遠くをみていた君は
いつのまにか僕の足元をみつめていた
僕がだしあぐねている一歩の先を
知っているという君は
不安だという
ひとりだという
それをきいている僕の足は
それでもまだ ....
凛と張った送電線が朝の冷気に共鳴し
スクランブル交差点の信号が一斉に赤になる頃
私は私が私であったことを証明できる
数少ない証言者である。
温んだ泥からガマガエルが顔をだ ....
雨宮くんの家に
傘を忘れたぼくは
光のどしゃぶりのなかを
びしょびしょに濡れながら帰った
帰って靴をぬいだら
靴下のつまさきが
蛍光ピンクに染まっていて
しめっている指先も
すぐに乾い ....
滑走路に正座をして
ブリの刺身を食べている
月明かりに照らされた横顔
あれはかつて
誰の養子だったろう
軍用機が静かに着陸する
花びら一枚
散らすことなく
わたしのテディが
どこかをみている
わたしを越して
遠くをみている
わたしのテディだから
わたしだけをみてほしい
わたしのテディなんだから
わたしだけを思ってほしい
ジャンの自 ....
ジャンの首にシュシュ
わたしのワインレッドの
レトロ柄シュシュ
つけたこと
怒ってる?
ジャンは何も言わない
黙ってシュシュつけられてる
ジャン!
答えて、応えて
わたしに教 ....
ジャンと越えた冬
モヘアのぬいぐるみ
ジャンと越えた
暖かな冬
一人じゃなかった冬
も終わり
はじめての君との
春が来たよ
ジャンはモヘアのぬいぐるみ
夏、大丈夫かな
暑い ....
小此木って政治家が
昔いたんだけど
(今もいんのかな?)
別に彼の経済政策でも
何でもなくて
肉と
魚介が
両方入った
ミックスお好み焼きの
ことなのよ
十代で童貞捨てた奴にはわかんねーよ
贅沢が布団にくるまっている
夜が止まる
世界の片隅に
埋もれて
つらつら物思い
世間しがらみ
離れて
ふらふら風来坊
生きているうち
埋没しそうな
絶望的切望
生かされてるうち
観じるような
実 ....
虹がきれいに出たからって
ぼんやり眺めて
こころ奪われたりしません
わたし詩人ですから
ただ その七色はもらっておく
雲が猫やクジラに見えたからって
気にならないし
一切興味あり ....
なつかしい
お菓子のような言葉いただいて
泣けてきそうな気がして
ひきしめる
今日はまだ
終わっていないから
夜中にそっと冷蔵庫を閉める
あたまのおくで
クリプトン球のあかりが消滅する
少しだけ、息がとまる
コーラ瓶の栓を抜く
ひとの内側は暗くて渇きやすい
炭酸のおとがきめ細やかに変容してゆく ....
歯を磨こうと鏡の前に立つと、おわりなんだね、と
喉越し用のコップはからっと笑う。白い歯磨き粉は
まだ処女のような振りしているが、ねちっこく、ま
だ始まってもいないのにさあ、と寝そべってにやに ....
薄くなるなら
いっそ消えてよ
色彩だけが
灼け付く目蓋
今日を縁取る
昨日の夢が
縒れて拗れて
鎖の様に
明日の朝を
絡め捕る
夜
薄く延ばした
羽の様だよ
継ぎ ....
「ねえ、この身体のいったい何処に住めるっていうの?」
「身体に住むのかい?」
「そうよ、髭があれば荒れ野原だし、屋根もないし」
「眉毛の中はどうだろう。髪の毛の中だとか」
「不潔よ」
「でも ....
太陽の光が海面に反射して
キラキラと波と一緒に揺れている
海に面したこの街は
絶えず潮を香りが散歩していて
リゾートの景色を維持している
見慣れた景色だけど
飽きさせない何かが ....
生きる
乾いた空の木の枝は
去年と同じ姿をしている
彼らは信じて疑わない
この冬が
やがて春になることを
人はどうして姿かたちを変えるのだろうか
老いることは人も木も同じは ....
一枚の紙を
折りたたんでいく
半分に折れば
にぶんのいちの面積の
しかくが出来る
そこには
重なる相似形
出来上がりの形を
思い描きながら
そっと指で伸ばしていけば
ちいさなさ ....
穢衣
白んだ爪の月を眺めていると隕石が降ってきてクレーターが隆起した。庭のカテドラルは健全。おれはくたばる。スルメイカをかじりながら時計に暗唱する名前なまえそれだけを繰り返していることの意味、 ....
いつかはいろんなことが上手くいき
少しはしあわせになれると
今でも信じている
現実はそう甘くなく
事態はより深刻と複雑さが絡まっているが
....
興味を持つこと
感謝をすること
親も友人も
最愛の人も
そこにいるのは
あたりまえじゃないから
素直になること
謙虚になること
考え過ぎずに
卑屈にならずに
今の自分が
あた ....
地球は丸い
陸は地続き
未来の家族は
過去の導き
宇宙の使者も
根を下ろせば同じ
見知らぬ遺伝子
僕の一部に
となりの垣根の向こうの芝生の緑は
美しく見えるもの
ニ ....
何遍も送られてくる
同じタイトルのスパムメールを
週末の旅行から帰ってきたOLが読む
三月二十日
メールの送り主は
自分の部屋には二度と帰らない
ドアの郵便受けにたまった
....
首を振って 体を揺らす
怪しまれる限界 ギリギリで
遅延 遅刻 それもまたいい
満員電車 見送る それもまたいい
人生 法律 つり革
何も考えていないような顔で 揺られ揺られ
....
月に向かってサオを振る
眠ろうとした 僕
友達は 死んでいた
戦地へ送られた
だけど僕は帰ってきた
青信号の横断歩道を渡っている
僕は歩くのが遅いけど
青だから気にせず歩く
と 車がこちら側に曲がってきて
僕のために止まる
とたん 気持ちに冷や汗が湧き
悪いことを ....
月が紅くなったので
酒がすっかり不味くなり
呑み屋はどこも缶コロリ
夜目裏新聞そのよにあります
月が紅くなったので
白のノラ猫いなくなり
ひん剥き出された肉のよだ
白鳥アヒルも見なくなり ....
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