一人居の 部屋に漂う 紫煙ゆら ゆらと揺らすは 鼠なのかも
薄暗き 夕に向かへば 膝抱え 薄ら悲しく 犬鳴く遠く
連休の 終わりも近い 侘しさに 曇り空落ち 町は静かだ
浮かぶ白い半月
黄昏れいろをふくんで
風たなびく青空
金木犀の香が懐かしい
バケツに水を注ぐ
その音がこの世を映している
秋の墓参り日和だ
浮かぶ白い ....
うまくいかないことがある。
うまくいくすべを、手放しているのかもしれない。
ふたりは、ざらざらした石球のなかでしんとしずまっている。
目はそらしたまま。夜に落とされたポイ ....
当たり前のことを
当たり前と思わないことで
幸福になれると
君の小さな鼓動を聞いて
知りました
吐息だけが白く昇って
何を祈るでもない
ただ
彼女はちょっとした暇潰しに
空き地にどこからか
降ってきた神様が
お配りになられた
愛についての本を開いたのだ
何にせよ説教じゃん
明け ....
「なだらかな丘の草おおう地面にすわりたい」
木の若芽
木の葉と鳥の羽に映し出された
微妙な彩りの恵みが
等しく幸いの象徴なことを
なによりうれし ....
母の作る
遠足のお弁当
いつでもそこには
りんごのうさぎ
黄色い躯体に
赤い耳
役に立たない耳の端(は)を
世界に
ぴん、とそばだてて
ああ
君がい ....
僕は詩を読みます まだ聴いたことのない音を聴き、まだ見たことのない光を見るために詩を読みます 時には波に乗るようにして、時には地面を掘るようにして詩を読みます 何物でもなく、何物でもあるような未明の形 ....
ちかいという文字は近道っぽくて
誓文にはなり得ないところがあって
パキンと折れて、ついて出た
忘れられない言葉があって
ああ、愛しいなと思った。
とまれ
かくまれ
気高くあれ
....
東北東の風が父さんを目指す秋晴れの午後
生きていればきょう何歳だったの
数えるのはやめている
教えてくれるのを待っている
東北東の風よ教えて
父さんはいまどこで何歳のお誕生日を
東北東 ....
私が気づかないうちにも
時は進んで
雲は形を変えながら空を流れ
波は静かに押し寄せ
引いていく
一秒…
二秒……
時は止まらない
お願い時間よいかな ....
あの丘の上に登れば
何かが見えてくるような気がしている
ただ思考を記録するのだった
いつかくる明日の為に
ああ ああ 拍動
そして雲は流れていった
飛ぶように風
私の時は未 ....
白い砂漠に
矢のような日光が降り注ぐとき
摂氏五十度の風に
駱駝が弱音を吐く。
そのころ
私たちの小さな家の二階では
左腕がV字に固まった女が
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹き ....
私はいつでも
あきらめられない
あきらめないのではなく
だからこそ
つづく一歩をだしている
秋の空へ
栗の木は今年も実らせた
だいじにだいじに栗の実かかえている
まぶしい空 ....
心が弱っているときは
余計なことが
(巧妙に隠された冷たさとか)
見えてしまう
それで勝手に
傷ついたりする
心が弱っているときは
余分なことを
(キャラメルのおまけとか)
....
何もかも面倒くさいって思ってしまうんだよ
あたま、病んでいてね
もしかしたらそんな理由からじゃない
のかもしれないけれど
三度の食事もサプリで済めばよいのにね
いっそお洋服着る習慣なんて ....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ
風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
もう子供だった頃の発見は無い
{ルビ眼=まなこ}を曇らせ歌う群衆
『夷狄一蹴進撃を』
『はや我が軍は重ねたり』
『{ルビ軍港=みなと}を見れば百艦の』
『煙は空を焦がすまで』
踵を減らして踊る踏みしめ ....
午後に流れる
偽り無きもの
門の上の鳥
泉は鳴いて
見えない冠のうたううた
影が切り取る街の陰
空から 地から
泡の振動
水にひらく
誰かの手
....
金のにおいに緑が混じり
さかなに近く光りにじむ
夜は行き場の無いものを視る
つまみ上げては
呑みこんでゆく
....
詩人のふりをしていた似非随筆家がくたばり
みんな瞳をのぞきこんだ
そこにはただ
遺族に裂かれて捨てられた
人生訓もどきの山が詰め込まれているだけだった
....
廊下、というよりも百貨店の通路のような広い
人が通り、買い物などしているような道の真ん中の
売り場の壁の後ろで、仕事に疲れていたわたしは携帯を見ながら休んでいた。午後四時半。
誰かが来て請求書の ....
なにひとつ最後までは
寄りそいきれなかったわたしに
あなたがいつものように笑いかけるとき
許しが
どれほど無意味なことかを知ります
あらゆるものが
どれほど無意味なことかを
....
君の心の暗がりにいる天使
白い羽根は埃でいっぱい
眠っているみたいに
じっとしてる
かくれんぼしてるのかい?
幸せが鬼かな
....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた
子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように
見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように
今日 一つの悪意がとぐろ ....
蛇口をひねったら水がでた。
赤錆の混じった茶色い水はドボドボと音をたててステンレスの洗面台を這っていく。
恐らくこれが最後の水だろう。その水を使い切ろうとしていた。
「赤い水 ....
見上げる雲の流れは速く 僕を吸い込んでいく
やわらかく
入道雲の天に昇る速度にも負けない速さで
ただただ まっすぐまっすぐ 遠くへ
僕を吸い込み 導いてくれる
遠い 思い出 と デジャビ ....
猫轢いちゃったんです
先月あたま
駐車場から出てきた車をよけようとしたとき
草むらから飛び出してきたんですよ急に
轢いちゃったんですおれ
一瞬のことでどうしようもなかった
二輪で猫を轢 ....
今日 屋上から飛び降りた少年
他人を撃ち殺した兵士
幼女を襲った教員
引き金を引いた密猟者
轢き逃げをした若者
盗みを働いた少女
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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