いつも眠かった
いつも、ひとりぼっちだったから
また俺が
全体主義者だって言うのか
大体お前ら
その全体主義の定義だって
まともにやっちゃいないじゃないか
それでも俺が
全体主義者だって言うのか
俺の言動に
全 ....
とにかく私は
君らによって
ヒトラーの同類だと
名指しされたのだ
だから私は
自己弁護のため
ヒトラーを弁護しなければならない
とにかく私は
君らによって
ス ....
昨日のわたしを丁寧に埋葬する
それはやはりひとつの儀式として
今のわたしの内側には
そうやって埋葬されたいくつもの棺が
記憶と名付けられて並べられているのだ
さようなら、昨日や、あの ....
猫が捕ってきた雀
小さな小さな仔雀
誇らしげに口に銜えて来た時にはもう事切れていて
首なんて明後日の方向へ曲がっていた
のろまな猫に捕まっちまうなんて
きっと飛ぶのが下手だったん ....
あなたを好きになって
十四年が経ちました
ずっと好きだったわけじゃない
ちゃんと 恋もしたよ この十四年
いろんなひとが通り過ぎた
優しいひと 意地悪なひと
かっこいいひと 大柄な ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
足りない
足りない
まだ足りない
今日という日がまだ足りない
明日なんて信じない
信じてなんかいないのに
きては終わり
繰り返しの今が私にあったから
ここまできたんだな
....
予備校にはリフレッシュにとテニスコートがあった
そこで僕らはほぼ一日中ダブルスをした
コートの周りの新緑は日々その影を濃くしていった
予備校に似つかわしくない汗まみれの僕ら
6 ....
偶然のすれちがい
微笑み挨拶するけれど
何かを伝えたくて
何も伝えられなくて
優しい風が吹くだけで
明日の気配に
ふわりと衣が
背筋を撫でる
海老フライが網にかかる
隣の船では大トロが大漁だ
赤身は人気がないので海に離す
いつか大トロになることを願って
畑にハンバーガーの実がなっている
産地に行けば生産者のスマイル ....
遠雷のひびき
それは、叫び声にも似た、
雨 雨 雨 雨 雨 雨 雨 雨雨雨
ぐっしょりと 濡れそぼり
沢へつづく 林道をす」すむ
すでに谷 ....
その塔は永遠に近い高度だった
人々は街を作り
補給点をつなぎながら
天を目指した
何世代も
何世代も
いつしか
塔外部の螺旋階段から
地上は見えなくなっていた
足もとに広がる空を ....
電気椅子の側に 天使が立っている
死刑囚の魂を 導いていくため
死の天使サマエル
毒の天使サマエル
サマエルは語る
電気椅子に座っても、救われる魂と
冤罪でも 地獄に送る魂がある
神 ....
いつか見た夢
いくら呼んでも
振り向かない背中
いくら手を伸ばしても
届かない背中
なんだか
すごく現実味を帯びていた
大好きなその背中を
追い ....
遠くを見ると、果てしなく感じて目を閉じた
足元を見ると、崩れ落ちてゆきそうで怖くなった
さようなら
桜の枝が揺れて花弁が零れる時
そんな言葉を耳にする
さようなら ....
いつもいつも誰もいない
角を曲がれば誰もいない
電車に乗れば客はわたし一人
海へ向かえばカモメさえもいない
みたいだけなんです
あなたと一緒に
あなたと一緒のものを
みてほしいだけな ....
机の上のオレンジ達は
傾いた皿に身を寄せあい
なんだかとても、楽しそう
(日常が、ちょっとずらした視野になる
そんな軽みに、立ってみたい )
いくつもの小さい太陽達は ....
テーブルの下に
豆腐が落ちていた
原形がわからないくらいに
ぐちゃぐちゃに崩れていた
世を儚んで
飛び降りたのだ
窓を開ける
初夏の風が吹いて
部屋の中を涼しくする
....
夢の中で
遠藤先生が人型の看板になって
立っていた
その看板の裏を覗くと
順子夫人が金にひかるのべぼうの姿になって
遠藤先生を後ろから支えていた
夢から、覚めた。
....
バケツ一杯
カスタード
アツアツを
クルクル
しながら
ぶちまけた
今日の夕空
子供達が
心の鼻で
嗅いでいる
やがて
夜のほうへ
さよならも言わず
駆け出すのは
記憶に留まらず
流れ出るのは
寂しさも見せず
踊りゆくのは
時に強く
時に優しく
肌を撫でる
風
太陽と目が合った
あなたの心の中に ただひとつ光る
まるで象徴のように神々しい輝き
太陽とキスをする
時が止まり 嗅いだことのない風の匂いが
愛の印のように 全身に纏わりつく午後
....
割れたコップの破片
触って流れた赤い淋しさも
拭き取る温もりあれば
やがて
指切りげんまん
約束は絶対だからね
なんて
笑って薬指
淋しがりやさんが
零したお水
拭いておくね
....
モザイクの中での消去や歪な挙動をみせる男の
首筋まで裂けた口が
映像として繰り返し上映されている夜は
使い魔を使って愉しむレインボーマン
とある一家が消えて
モザイクの中に消えて
....
あどけない魔法 途切れないで
手を合わせて祈った
田舎のおじいちゃんのような空に
くり返す切なさを
止めどない憧憬を
持て余した
無限にあったはずの三年間を
悔やんでも、悔や ....
窓辺に置かれた
一輪ざしの切子硝子
複雑な光のプリズム
瞳の中の幾何学模様
ああ なんて楽園
だってわたしは
凡庸な人でしかない
透明の硝子は見る角度で
その色や輝きも違ってく ....
なあ 君の世の為に
エキストラを上げて敬意を漂い停止する
風の膜の中へ
共存の灯火を優しく吹かし 虹を吸い込む
考えの終点はなしだ
なあ 木霊打つ脈に寄せて
握れない 抱えも ....
ミストのなかを
ゆくえをなくした幽霊のように
さまよっている
虹色のわたしたちの夢が
血のいろにそまって
やせ細る
初夏
ひまわりは
かがやくことを忘れ
ベットのうえに
....
感動を止めさせる事はできない
いかに美学者や歴史学者が口酸っぱく
その作品について力説したところで
感動を止めさせる事はできない
為政者がピストルを突きつけて
「それを止めろ」と言ったところ ....
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