吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく
窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る
{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる
晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える
水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ
摩擦による熱で発火 ノロシ
発芽に必要な条件を満たしてい ....
「を」の人
鍵穴を
開くための 旅をしている
夜空は うすら明るかった
暗かったのは むしろ樹木のあたりだった
いきものの息遣いがするほうが 暗かった
なにか隠され ....
愛を刻め
それは落ちぶれた残像
永久にとけぬ太陽
見えない幻までもが
戦慄の力を恐れている
ほころんだ未来が
偽りだと気づいても
もどかしい前進
がむしゃらな呼吸は
沈黙 ....
君のむき出しの肩を見ていた
流れ落ちる光を
むなしさで震える睫を
潜り込めたらいい
あたたかな水の底
繋がなくていい
僕の欲しいものはここにはない
結んで閉じ込めて
優しいのは ....
とても疲れた 何故だろうと思うけれど 僕には外の世界が怖い
顔を なじみの定食屋にも出せない 日々 松屋に入り浸っている
生きている感覚自体から風邪でもひかないかと思うほどに遠のいていく
美術館 ....
生きていたって悔しさに、潰され死に体だ
圧迫されて整形された
俺らは皆同じだ
にげろにげろ、
校舎の隙間を
プレス機にかけらる前に
走っていたって陽光に、照らされ立ちくらみ
汗す ....
なけなしの金を
銀行ATMから下ろして
伊東への旅に出たら
財布も口座も
すっからぴんになってしまった
安月給から食費だけは
嫁さんにあずけているが
幼い息子と3人で ....
君の記憶は教室に留まって
ぼくは忘れていくばかりだ
あなたの記憶はこころにあふれて
授業のことは忘れていくばかりよ
讃辞
あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ
犬
霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
なぜ彼等はあの日、自ら日々の線路を下りて
漆黒の闇の彼方へ堕ちていったのか――?
地上に堕ちた天使等は、時に
ふたたび空へ舞いあがってゆくだろうか――?
地上に遺されたひとりの ....
日々の職場で、ある日
宿題が、天からふってきた
不器用な僕が
眉間に皺を寄せる
難解な教科書の、設問
この小さい両手の皿から
今にもあふれそうな
こぼれそうな、なに ....
腐食の挙句ぽっかりと空いた穴から時を刻むように漏れ始めたどろどろのどす黒い液体のような世界だ、さあ御覧、夜にだけ動き出す狂った器官の稼働するさま、ああ、数時間前の紺碧の空の幻視、本当だったのに ....
社会のルール
糞くらえ
鉄格子の棒さ
俺たちを
道理の檻に閉じ込める
社会の常識
くたばりやがれ
草刈り機の刃さ
可能性を
まとめて無為に帰する鎌
俺は虫の居所が悪 ....
君のことがいやだって
嫌いなんじゃないよ?
嫌いなんて面倒な事は
いわない
ただ、なんとなくいやで
一緒にいたくないんだ
鏡の向こう側で
わたしの顔が
わたしに囁く
君は ....
たまたま進化考古学という謳い文句の本で
出会った言葉
物の形の変化を三つのレベルで示している
時代地域を超えて普遍かつ不変な要素をフォーム
スタイルとはフォームの機能を満たしながら ....
昔
会社の中の仮面に疲れた人が
仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
素顔で生きようと 闘争を挑んだ
だが
周りの仮面はそっぽを向いて
会社の素顔から出るむき出しの刃
....
だれのための人生でもなかったはずだ
色や歌や 波の寄せては返すいとなみも
だれかのためのものじゃなかったはずだ
黒も灰色も水もかなしみも
それぞれべつべつに落ちているだけの
それだけ ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない
わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋
大きな流血の ....
振り返ってみるとそこまででもない道に
たくさんの足音が降っている
身を切るような寂しさは僕を離さないように
痩せた木に大きな目印をずっとつけてまわる
ねぼけながら真ん中のイスに深く腰掛 ....
突風だか竜巻だか
しんないけど
奴の進路を塞ぐように
四つんばいの格好で
お尻の穴を目一杯広げて
待ち伏せしてやるの
奴の破壊力と
あたいの吸引力
どっちが上か
勝負してやる
....
目が覚めるとまっくらだった
せまい せまい なにかの中で
時々すき間から光が漏れて
ここは どこだろう?
「君は ずいぶん小さいね」と
声が聴こえてきた
「君はだれだい?」
「誰でも ....
活動休止の理由は
限界を感じたから
本当に活動休止だ
ギャオ
ギャオ
ギャオ
もうハートが疲れた
壊れてしまった
どうして歌う事が出来ないか
黒板に描いて教えましょう
活動休止を選 ....
不幸だって?
幸福だって?
そんなみわけのつかないものに
騙されるなよ
夕陽がしみこんでゆくよ
私のからだに
今日もがんばった
私はがんばった
何の変哲もない毎日は心を鈍くさせるには十分で、感じた物事のザラザラとして無機質な部分を際立たせる。
無味乾燥としたこの部屋の空間に、
いったい君の何があるだろう。
無感動な日々の起承転結 ....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの
泣いてはいけ ....
貧乏自慢
二、三十万の金で
刺し殺されちゃかなわないから
強盗に入られたときのために
手持ちの金と
この程度の金を取られても
決して警察に通報したりしない
という誓約書を用意しておきましょう
判は ....
ずっと
近づけば近づくほど
絡まって
離れれば離れるほど
解けてゆく
そう、信じていた
それが突然、真逆へと雪崩れこむ
近づけば近づくほど
解けて
離れれば離れるほど
....
プラットホームを歩いていたら
数歩先で人と人とが
すれ違いざまに接触した。
体と体の打ち合う音がして
ボタンがひとつ
床に落ち、私の足もとに転がった。
思わずそれを拾い上げ
視線を元の場 ....
2404 2405 2406 2407 2408 2409 2410 2411 2412 2413 2414 2415 2416 2417 2418 2419 2420 2421 2422 2423 2424 2425 2426 2427 2428 2429 2430 2431 2432 2433 2434 2435 2436 2437 2438 2439 2440 2441 2442 2443 2444
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.38sec.