その風貌がすでに詩人だ
その背中が
横顔が
吐息が詩人だ
なんの付き合いも
口さえきいたこともなく
それでも彼の
たたずまいが
みてくれが
そうでしかないと
ひとりごちているのだ
目をあげたらはっとした
大きな大きなお月さま
なにがいいたいのかな
まっすぐにひかってくる
静かなのに強く
私のうろたえる心が
少し泣きそうになりながら
そらせない瞳を前へ
前 ....
朝まだき始発を待つ
プラットフォームに
小さな風が吹いている
ドアが開き
ドアが閉じる
車内に流れ込んだ風が
まだ新しいシートのうえで
とまる
ガラス玉がひとつ
地下鉄の ....
そろそろいい歳なので
生意気になるべきだ
自分が自分になるための
いさかいはとことん受け取るべきだ
世界の一員である前に
自分自身であるべきだ
生意気でなければ
こんな男に価値はない
....
高い高いをされてる時が
一番高い時だった
何よりも誇らしい時だった
もう僕を持ち上げられない父が
故郷に帰る段取りを心配している
ぶつぶつとうわ言のように
出鱈目な記憶を繋ぎ合 ....
寒くて
一歩も布団を
出たくないから
念力でエアコンの
リモコンを引き寄せようとしたら
間違えて
じいさんの股引きが
近づいて来た
それを追ってじいさんも
使えない能力だな、くそっ!
歳時記も棺桶に入れてあげよう
童貞きどってるやつ 二人子がいる
爪先まで宇宙
今夜も
うちの犬と猿が騒がしい
/妻、戌年、息子、申年
犬猿の仲とは言うけれど
喧嘩するほど仲がいい
とも言うんだな
だから毎日大賑やか
おれは酉年
鳩は、クル ....
夕方のバウムクーヘン
夜10時のナポリタン
そのあいだに
息つぎに忙しい水泳のように
祈りや移動や鍵置きやメール
どんどん近づいて
どんどん過ぎてく
....
聞かないようにしているだけ
モスキートーン
そんなにいやなら
はっきり聞こえる音で伝えてください
どうせなら誘蛾灯
なんならホイホイ
まぁすり抜けますけど
....
ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う
幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ
もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ
かつての命は
....
桜の木々にダイヤが孵化し始める
誇れるこの世に 二つの目だけで十分だ
I think 爽
夢や希望を視力検査の片目で描ける かもしれない
この張れる胸こそ不可思議の姿勢を正し始める
....
ファミマで買った
モズクサラダに
ドレッシング付いてねえもんだから
味しねえし
他は昆布のおにぎりだし
なんかぼやけた昼飯になっちまったなあ
味噌汁でもありゃ良かったんだけどさ
そんな気 ....
聴こえないくらいの
静かな声と
三歩分くらいの間が
水平線に似ていて
ちょうどいい
液晶に触れるような
ハウリングする月と
居るだけの夜が
いとおしい
きみは阿片を吸ったことはある?
もちろんないよね当たり前だよね
ぼく?
答える必要はある?
答えて欲しい眼だね
香港でね一度だけ
でも阿片窟に辿り着くまでは
大変だったしお金も遣 ....
およそ
舐められうるところは
明確に気持ちがいい
舐められないところについて
人は、チンポコしなければ
ならない
チンポコするということの
意味あるいは
単に言葉の意味について
語る ....
胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
くるくると 青空に放ってみた
跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた
迎え ....
君は強いねと言うから
そうかもねと答える
弱さに溺れる人は本当は強く
あなたのような人が本当は一番弱いのかもしれない
私は強い。
働いてるから、とかいう労働者を私は殺すし
勉 ....
遠くの山が
見える日は
空気も澄んで
はりつめる
景色を切り取る
窓の枠
部屋の暗がり
差す光
窓の向こうへ
踏み出せば
額縁のない
風景画
溶 ....
ひとつづきの管の内側
いい色の椅子を買うのに置き場所がないと
手続き半ばで電報を破棄、
太陽を見上げたらまぶしいということをおぼえた
目覚まし時計の溶けた電池は仕方ない
....
あなたのこのみはなんだろう
と、おもいつつ
たまごを割り
しろみ
と
きみ
にわける
よく冷えた銀色のボオルに、ひしゃげた顔がうつり
かしゃかしゃと、撹拌されていく
こんげつのつ ....
肺の中は毒が回り、血液はもっと忙しそうに体内を回る。
口の中の黄色い泥は、ペットボトルの水に流されて何処かへ消えていく。
ついこないだまで浅黒く煤けていたウッドデッキは、
いつ間にかとこ ....
反射熱は
あたたかい
風は
つめたい
風に
風に吹かれて
どこまでいくのだろう
あの人のもとへと
いそぐのだろうか
僕はまた
恋をするのだろうか
反射熱は
あたたかい
....
ことばよりさきに
脱ぎ去れない肉体を持って
取り乱す
見上げれば
木漏れ日が
からだを斑に染め
赤と緑に、網膜が灼ける
わたしは、うまれてしまったのだ
あかくふよふ ....
少しく眠っていた
ワインのほこりをはらうように
表紙もはがれはじめた
古ぼけた詩集を手にすれば,
あの時
あたしの詩集は、
日常という単語ばかりで
充たされていた
....
春が淡く咲き誇り
散りゆけば夏
終わり始まり
繋がる日々に
出逢いと別れが
繰り返すのなら
眩しい景色も
散火の咲く様
騰がる熱量
灼ける残像
燃えて焦がれる
なんて切な ....
約束をするのは苦手です。
守れないことも、守られないことも、
どちらも悪くないのに、
どちらも哀しすぎて、
涙も言葉の海に沈んでいきます。
生きることは寂しいです。
忘れることも、忘れられ ....
あんなに抱いたり
キスしたりしていた妻が
今は物体のようにそこにある
その物体も
私のそれと同じように
いつかどちらかが先に
物体ではなくなるのだろう
あんなに抱いた ....
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