何のことはない
君自身が落し物なのだ
たとえば君が左のエレベーターに乗る時
右のエレベーターから降りてくる
すれ違ってばかりの斜に構えた運命が
今日も君を捜してい ....
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{ルビ二十日=はつか}に年賀状を書き終った。こんなことは初めてだ
なにをかくそう、きみが宛名書きをぜんぶやってくれたからね
ポストに入れにゆくと丸くて赤いポストはなくてみな四角だった
....
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう
私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
....
わたし、あなたの選んだ人があの人でとってもよかったとおもうんだ
だって、顔を合わせた瞬間にすきになれたんだもん
ほんとだよ
きめた いまきめた
私は私の絵をひたむきにしんじるよ
キルケゴールみたいに情熱的に
これはもう今夜から
誰も変えられない新しいルールね
色褪せた革の上着を
ベッドに放り投げたら
背中に手を廻して
ドアを閉める
聖夜の街の冷気と
階下で呟く老人の声を消す為に。
部屋に漂わせるのは
大陸の端で
中年女が紡ぐような ....
あごのしたがきのうからずっと痛いから
もしかしたら明日は起きないかもしれない
だから布団のよこにいてよ
そしたら明後日には大丈夫だから!
会社の発送所に荷物がいっぱいでフォークリフトも空いてないし
積むのを諦めて明日にまわす
帰りにブックオフによって金魚屋古書店のコミックを買った
105円のコーナーだからきわめて安上がりなクリ ....
あなたが
愛してくれるのは
祈りだけにあかるい
ささやかな
ともしび
星には
なれない歌たちの
ひたむきな揺らめきを
あなたはそっと
抱きとめる
冬の香りが ....
丸穂ランドという
ランドがあって
そこに
ドライブに
いくから
丸穂ランド
ドライブ
という
ことが
あと
きっと
なんかいも
うちゅうが
くりかえすと
して
そのうちの ....
わたしにある
他者の相
他者は正月にもちを食い
他者はゆっくり風呂に入る
他者は身繕い
他者は出かけ
他者は恭しい
他者は賀し
他者は帰り
他者は脱ぐ
他者を脱ぐ
ひ ....
あやまちなどひとつもなく、
おそろしい精度で
どこまでも正しく列べられた
タイル、いちめんに咲く文脈と、
そこへかたくなに交わりつづける
いくつかの脊椎が灯火する街は、
放射のみどりにあお ....
あんたはわざわざ回り道をしているね
(無駄骨を屁とも思っていないのかなぁ)
兄貴は平然と死生にたかを括っているね
(根明なのかそれとも天邪鬼なのかなぁ)
お前さんは故意に人混みを避けて ....
きみの産声は
午前6時のものだったらしい
かつて手帖があったころ
盗み視た
かすかな記憶
その時きみを照らしていたのは
夜明けという天然のシャンデリア
きらきらとさやかに
祝福はあった ....
空の彼方
とどまらぬ言葉たちの墓場があり
雲にたとえられて
蠕動している(墓場は成長している)
きみの不自由さを
解き放つものなど
他人の手からは
与えられはしないよ
ふっとわ ....
離れないのです
鼓膜から脳の髄まで焼き付いて
離れないのです
母無き子の嘆く声
消えないのです
あの小さな幼子の
必死でわたしの袖を手繰る感覚が
....
白ひげのオヤジに
頼んだはずの
プレゼントは
最新式のラブドールだったのに
これは一昔前の
塩ビ製じゃねえか
クツに入りきらないなんて
つまんねえ言い訳すんじゃねえよ
安物で済まそ ....
あなたが切なくて悲しくてやるせないとき
それをどうやってやりすごしていますか
愛するひとに逢いにいく
とてもいい方法だと想います
でもそのときに愛するひとがいなかったら
あなたはどう ....
わたしの彼氏は
中部大会で入賞した事もある
腕利きのバーテンダー
だけど全然気取らないで
お客とワイワイやっている
彼の初めてのキャリアは
氷屋さんだったそうで
そのせいか氷を成形す ....
高い天井
絨毯に吸い込まれていく足音
息づかいさえ聞こえてきそうな静寂
ページを繰る音も
遠慮がちな小さな咳も
潮が引く様に遠のいて
異様な錯覚に陥っていく
あたりが歪んで
異空間に迷 ....
クリスマスツリーを折りたたみ
鏡餅を拓く
雨と雪の間の空気の粒が空に見える
コトコト煮込むなら今から始めなければ
またの支度
清々しく生きる支度
時の巡りを艶濃ゆく打ちのめされ ....
ちょっと待って!
手を伸ばして
あなたが触れようとしているのは
虚像かも知れない
想像を妄想で膨らませたあげく
はじけた残骸が飛び散って
憎しみに変わったりする
世間では
....
雨上がりの用水路
垂直のコンクリートを
ハサミをふり上げながら
カニが器用に歩く
ご挨拶をすると
立派なハサミをさらにふり上げて
立ち止まった
カニ君
待って!
....
今日は
あるところではお祭りらしい
ぼーっと
記憶を乱雑に散撒いた部屋で
誰かさんを想う
このちっぽけなカードには
何千枚もの僕が眠る
ずっとそこに居座ってい ....
アイスコーヒーが、溶けた氷に薄まる。
その前に飲みきろうとするわたしに、
オカマ野郎が、友達が欲しいだけでしょ、と言った。
もう両手が、袋に包まれていた。
....
握り潰され、踏み潰され
ひしゃげてしまった空き缶の中には
まだ誰かの生が底に残っている。
それがそのまま
路肩に投げ捨てされて転がっている、
溢れたゴミ箱から滑り落ちている。
木漏 ....
愛しい貴方に逢いたい
優しい声が聞きたい
温かい腕に抱かれたい
いつも
貴方を思い出してる
でも
いつかは
そう いつかは
私の胸を苦しめてしまうから
涙が溢れてしまうか ....
冬の寒さが
体中に張り付いて
息をするのにも苦しい
愛しい残像が
今にもこの雪に埋もれてしまいそう
吐息さえ逃げないで
愛しさだけ置いていかないで
私を一人にしないで
....
どこまでも続く空。
12月の空。
特急の窓に広がる雲。
飽きない。
いつまで
眺め ....
腹弛んだ
耳を澄ました
目から水が出て
気づかれちゃった
隠そうと思えば隠せた
胸を上に曲げた
続かなくてまた辞めて
夜が深くなるのに慣れ
僕は浅い川に浮く
変わ ....
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