移転先で埋めた柿の種子が
いつのまにか幹を伸ばし梢を広げながら
ウラノスにすなおな想いを秘めて
真夏には緑陰の王者を自負し
ボレアスにもざわめきを甘受 ....
部屋へはいって
コートを脱ぎ
耳飾りをはずし
髪留めをはずし
おどろくほどなめらかなしぐさで
結婚指輪をはずす
このひとはこれから先
なんどひとを壊すだろう
おどろくほどなめら ....
パラシュートをテーブルに括りつけて
父が天国に行く練習をしている
深緑色のグレープフルーツを剥いたりして
僕は君ともう少し深刻な話をしたい
すべてがシンメトリーになれば
人 ....
「途上にある者」
われわれはあなたへ向かっている
神よ、あるいは名も無い者よ
あるいは不在の者よ
古代の人間が考えた神話の神々
もうお呼びじゃない
怒りの神、復讐の神、審判する ....
あなたは、わたしのかたちのかたまりを見おろして
「これがわたしか」と言った
明滅する、季節の、余波が、ひといきに押寄せた午後、
わたしたちは、手をとって、あたらしい試みをはじめた
....
最近
俺の知らないところで
俺がひとり歩きしてるんだよね
って言うから
それって
ある意味
評価されてるんじゃない?
喜ばしいことなんじゃない?と
答えたら
夕べも
ファミマで見か ....
{引用=
昨日の雪
明日降るそれとはちがうことを
今日の私が、気づきはじめる
堕ちてくる雪の やむことのない語らい
一つの声か 言葉らしきものを手繰りよせれば
つながる白いサダメを ....
翳りの動き
白い文字
午後の無縁碑
何も導かない天使像
径を埋める雪が
無数の閉じた目に融け残る
止まる炎
狭く白い
水の行く先
石の上の声と ....
発表会 毎日が発表会
ステップの音は前と頂に向けられる
スピーカーの性能に頼らず
メガホンにスワロフスキーのデコ
発表会 今日もギリギリ合格
目的を梅見月に乗せる 桜も便 ....
日常なんて
詩人のためにあるようなもの
戦場なんて
詩人のためにあるようなもの
現代詩フォーラムなんて
詩人のためにあるようなもの
でも残念ながら
そこに詩人はいない
詩人なん ....
トルコをさした
ダーツの矢が全焼した
火の国、とおもった
ダンスパーティーを欠席して
ひとり自室の床をみつめ
タイル一枚いちまいの
個体差は
なかったが
なんともおもわなかった
....
ねえ みんな聞いてよ
昨日も行ったんだけど
今日も行くの
大きな病院に
朝食抜きなのに
思わず食べそうになって
あわてたわ
とりあえず薬は飲まなくちゃ
メイクする気にもなれず
....
それが基底の違いであるなら
直交するだけでも
直交するという
ふれあいがあるし
同じでなさが
その内積からわかってしまう
同じでなさは
同じであるという
望みがあって
それが果た ....
小さな水たまり
暗い冬空を映して
薄氷が張っている
メリ…メリ…メリ…
靴底で踏みつける
ヒビが広がる鈍い音
囚われた心と身体
メリ…メリ…メリ…
....
沈黙は木のようにそこにある
人が美に感動した時
恋に心奪われた時
どうして、言葉が介入する余地があろうか
沈黙ができなければ
その空白は饒舌で埋める他ない
....
自分や自分の愛する人が
明日隕石に当たって命を落とすとは
恐らく誰も思わないだろう
だから
いつも通り私達は
目の前の人にお休みを言って
今日という日を
当たり前のように見送る
あ ....
甘くて形のない形
二十歳の盛りに夜は硬い
直ちにわたしに欲しいのは
探しに来てくれる人
でもだってのに!
ゼリーの売り場は甘くて形がなくて
そんな運命を独り占め!
景色が見える窓の近 ....
耳をすませてみてよ
聞こえるかい ギターの絃のはじける音
シンセサイザーの 機械的に透明な音
地を這っていくような 重たいベース
いくつも重なり合うドラムの心拍数
張り上げたボーカルの肉声
....
君が居なくなった時
ほんとうにだめだと思った
これは、まじで、まともに
しんそこからだめだと思った
僕は多分君を全然大事にしなかった
空気の中の酸素ぐらいに思ってた
精々数%のなけ ....
子供の僕が見ていたもの
それは踏切の向こうにゆらめいていた
遠い記憶のように思える
水の中の 何だったのだろう
高速道路の
名前すら忘れてしまった
パーキングエリアのように
ぼんやり ....
1月の曇天は、この田舎町に
たくさんの雪うさぎを放ちます。
最近は、昔ほどは多くはないけど
それでも今年も雪うさぎが放たれました。
雪うさぎたちは、放たれた ....
生きる事が許されなかった子供達が
大人になったいま
それでも生きると
決断する事の
哀しさ
生きる事は許されない
ただ生きるだけである
自然にも社会にも逆らい
生きるだけで ....
世界に呼びかける
世界がふりかえる
世界に呼びかける
声が返ってくる
価値があるから
交換するんじゃなくて
交歓するから
価値がある
一人では成り立たない
人の尊厳も ....
結婚式に300万かかるという話を
ハンバーグを食べながら聞いた後
ムータンのことを考える
かわいいし
たぶん
へいこうせかいだと
いっしょになれたけど
へいこうせかいじゃないから
むり ....
大きなサイロの下に身を潜めて
電柱に止まるカラスそっくりの雲を撃ち落とし続ける
大胆な予想はいつもはずれて
てきとうな優しさに骨が溶けそうだ
もしもロボットになれたら
光とか匂いに包まれ ....
涙して書く詩なんて
これからいくつもあるだろう
そう思いながら
ナポリタンを食べる私
食べながら涙が出てきた
何なのよ このシチュエーション
思わずケーキセットを追加
椅子の上の荷物 ....
今日の月は白かった
明日の唇は蒼いだろう
震える夜を通り過ぎ
突風の下で木漏れ日を待つ
嗚呼 緑は何処へ行った
追い駆けて 捕まえて
口に含む寸前で
調味料を 間違えたようだ ....
台所の片隅で
シーフードカレーが腐っている
作ってくれた人は
新しい冷蔵庫を買いに行ったきり
帰ってこない
蛇口からシンクに落ちた水滴が
一筋の水脈となり
排水 ....
デブのほうが
早く落ちるってのは
間違いで
むしろ表面積がデカイぶん
空気抵抗が大きくて
遅く落ちるんだよ
納得いかないから
このラブドールのアリサちゃんと
一緒に
ピサの斜塔から落 ....
暮れなずむ冬道を
人は家を目指して
せかせか歩む
一つ路地を曲がると
落日が
真っ赤な柿の実のように
目に飛び込んできた
夕日よ
こんな ....
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