階段が重たく見えるのだろう
すべての輪郭があいまいなリアルにあって
雲が重たくぶ ....
楽園を捨てて生命を買った
楽園を捨てて祈りを買った
時間が動き出した
楽園を捨ててケガレを買った
楽園を捨ててお金を買った
減り続ける自分自身
無限が嫌になって吐き出してもらったんだ
....
桜は散ったけど
想い出は消えない
痛い記憶も甘い記憶も
抱えこんだまま
季節が過ぎていく
夏の葉桜の下で汗をかき
蝉の声に耳をすませ
誰かの視線を感じつつ
愛をやり直し
仕事もやり直 ....
うららかな春の日は
たおやかに花も咲く
吹く風に窓辺はふくらみ
まどろみをさます冷ややかさ
夢見るような空気の揺らぎ
闇をもはらむ光にあふれる
沈黙が
しなやかに這うようで
....
桜の最前列は
そろそろ 奥の細道へと趣く
遊牧民族のカルマを受け継いだ 彼女は
初めての転校生は 杜の都だった
縦長の豊かな6県は
そろそろ 桜の最前列に手招きする
....
からだのどこかでおぼえてる。
きみのこと、いくつかのこと。
ひとにはいえないような、
ひとのことはいえないはなしをしよう。
青信号であしたはすすみ、
赤信号できのうはとまる。
きょ ....
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