雨粒を指先で弾くと
光が砕けた
それは夜を背景に
風の中に散っていった
相席した男がふかす
煙草の煙を呑むと
しなびた思いが伝わってきた
今のこの悲しさも
明日には忘れているの ....
制服は重かった
着る理由も教えられないまま
私たちはだれもが脱げなかった
なにかというと並ばされた
振り向いて
目があうことがこわくて
ホントウノコトがほしくてたまらなかった
大 ....
バラバラにした
バラバラにした
夫のことを
鬱陶しかった
みんなの家が
明るくなった
たった一人
浮いた夫
役立たずで
文句ばかり
言うもんだから
腹が立った
バラバラ ....
車窓を流れ去る町々に物憂げな視線を送る
焦点は景色の向こうで結ばれているようだ
トンネルに入ると車内が暗がりに浮かんだ
どこかの窓が開いていて走行音が反響する
彼女の瞳が一瞬だ ....
なにに於いても高尚なものだけが
ひとのこころを救い癒すものではない
能動さを求められず受動さだけで
なにも考えずいられる下らないものにも
背負う生の重さを軽くしてくれる力があることを
....
隣人に余計な気を使ってもらいたくないから
なんて気を使いひとり忍んで居酒屋に逃げ込んで来たというのに
こちらも気を使ってかまって来てくれるのマスターのやさしさ実は暑苦しく鬱陶しい
でもその気遣い ....
窓をあけて空気の入れかえ
皮膚が鳴り鳴りさざめく鳥肌
気持ち良い季節の始まり
けれどもすぐ隣が
美味しくて評判の中華屋さんだから
新鮮な空気と一緒に
香ばしい匂いも ....
わたしが嫌いなもの
むやみに相手のせいにして
自分は何をやっても許されるという考え
右も左も関係ない
何かというと
「日本の軍国主義化」などと言われるが
第二次世界大戦の頃の日本に ....
実家のタオルの匂いは幼い頃の記憶を呼び覚ますね
僕らは何で大人になってしまったんだろう
排気ガスの臭いに汚染されてしまって
世界は今日も嘆いているというのに
僕らは自分のことしかできない
大 ....
群れから飛び出していった記号たちに
生ぬるい視線がからまった
ひとつも理解しないまま頷く作業に戻って
なんとか息を整えた
たぶん
あの博物館には虹を作る機械が展示さ ....
あなたが好きなペロペロキャンディー
常備して部屋に置いておくの
たまたま通ったアンティークのお店の
ショーウィンドウに飾ってあった花びん
一目ぼれで買ったんだ
そして常備しているペロ ....
盛りそばを給仕するリリー
白い歯を見せてほほ笑む
今日はお客が少ない
そう思って、笑顔を絶やさないリリー
秋は深く青春の風のような
リリー
見上げれば青い空白い ....
ざーざーざーざー雨が降る
部屋にポツリと男と女
外は雨がざーざー降り
女が照らす明かりの側に
男は入らず闇の中
部屋に二人で男と女
外は雨がざーざー降り
女が尋ねる言葉の先に
....
冷えすぎません
電気要りません
上の空間に氷入れます
その氷が溶けるまでです
わたしがアイスボックスでいられる時間は
あなたからもらった
昨日の茉莉花が
せめて今日だけでも
芳 ....
鷹の爪がむねを突き刺した 純粋が なあ 零れてたぜ
あくびがでる話さ 気長に旅支度しよう 人形は置いてってくれ
飲干した空き缶がぺこっとおじぎしてる なぜか 弱ってる
そんな不恰好な ....
空がせつなく見える日は
誰かのためいきが聴こえる
ためいきは
透明の煙になって
立ち上り
つどいあって
やがて白い雲になる
空がせつなく見える日は
あなたもためいきをついている ....
きっと と
呟いてから
たぶん と
言いなおす
なんて曖昧な未来に
託すものは遥かに大きくて
そのために何かしら
/dekirukotoha nanndesuka?
言葉っ ....
知らないこと、
知っていること、
パンダ中継、
わたしはここにいないことになっている、
願望、
とその逆の事実、
実態、
謙遜と、
彼の左目、
リップグロス、
観たくもなかった戯曲 ....
僕には虚しかった
多くが
働くことと、
それ以外のこととが。
つまりはなかった、
選択肢は。
なぜだろう
なぜ生きることに自由はないのか。
しばらく仕事を離れて、
部屋で静かに暮 ....
顔が見えない君の姿が雨の中 走り過ぎていくよ
ドアを閉ざして立ち並ぶ高層ビルの間を なにも構わないで
豹のように身体しならせて 行き交う獲物達をすり抜けて
先が見えない不確実 ....
雨の夜に思う 秋の初めの未だ残る緑の葉
鋭く細長い葉を纏った 細長き胴の先
風に振り乱だされる 白髪が如き穂
星も月も無く 徒に寂しく暗い野で
薄よ お前は そぼ降る雨に打たれ ....
きっと誰もが 心の一番奥に
他人にはくだらないものに見えるけれども
自分にとってはかけがえのない宝物のように大切な部分を持っていると思う
ぼくは それを捨ててしまえとは言わないよ 言えない
....
サンデーバザールのあと
あらしが何度か通りすぎ
片腕の乞食が食いっぱぐれ
捨て猫みたいに骨と皮だけになって
水気で頬をいっぱいに膨らませた雲は
策略的なハンターの目つ ....
あるところに
色を嫌うレンズがあった
それが愛したのは形
そして光と影の
バランスだけ
そのレンズを通して見ると
総ての花が おしゃべりをやめた
春の日差しの ....
長袖ビュンビュン
半袖ぴゅんぴゅん
お洒落じゃないから同じような柄ばかりの
シャツたち
ズボンもこれからの季節はずっと
うねうねコーデュロイを色違い二本
これから寒 ....
雨がふるので
膝を立てて
まがった指で
生理用品をつけかえる
角に立っている男たちが花売りを罵倒している
走り抜ける街の多さ
どれだけ降っても
給水塔はふやけない
雨が ....
光がないから
影もない
のっぺらぼうの空気の
暗闇
夜の住人の
かわいた息
脳天のおくを這う
黒い質感
夜のからだを
闇にあずけて
優しさと厳しさが
混交する
....
アリエッティににてるから好きって
きみは、わたしのせんたくハサミのようなかみどめをはずしながらいった。
わたしはこびとじゃないわって
いうと
きみはこいびとだよっていって
かみをくしゃくし ....
私の言葉を
ばらばらにすれば
私がわかるのかな
そうだったらいいな
それなら
どれだけ分解されてもいいのに
きっとわからない
自分でさえわからないからでなく
想いなんて
心な ....
ほぉら明るいよ
ずっと一緒さ
一人じゃないよ
涙がでるほど
嬉しかったよ
暖かかったよ
どうころんでも
ふたりの人生
先は明るいから
我慢させ ....
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