見上げれば
漆黒の闇におわす 孤高なる者は
こうごうしくも おごそかに
今、クラウンの輝きを戴いている。
美しきものを美しいと思うのは
美しくあってほしいという願いか
もしくは勝手 ....
タクシーの横切る道を歩きながら
進んでいた 帰り道を のろのろと
茅場町の通りにも冷たい風が吹き荒れていた
だけど うまくはいかない そう思うほどに
退屈な毎日は続いていくようだった
....
苦しみとニアリーイコールな感情
友部正人と森山直太朗により
溶けた脳みそ
不安定で眠れない
不安定で眠れない
愛して
愛をして
愛でいて
それでいて
もう ....
切ない色の画用紙に 白い絵の具で 君を描く
絵の中だけに 輪郭が 薄らぼんやり していてね
色と色との その際に 刻み付けるに 似た線だ
やあやあ これが強調と 同じ意味持つ 紙巻の ....
花束のようだ、
かなしい訃報も、枯れた
古井戸に溜まる雨水のように、
褪せた、
土色の指先から、
読点ばかりが洩れる、
花束のようだ、
鳥よ、
愛している、と
....
くずれていくものを見上げては
全て終わったような気がした
ここにあるものが全てくだけたら
破片も残らず消えたらいいけれど
私がいられる唯一の場所がなくなってから
その場所を必死で探し続け ....
あなたの選んだ道に頷けなかった私がいる。
もしここであなたが車に轢かれそうになったら
私はためらわず飛び出すでしょう。
けれど。
毎日の中で私を殺しては生きてゆけな ....
愛が欲しかったわけじゃない
拠り所が欲しかっただけ
優しくしたのは優しくされたかったから
愛を情熱に換算できるとして
私にはその余力さえも残っていなかった
....
猫の名はどれも全てグッドバイ。
名を呼ぶ度に別れの挨拶。
ちっちゃな{ルビ削げ=そげ}
いつの間にかウチの一部や
そやから、ときどき、チクリ、チクリ、
「削げ」の意味
1 竹や木の端の削がれたもの。また、それが皮膚に ....
運ばれているのだろうか
それとも運んでいるのだろうか
品川が近づいてくると
直方体の容れ物に
行儀よく整頓された明かりたちが
穿たれているのが見えた
いろんな種類の ....
ずっと点灯して
何かを照らし続ける人生
輝くのは自分ではなく
照らされたもの
ずっと点滅して
何かを探し続ける人生
探しているのは
誰かに探してもらえる自分
人間社会の虚構
文明科学の虚構
反自然へ一途の人間の
自然は隠蔽され
虚構を信じて
虚勢を張って
虚構にとらわれ
虚心を得られず
ひとつの生を
たどる道
意 ....
恋を口にしないで
そんなもの
耳朶の後ろにだって
感じられるから
愛を口にしてよ
年老いた猫みたいに
囁き声でいいから
三日月色の指が
あなたの胸に降りて
深い息を宙に ....
ひとは誰かのために梯子をのぼってゆく
そうでもしなければ生にしがみつけないのだ
移りゆく刹那を
永遠にすりかえる
そのような作業を
慈しみ歌にする
そうでもしなけれ ....
みな年を取って行く
かわいい女を妊娠させ
若い女をエスコートしても
みな年を取って行く
無邪気な芸術家を気取っていても
また年を取って行く
二十五でやっと大人の仲間入りをし
三十で自分が ....
満月がすこしへずられた夜
花の甘い匂いがしてる
庭はまっくらです
夜だからね
ヒビの入った眼鏡のせいか
風がすこしづつ深くなり
この庭では
いくらかの生き物が死んだりした ....
世界が私から遠ざかる
耳鳴り  残響  孤独
夜はこんなにも寄りそっている
    腐ったメロンを想像する ....
落陽 黄昏 裸体 抱擁 微動 弱奏
高揚 和声 移調 高揚 同化 終奏
小死 同床 異夢 覚醒 微笑 静寂
石像が
石像の霧をまとう
段差 緑
歩き去る傘
右上からすべてを消す光
時計まわりの羽と波
池の水を飲む光
景は影を置いてゆく
流木の窓 墨の窓
何も ....
ハーモニカが吹けなければピアノも弾けない
タンバリンをやらせればうるさくて
縦笛は持ってくるのを忘れてしまった
町を歩けば石を投げられて
医者からは匙を投げられて
友人だと思っていたもの ....
うまれたままの
まだかたちにならない
くず星のことばを
いくつ集めて
かざればつたわる?
なにもないの 掌には
いきをすることで精一杯
注)この作品は、宮尾節子さんの呼びかけでつながったツイッターでの連詩を、私が独自の視点でつなげた作品です。
◇◆
【おいしい水を】
彼岸花咲く草道を分け入ると。
雑木林の麓 ....
葉が揺れ 雫が落ちる
私のせいではない
普段通りの朝に
『普段通りの朝』とタイトルを付け、
鏡に映った私ではなく鏡面そのものを見るために
一行あけて
喫煙所 ....
楽しいことの向こう側では
苦しいことが待っている (のりぴー)
私は過去を忘れない
なんてよして
こんなに涼しくなって
もうすっかり秋じゃない
季節は廻るって
2丁目の佐藤幸造さ ....
お酒でものんで 忘れちゃえばいいのよ
泣き上戸だって笑われてもいいのよ
誰かさんのためじゃなくって
あなたのためでいいのよ
なかなかうまくゆかないけど
わたしにと ....
12月に再び来る
アパートの5階
新巻鮭ヨーロッパスタイル
主人は眠り壷の近くで
寂しく餅を焼く
既に生活の虚偽に疲れた
家畜のように失われた
羽ばたき行く鳥が好き
12月に再び来 ....
私の人生を一冊のノートに綴れば
なんて薄っぺらいものになるだろう。
あなたと出会った事も
時折情熱を感じただけと言ってしまえば
それで事足りる。
泣いた事も笑った事も ....
桜守はいつも見ている
敷居の前を
週末に見慣れた木立
榎が化けた大欅が
獣たちを一瞬で覆い隠す
昔 此処が夜のしじまだったように
限りない静かがありふれていた
ダカラ思イ出ス ....
凍る舌苔が擦れあう
蟻の蘇生のような精密さで
「植物園は愚かである」
そう言って祖父は息を引き取った
(半熟の花粉を舐めとったのは誰だったのだろうか?)
叔母の潰れた踵によると
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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