雨のあとに増す
後ろ姿
径を曲がり
野の前をゆく
同じ顔をした娘が四人
家のまわりに立ち
海辺の灯
風を まわす
何も見ないものに囲まれて
子はひとり空を ....
暫々どんなのろまな亀でも
兎に勝利できることがあると
愚かな昔話『兎と亀』は語っているが
あれは亀に向かっての昔話ではない
どんなときも油断をしてはならないと
兎に向けての昔話である
いか ....
だれかがおれを殺そうとするから
おれは必死でそっちのほうへ鉈を振り下ろす
血しぶきを上げてたおれる顔は
おれの知ってる顔であったりなかったりする
表通りで悲鳴が聞こえたこと ....
死にたくなるほど疲れていた
早く寝た方が 幸せになれるのだろう
何よりも 一人でいることが うれしく思えた
音の無い水曜日のフトンの中で
好きな物など 何もない
毎日が 恥ずかしいほ ....
カノープス
君は古びた飛行船 がたがたと鈍い音を立てて
かみなり雲の中を いつまでも飛び続けている
流れ星が追い抜いて飛んでった 遥か遠くへと
選ばれた誰かの名前を その輝く尻尾に宿して
....
しばしば自分はひとりだと思うのだと
古い、古い、友人に話してみた
今、感じている、この世界との不調和は
ときにどうにも、こうにもと
しかし彼女は、私が就活でメゲているときには日本におら ....
昨日の〆サバがあたったのか
朝起きると吐き戻しお腹も刺すような痛み
背中がかゆくてたまらず
爪を立てるとなんだかツルツル滑る
鏡に背中を向けて首をひねると
なんとも綺麗な ....
大量に寝ないとだめなんですよ
といいながら
よなか
おきていて
かねを
だして
それしか
あるぼろもふ
いぬが
あるいていて
いぬが
ねこは
あるいていなくて
ごちそうさまのあとに
ひとりさびしくパセリくん
ビタミンミネラル優等生のはずなのに
ワンレンボディコンお立ち台
ユーロビートトランスハウスパーティー
レイバーヒップホップアン ....
夏の盛りの
透明な記憶の破片
縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙
君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた
言葉の結び目が
....
どっちがエピローグで
どっちがプロローグか
....
安田は自分のことを積極的に話すタイプの人間ではなかった。
暇を見ては遊んでいる郷田が運転の最中に安田の指に光るものを見つけたことで初めて既婚が発覚したくらいだ。
「まったく知らない赤の他人じゃ ....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
伝道奉仕の水曜日
日夜心にめぐる主題
神と人、自然と人生
今日も訪れし家々
一人の女性
うなずきて聴く
造られし物は自ら神を告げ
今や、だれも神おわさずとは言わじ
あがらう人とてな ....
{引用= 1.服を着ています
私は分けています
したがって私は健康です
2.一房の葡萄を
あなたに任せています
何処に捨てる ....
父母の死骸が漂着した浜辺で
わたしは目を細めている
命を細めてしまった妹の責任の所在をおもいながら
眉をそっている。
この列島に
もはや窓はなく。
わたしはおうどいろの浜辺をセ ....
きみの口から
高速道路が伸びていた
ビュンビュンと車が行き交う
粘液のような真夏の夜に
赤い光を撒き散らして
そこには、一台だけ
逆走してい ....
どこまでも続く屋台の間にたちこめる
お祭りのにおい
お囃子の音は少し遠くに聞こえてる
すれ違う人は
恥ずかしそうに手をつなぐ二人だったり
肩車をした親子だったり
浴衣姿の少女は
金魚 ....
蒸した天の羽衣
多数のビーナスに同時に咎められた
幼稚なポエムではイカないわ
「快楽はイコールで正義ではない。」
少年が 見た 擦った 常識よ!
誘惑へ進む
非常に蒸す夜
(ナイ ....
たずねてくれた
優しいひとに
わたし打ち明けられなかった
淋しいんです
おなか空いてます
泣きたいんです
理由わかんないけど
部屋まで毎週来てくれる
とってもあたたかなひとに
....
薄い雲に覆われ
目視できる
ギリギリの明るさで
太陽が唸っている
目を閉じると
破裂した光の飴玉が
痛みなく脳髄に
突き刺さってくる
その色は最初
透明な初乳のようで
やが ....
相変わらず定まった向きで沈む
僕を含めた人々の群れが
溺れもせずに器用に進む
東京では何処も見慣れた世界
誰かの痕跡が消えていること ....
私もう、
人生に期待するのやめたんです。
いつの言葉だったろう
それを口にした時代は
あの時の気持ちは決して
ネガティブでもないし
ポジティブでもなかった
ただニュートラ ....
わたしM子
様々な姿を見せるけど
青空は一番好き
実は八等身でフリーのモデル
いま就活中だけど、自尊心だけは高いのよね 。
試しに一時間だけプラカード下げて立っていたら(ほらほら) ....
夏の海辺で一人歩いていると
一人の少女の死骸が発見される
そんな事からミステリーは始まり
ミステリーは悲劇の結末に終わる
結末の後にはまた日常がやってきて
俺はまた何見ると ....
少女は死に
青年は死に
おっさんは死に
老人は死ぬ
青年実業家は死に
中間管理職は死に
ニートとフリーターは死に
王侯貴族も漏れなく死ぬ
蟻は死に
蜂は死に
....
今日は雨に濡れ
明日は雨に濡れ
昨日も雨に濡れる
俺は雨に濡れ
人々は雨に濡れ
犬も猫も雨に濡れる
木小屋は雨に濡れ
マンションも雨に濡れ
家屋という家屋
全てのもの ....
「ヘクセンハウスってなぁに?」
「ん。 お菓子のオウチ。」
そんな会話で始まって
笑顔で 過ごす クリスマス☆
星型のツリーは 無いの
空を 見上げたら
きっと あなたに 会えるか ....
ひとはだれでも忘れられていく
忘れないでと言われても
忘れないと誓っても
最初はその顔も憶えていたのに
少しずつ歳月が流れると
時の鑢に削られていくように
顔立ちは輪郭だけになり
....
僕のおじいちゃんはまだ子どもの頃
僕のおばあちゃんと結婚するんだと
何度も言い張って聞きませんでした。
そんな身勝手なおじいちゃんだけど
おばあちゃんは決して嫌がらなくて
ぜひ結婚し ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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