「花火があがる」
木の若芽
さあ 花火があがる
木よ あなたもいっしょに見ましょう
空よ 見てください
満月よ ごらんください
風にも負けない勇気の花火
雲 ....
娘が東京に帰ってしまうと彼女はほとんど裸のままベッドに仰向けになった
そうやっているとスポーツに明け暮れた学生時代味わった失意と蹉跌を思い出した
自分の置かれている立場などいつも練習中見て ....
今年も帰って来ないか。
と、隣り その隣りの家の 墓掃除に来たと言う。
ボトルの水滴を拭き取り
口に含み微笑む
恋しくて
無言のままに 人恋しくて
老いたその指で 草を抜く
君はどこを見ているの?
何を待っているの?
僕には見えない
荒地の彼方にあるものが
霧の彼方にあるものが
そこは君が生まれたところ?
お母さんと別れたところ?
君は仲間とはぐれた ....
寝ていいよ と 言われるよ
何だよ 眠たくなんか ねぇよ
そんな 勿体ないこと できっかよ
なんて かみつき
寝るなよ と 起こされると
何だよ こっちは 疲れてんだよ ....
人々が浮かれた声を上げる明け方、俺は
狂った声を壁の穴ぼこにねじ込み続けていた
その向こうでは標準的な雨の音が隣家の屋根を叩き続けて
睡魔はとりあえず二の次にされていた
生きる ....
何もない
やるべきことが何もない
ぼんやり庭を見ている
小学校入学前で
幼稚園に通っていないぼくは
兄たちが学校に行っていて
遊び相手がいなくて
やるべきことが何もない
ぼんやりし ....
女子バレーの
銅メダル写真で
我が国の人を見た
仲間といえども
バラバラに喜ぶ
そんなふうに
僕も人を選んできた
まるごとわたし、なつごもり
こんな季節なので
あなたと顔を合わすのもおっくう
真っ盛りに教室漬け
教科書ノート参考書の順で
男子と女子が、かたちもなく
見えない上下運動をくりかえす ....
降り注ぐ雨の中、君に夢中……。
広大な砂漠の中、
君の涙を飲み干した。
僕等は星の旅人、
瓦礫の中水を求め彷徨う。
世界が儚く輝いたとしても、
君の為、生きてきたと、
目を閉じれ ....
真夜中に
ひとりで開く小説は
難しさを持ち合わせない
さみしさの入り口、
でした
なりふりかまわず
一途にさまよえたのは
誰にもやさしい夏の日で、
つめたい雨のひと ....
朝になればさらさらパウダーシートで確かめる
自分と世界との境界。
(大丈夫、まだどっちもあるよ)
でも鎖骨の窪みから急速に気化していくのは連続熱帯夜の更新情報だけで
臍の奥の奥にある、本当に持 ....
盆の即興演奏
磨き抜かれた墓石のように
重厚に広がる天の平野
夜空は シャンペン色の発疹を患っていた
星の高熱も 青年の村落へ墜ちるころには
地上はすでに 輝きを唄っている
いたる ....
生ぬるい大型トラックの風が
スカートを捲くらせてしまう
わっ
と手で押さえたあたしを
見ていたかどうかなんて
煙草の煙で分からなかった
最近の暮らしぶりも
カメラの趣味のことも
空 ....
知ってますか
春はしゃべることを
知ってますか
彼が嘘をつくことを
知ってますか
猫はすべてを見ていることを
知ってますか
あなたがどこから来たのかを
真っ暗な夜
ピカ一ゴロゴロドッカーン近くに落ちた…
怖い
私は、一人ぼっち暗やみの中人形を握りしめ眠った。
夢をみたそれは明るい夢だった
いつかプロトコルを委譲する伝達飼育員が
アバラをひっくり返して心臓を剥き出す
なみなみと湛えられた
骨はつぶれて
内臓も空っぽで
血管と皮だけが残った
血はなくてもあ ....
「護りとおす」
木の若芽
午後一時 夕立 風鈴しきり おびえなくてもいいよ
雨が大地を冷まし 風が木を冷ますのだから
生あるものの声は労から快へと変 ....
春の雪はおっちょこちょい
夏の雪はちょっと我侭
秋の雪は目立ちたがり
冬の雪は冷たいけれど礼儀正しい
突き刺さる言葉の雨は乾かない。
「草遊びのうた」
木の若芽
<とうもろこし>
青年たちは青空を支える兵士に志願して並んでいる
インディアンの若き新兵たち
熱気をおびて らんらんと
うぉー う ....
「私が空を見上げれば」
木の若芽
私が空を見上げれば
誰かも空をどこかで見上げているのだとわかる
あの川のむこうかもしれない
あの山のふもとかもしれない
遠 ....
過去は あたたかい渦の中
からっぽのまま 行き先は闇の中
流れていく
動き回る
もがいている
雲が来たり留まったり
生きていれば
生きていれば
風が吹いたり道が見えたり
「わ ....
詩を書くのは
やめにしよう
なんだか
疲れている
「ありがとう」
って言ってほしくて 親切するのは、
偽善だって 誰かが言ってたけれど
ありがとうって
言ってもらえると
こそばゆくて
うれしくて
いい気分になるから
また、いい ....
ここに
ひとつの 針金があって
あなたの指は
それを
曲げようとする
針金は うねうねと まがって
あなたの指も うねうねと 曲がる
道を曲がっても
あなたを 見つけること ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い
閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる
もとの道を戻ろ ....
あなたの発見を
ぼくは言葉にできる
そうやってふたりは積み重ねてきたんだ
ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は
これからふたりで暮らす何十年のうちに
一つ一つかならず ....
目のまえのきみを見つめていると
あんなに触れていたことが
夢のなかの出来事のように思えてきた
白磁を帯びたきみは
純潔につつまれて
どこまでもどこまでも美しかった
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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