赤い女が
椅子に座っている
詩のような塵と
塵のような詩が
電子のように周囲をまわる
アーモンド
バームクーヘン
傷ひとつない夕暮れ
....
春の嵐が吹き飛ばす
取るに足らないことなどを
春の嵐が吹き飛ばす
明るい緑そよがせる
薄いひかりが雨粒たちが
明るい緑そよがせる
もいちどはぐくむ霊能が
....
よれよれの野球帽をかぶった
一人の男が歩道に立って
車の往来を眺めている
肌寒い初春の朝に
ジャンパーのポケットに突っ込んだ
両の手をもぞもぞさせ ....
正しさ醜さにくたびれたときひもとくもの
たとえば詩集
靴紐を解いて
靴下を脱いで
握り締めていたものが失われ
冷気にじかに触れ
はだしだ
ぼくははだしだ
裸体 その尊さを噛 ....
雨音に目を閉じる
雨粒を受けて揺れる枝先
こぼれ落ちる花弁
夜の闇
面識のない知人の母の死を思う
嵐の来る日の前の晩
帰路
桜並木との交差点で
信号に照らされる君を見つけた
....
ねそべるだけが得意の女の子に
バタクリームいっぱいのせて窒息
させたいできれば
僕には愛はないが憎悪がある
草木がそだつすこやかさを穿つ雨みたいな
裏がえって粟だった憎悪だから
女 ....
ちょうど百年まえにも
こんな日があったね
うす暗い部屋に
暴力的な光がとびちって
あなたの背中から
夜が逃げていく
どんなふうに笑ったら
夜は戻ってくるだろうか
あなた ....
ジップロックに
水分をよく切って
細かく刻んだ
糸こんにゃくを
一杯入れて
そのなかに
ポコチンを
突っ込んでみて下さい
そう、その感覚が
ミミズ千匹です
作っても作っても作れない
愛しても愛しても愛せない
中途半端な極道は哭くことさえ許されていない
言葉だけがすくいだった
孤独の淵から這い上がる力をくれたんだ
遠くにある星 ....
……夫の死に際して
ああ、あなたは行ってしまった――わたしは一人残されて
なんという憂愁の時を過ごさねばならないことでしょう
喜ばしく輝ける太陽は没し去り
光輝の国にも闇が ....
口溶けしないチョコレートが
不思議だ
口から 5ミリ四方の
サイコロ状を
舌で押し出すように手のひらに
転がしてみる
やはりチョコレート色のチョコ ....
二人のホームレスが同じ公園に暮らしていた。一人は家庭の不幸により、暫時行き場所を失った優秀な青年。もう一人は幼い頃からの窃盗の常習犯で長く浮浪生活をしていた。二人は意気投合し、配給される食事を一緒に食 ....
私は父親の顔を知らない。
けれど私の顔は、父親にそっくりだと
ある日酷く私を殴った後、母が吐き捨てるように言った。
腫れて赤くなった頬を氷で冷やしながら
私は鏡を覗いていた ....
thought things are yours
and, all of things are yours
i drive car for over the sea
there is very ....
色んな歌を歌ってきた
たくさんの歌を歌ってきた
だけど今俺の胸に残っているのは
ただ1つの歌
あんなに強くあった悲しみも
天に昇るほどだった喜びも
なぜ俺の胸には残っていないのか
こ ....
優しさだけで、生きていけると思ってた頃。
どうしようもなく、若かった頃。
けれど限りなく、輝いてた頃。
偶然ばったり
柔らかな心がぐにゅり
私とあなたがひとつにぐにゅり
目と目が合い笑みがこぼれて
また心はふたつに弾けて跳ねて
たんとんたたった
たんとんたたった
....
高齢化社会が進むなか
政府は企業に対して
定年を75歳まで引き上げ
その間新入社員と
同じ激務を与え
なるべく定年前に
人生定年となるよう要請した
これと同時に
就業年齢に達していなが ....
きっと女性 性別はきっとない
でも ほのかにジェンダーは傾く 甘い香り
ぷるんとした肌は 密室にくっつき 出番を待つ
嫌う人はきっと この広い世界だからカウントできるかもしれない
....
双子の心臓仔猫の心臓
とっとんとっとん世界をまわせ
器械の心臓双子の心臓
ばらばらばらばらプロペラまわせ
ねむりの上を見よ くろがねの大鷹はとんでいく
静かに滅べひとびと ....
老夫婦が
買い物袋を提げて
楽しそうに歩いて行く
幸せは案外地味な装いで
まだ冷たい風の中
首を竦めて待っているのかもしれない
知らん顔して
何度も通り過ぎて行った
それは自分 ....
今にも泣き崩れそうな
この空の下で
砂を噛め
針を回せ
鼓動を刻め
気を吐いて進め
胸を張って
風を切って
少女よ
忘れられた旗をうち振って
心だけは自由に生きてゆけ
さくらのさく
みちをゆく
いつもよりあかるい
ひざしもつよい
いろはあざやか
ぬくもるからだ
つよいかぜがふいて
やわいかぜもおきて
さくらはさそわれる
どちらのかぜにのるか
....
なでがたの やまときみとが かさなった
ひとひらの おちてあおばは あおあおと
つかまえて おうをやめたら そばにいた
あめがふる ぬれているやも ののすみれ
たこやきの たこ ....
五月の窓がある
五月の肩幅になった
私が映っている
外には五月が広がっていて
部屋の中は
五月が凪いでいる
四月の私はもういない
確かに昨日までは
ここにいたはずなのに
....
水色チューナー
沈んだ馬の呼吸
深くあるいは浅く
わたしは
サボテンのトゲを
いっぽんずつ抜きながら
胸の泉を打ち鳴らす
セッション・ナンバー・ワン
死を考える絵師は
炎を身にまとっている
その志の高さは不明だが
他己ともども皆が死ぬと
初めて知ったかのように
絵師は考える
炎は一途に燃えさかる様
変革を求めて割腹か ....
水たまりの花びら
ひそやかな恋
赤く変わった眼鏡
ときめく胸
桃色のカーテン
優しい笑い顔
焦らせたい、そうして
ずっと濃い色を
濃いあなたを見せてよ
雪が僅かに消え残った海岸に
揺れているのは去年のススキだ
長く厳しい冬の間
雪に埋もれて立ち続けていた
ススキはいつ倒れるのだろう
既に枯れているのに
命の抜けた穂を振って
いつまで風に ....
るる、と呼べば
りら、と響く
それは歌
スノードロップが
白い鈴を鳴らしている
水仙が
黄色い笛を吹いている
{引用=合唱団の申し込みは
春色のポストへ出してください
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