人の爪の根元に、白い浮島があることを知ったのは小学生の頃。

「これね、大きいほど元気な証拠なんだって。病気になると薄くなったり、小さくなったりするらしいよ」
 友達から教えてもらったなんの根 ....
夜ふけの町を
自転車で走っていると
住宅の庭から
金木犀がほんのりと漂ってくる
ああ 甘くてよい香り 

若い頃 東京に住んでいた
渋谷 荻窪 吉祥寺が大好きだった
私は男と漫画を描い ....
ふいに
あざやかな緑が消えてゆくのを
ながれるように見つめていた
するすると伸びる夜が
蔦のように月にからまり
すこしだけ
空を引きよせ
星を闇に手放してゆく


灰 ....
詩を書くことが
人の救いになればいい
そうはいかないのだとしても
そう 願っていた気がする

会社を辞めて
街の中で 何を求めて
歩いていくべきなのか だけど 僕は
わからなかった ....
どこで
どうして
どのように

生きればいいか

ここで
こうして
このように

かろうじて生き



ここより
別のどこかへ

いまより
別のいつかへ

 ....
悲しみの

怒りの

境界線

を踏み越えず

誰に訴えることもなく

押し黙って生きる人

生きることの

ぎりぎりの場所で

踏みとどまっている人

見知らぬそ ....
ときどき

形容する言葉ひとつ

思いつかない

落ち込む

ただ 落ち込む

慌しさの空白に

ふと気がついたとき

落ち込む

とことん 落ち込む

どんどん  ....
黒い服についた 絵の具の白色

それは汚れでしょ

心を真っ白にして 無になって……

ムラサキ色の心が 決して

虫に食われた イチョウの葉であっては

ならないなんてね
 ....
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが

エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
速すぎて悲しめない
速すぎて見えない
速すぎて寂しいから
速すぎていなくなった

ひとりとひとりとふたり
ふたりはふたりのひとり

あの丘に花がいっぱいになったら
どっかあそびに ....
庭にじっと佇んで 
土に根を張るあの花は 
いつのまに 
こちらに蕾を開くでしょう 

時というものが 
ぴたりと止まった
{ルビ永遠=とわ}ならば――? 

湖上にぽつんと浮かび  ....
食卓の上に置かれた 
一つの{ルビ匙=さじ}は 
天井のらんぷの灯を映し 
遥かな光をのせている 

この右手を同じ形にして 
そっと宙に、差し出してみる 
目の前に、一本の棒がある。 

誰も高飛びをしろとは言わない 
ただ、越えねばならぬ。 
向こう側に、行かねばならぬ。 
誰もお前の美しい技を待ってはいない 

目の前の、一本の棒を見る ....
懐には
恐るべき毒を忍ばせておかねばならない
ほんの一滴で
誰しもが息絶えるような毒を
一瓶
忍ばせておかねばならない

コルクで栓をして
いつでも取り出せるようにしておかねばならない ....
「借り物は、持ち物以上に大切に。」

子供の頃

そう叱られました。

週に1・2回

ハンドルを磨き

フロントガラスを磨き

付属ミラーを全て磨き

(事故を、起こし ....
月満ちて
生まれることなく
消された 小さな命

誕生を望まれず
悲しむ人もなく
花を手向けたくとも

 この子に 墓はありません


母の胸に
抱かれることなく
消された  ....
空の閉幕
地の罵声
ひと足ごとに遠のくひかり
在る風景と無い風景を
それとは知らず 行き来する水


岩が樹を喰い
樹が岩を喰い
涸れ川に落ちる
ぶらんこの街

 ....
タマンキは売春宿を焼け出された弟子たちと
カナリヴァのほど近くにある
ヌレヌーレ山に登り明朝の日の出に
彼らの最後の迷いをペミンテしようとお考えになられた
ヌレヌーレ山は草木一本生えぬはげ山だ ....
固まった落ち葉は
型にはまったモノ

堆肥になるには
対比が必要

退避するには
避難路が必需品

艶のある露が示す路
満ち溢れた葉の上に滴

浮遊することも忘れて
遊びたい ....
太陽は

ギラギラ輝くそして私を照らす明るく強く
充血した不可解な岩を
よじのぼる千の手の蛇
推論する多くの耳は
切除へのアカウント
吸収される0,000・・・
始まりの岩肌は貪欲で
山水占いのオーナーは
古い不十分な物知り人
術後 ....
キミだって、僕だって
人は、生まれたときには、みな泣いたんだ。
あらん限りの大きな声で
無垢の叫びで泣いたんだ。

「涙」という字は
戻る水と書くように
泣くことで、気持ちも ....
暖簾をくぐり、席に着く。
「もり大盛り」
静かに言う。
店員が厚手の湯飲みをことりと置く。
その半分を飲んでいるうちに蕎麦が運ばれてくる。
どんな蕎麦がくるのだろうか、初めて会う人を待つ ....
秋の
おだやかなひだまりを選んで
猫が
優しいけものの形で眠っている
堅いボンネットの上で
その寝顔はとても気安く
しばし駐車場で私もうたたねをする

ほんとの君の正体は
西方白虎だ ....
自分が

無から有へ

遠くからここへ

暗がりから

まばゆい場所へ

運ばれてくる

冷気を浴び

染みわたる

熱い珈琲

おはよう

おはよ
「お母さん、コンデンスト・ミルクっておいしいね!
 明日もまたこれ作ってね!」

娘達が練乳をお湯で溶いた飲み物を啜りながら言う

「いいよ。
 お母さんも子供の頃 これが大好きだったんだ ....
僕は逃げてきたのだ
目の前に 消えそうな夢を 見ていた
色々なことから そして  
僕は いつも 逃げ続けていた


いつもの投げやりな顔で
僕は支払わされたばかりの罰則金を噛みしめ ....
                121024


なにかとなにかが喧嘩して
別れ離れになったとさ
鼻歌交じりの行進曲を
半壊れのラジオで聞いている
壊れたのはケースだけで中身は壊れていな ....
尾を引く
涙目
蜉蝣
明日からまたちゃんとやる

手招く人々
ぬるい足音
響く楽園
たかが地獄

踏ん反り返って
明日をみれば
何もできそうにない
そんな感じだけど、
そう ....
銀翼連なる雲の果て

七たび往きて そのたびに

傷つき血を吐き火を噴いて

なおも折れざるかの翼

祈りたまえ 唱えたまえ

神よ神よなぜ見棄てたもう

キリエのうたう歌が、 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
浮島そらの珊瑚14*12/10/25 8:42
【 金木犀と月 】泡沫恋歌13*12/10/25 5:52
separateとりかご212/10/25 5:01
退社の詩番田 112/10/25 2:12
夢の向こうシホ.N312/10/25 1:36
境界線三田九郎412/10/25 1:20
落下傘2*12/10/25 1:12
ステンド・ハート芦沢 恵22*12/10/25 1:11
もみじ悔いたし鐘は無しただのみきや21*12/10/25 0:42
速度の方法竜門勇気112/10/25 0:05
花の時間 服部 剛212/10/24 23:59
匙の手 412/10/24 23:52
向こう側  212/10/24 23:45
水瀬游212/10/24 23:16
教え梓ゆい4*12/10/24 22:48
【 水子供養 】泡沫恋歌6*12/10/24 22:20
ひびき めぐり木立 悟212/10/24 22:08
アソコ伝 13章花形新次312/10/24 20:57
艶のある露藤鈴呼4*12/10/24 17:57
太陽スマイル?012/10/24 17:32
和田カマリ1*12/10/24 17:09
戻る水。元親 ミッド312/10/24 16:17
「蕎麦っ食い」山人9*12/10/24 16:16
うたたねそらの珊瑚6*12/10/24 8:59
モーニングコーヒー三田九郎312/10/24 7:44
練乳夏美かをる19*12/10/24 6:14
どこかに引っ越し番田 212/10/24 2:29
なにかあおば4*12/10/24 1:18
それだけopus112/10/24 1:03
征空のメサイア高原漣012/10/24 0:02

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