○「セキュリティの時代」
「クリーンアップしないと携帯が壊れます!」
大きな警戒音とともにスマホ画面に表示された
あわてて指示されている所を押した
するとスマホがコントロール不能に陥った
宣 ....
くらりくらり
頭揺れ
うつ向いた視線の先に生温かな風が吹く
ゆっくりゆっくり時流れ
冷めた体を抱きしめた
自分の存在する意義すら曖昧で
均等のとれそこなった台の上で危なげに足元を揺らし ....
生まれたのはアメンボ横丁、ではなくて未分化横丁の横っちょの方
あまり覚えていないのは、そのほうがいいと道が途中で折れていたから
その折れた「く」の字の突き当りからちょろちょろとわきでている地下水の ....
五月の緑が伝い合い
誰かが消えた満月のよる
なみだとずっとの約束を結んで
いくつもの場面を通り
ためらいなくわたしは生まれた
認知されない臓腑が新しい叫びを欲しがっている、変化を求め続ける限り俺は変わらないで居られる、初めからわかっていたことだ、なにも失ってなどいない、一生を自分のまま生き続けられる人間だって中には居るっ ....
これが風景だって? 私はマーマレード・ジャムの小瓶のなかにあって、異次元の倒錯を経験している。──ここにも空がある。ここにも海がある。それらはオレンジの種であり、オレンジの皮である。<空・海。>── ....
がたんと ごとんと
夜を行く 列車の鼓動にゆられ
わたしは天井を見た
誰もなにも言わずに 座っている
眠ってしまったような
ジジジッ 電灯
ああ お前もそろそろか
もうすぐ わたしも ....
古い骨の破片を取り出し
命を再生できる世界
もう一度生かされ
3025年に生まれたなら
何を見る
何を選ぶ
同じ過ちは
冒さないか
結局孤独に
彷徨うだけか
バイオの技術も ....
ひとね ひとね
鳴り響く
この世界に
耳澄まし
じっと佇ずみ居れば
引き裂かれ引き裂いた
あなた方の
あの肉身の輪郭すら
胸の奥の
うちそこから
りんと
ひとなり ひ ....
桜が咲いているのを最初に見かけた日
あくる日にはいつも激しい風が吹く
思い起こすと毎年そうだった気がする
咲いたばかりの桜は見かけによらず強情で
千切れそうで千切れず
散りそうでも散らな ....
僕は荒んでいたんだ
何もかも
隠れてタバコ吸って
バレないのを面白がってた
高校生なのにね
君とテキトーなアパートの裏側に忍び込んでさ
アパートの住民に激怒されたね
タバコを ....
普通の内容の事なのに
あるいはそこまで大したことじゃないのに
あるいは責め立てるようなことじゃないのに
深刻な事みたいに話す人が嫌いだ
罪もない人に対して脅しているのと同じではないか
....
たとえ世界が闇に覆われても
貴方を想う心はひとつだから
もう迷わない
泣いたりなんかしない
哀しみが雨となって僕に降り注いだとしても
いつか真っ赤な薔薇へと生まれ変わるから
何も畏れた ....
硝子の欠片ひとつひとつ拾っても粉々に砕けたパズルは元に戻らない
壊れた絆
傷痕に吹きつける風
虚しさが胸に込みあげる
精神(こころ)の弱さが僕を責めるから
うなだれるキモチが不安を掻 ....
なにやら
胸の奥が粟立って
仕方がないから
五月を
描こうと思った
ところが
緑の絵具を切らしていて
仕方がないから
青と黄の
絵具を混ぜてみたが
五月にはほど遠い
....
明日は家出予定
ライブの帰り道
坂の下がまるで海
バイクごと突っ込んでいった
後にも先にも
街があんな水浸しになったのは知らない
大嵐の夜
腰まで浸か ....
散歩うた
毎日は似ているようで違う日々人も変われば立場もかわる
速すぎる子らの足どり尋ねれば実験室を飛び越えて
慟哭はすまいと誓ったあの日より甲殻類の共食い始まり
気がつけ ....
○「雨にも負けず」
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
欲はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
....
AI、愛を語る
人は弱いから突き詰めてしまい諦めてしまいそれでも最後の最後に手を差し伸べてくれるのがなにかでその後の進むべき道が決まってしまう。芸術の道を行くのかテラ(地球)の守り手になるの ....
五月は淋しい月
新緑の匂いに惑わされながらも
それらと一つになることのないジレンマ
暑くなり始めた気候に
責め立てられているような気分
五月蝿い虫どもがまとわりつく
ありえない煩わしさ
....
感情に災いされぬ純粋理性を
AIに見つける
人間に相談すると
どんなに理性的な人に見えても
もう引っ張り合いが始まっている
我に従え、さもなくば
であるように思われる
で、A ....
傷だらけの闘いを
われわれは闘いつづけて来た
時代のすみっこで
うす暗いひとけの少ない鄙びた路地裏で
傷だらけの闘いを
われわれは闘いつづけて来た
『あの ....
浮かんでは消えてゆく
言葉
ことば
コトバ
まるでシャボン玉みたいに弾けた
意味もなく意味を追いかけた
夢
ゆめ
ユメ
詞に詰めた想い
すべてが幻想みたいに闇に吸い ....
どうしようもなかった
そう言われたらそうだ
それでも見殺しだろう
どのように死んだのか
膨らむ想像が胸に重く
良心が掻きむしられる
後ろめたさも心を乱す
忘れていたことも確か
それでも ....
吹く風と
包まれ包む
静かさに
触手伸ばし
響く聲 、
夢幻の現ヲ遡り
浮き立ち在るもの
輪郭ノ確かと
吾(あ)と繋がり
あれまなんぞよ
未だ体験せずと
破顔一笑 、
....
あなたは間違った解釈に人を誘う
人に悪意を向ける
だから善意を持たれない
そのことに気づかない
あなたとは仕事ができない
あなたの講座を受講できない
あなたと時間を共にできない
....
10年前の缶蹴りの決着ついたな
それいつやねん 前もそんなこと言ってただろう
次は硬式野球な これは時間かかるぞー
それ5年前に決着ついてたがな
悪いね、俺は指導係なんだ、こういう ....
細い月は
つややかにしろくひかる
両端はするどく研がれて
夜を切り裂く
しずかに
きれぎれてふってくる
夜の
はぎれ
地上の犬たちは
それらを
おもいおもいに選んで
てんでに ....
しつけではないと思う
彼らの言うしつけとは
虐待だからだ
悟った
他人の話は聞かないほうがいい
特に生き方指南をしてくる奴のは
自分はあまり優しい人間じゃないと思う
自分はあまり積極的な人間じゃないと思う
自分はあまり良い人間じゃないと思う
自分はあまり強い人間じゃないと思う
自分はあまり才能がある人間じゃないと思う
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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